猫のブラッシングの必要性・効果

ブラッシングは、ただ単に猫をキレイに保つだけのものではありません。正しくおこなえば、猫にとっても飼い主にとっても嬉しい効果がたくさんありますよ。
まずは猫のブラッシングの必要性と効果を知りましょう。

抜け毛予防

猫と暮らしていると、床や家具、衣服への抜け毛の付着はある程度仕方ないこと。

こまめなブラッシングをおこなえば、一気に猫の抜け毛を取り払うことができます。部屋に抜け落ちる分が少なくなるため、掃除も楽になります。

毛球症(ヘアボール)予防

猫の抜け毛が多いと、飲み込んだ毛が胃の中で毛玉になり、嘔吐の原因になったり体内に蓄積されたりしてしまう「毛球症(ヘアボール)」を引き起こす恐れがあります。

猫の習性であるグルーミングが大きく影響するため、なるべく毛を飲み込まないようにこまめなブラッシングで取り除くことが重要です。

健康チェック

ブラッシングのときに猫の体に触れてじっくり観察することは、ノミ・ダニなどの寄生虫の早期発見にもつながります。

また、皮膚炎やけががないかといった健康チェックの意味合いもあります。

ストレス解消

猫はストレスを感じると、自分を落ち着かせるためにグルーミングをおこなうことがあります。

グルーミングをするように優しくブラッシングしてあげれば、猫のストレスや不安を取り除くことができるでしょう。

スキンシップ

猫の間でおこなわれるグルーミングは、親から子への愛情表現や、仲間内で信頼関係を築くための大切な行為。これは飼い主から猫におこなうブラッシングも同様です。

猫が気持ちいいと思えるスキンシップをすれば、猫との絆を強めることができるでしょう。

猫のブラシの種類ついて

ブラッシング道具といっても、さまざまな種類のものがあります。用途や長毛種・短毛種それぞれに適したものはどれか、チェックしてみましょう。

スリッカーブラシ

細長い金属のピンがたくさんついたブラシで、長毛種の毛玉を解きほぐすのに使います。
毛の根元からとかす必要があるため、乱暴にすると皮膚を傷める可能性も。

また、無理に毛玉を引っ張ると猫も痛がってしまいます。優しく毛先から解きほぐすように使いましょう。
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ピンブラシ

人間の髪の毛に使うブラシと形状が似ているもので、長毛種・短毛種どちらにも使えます

ピンの先が丸くなっているものを選べば、皮膚を傷める心配もありません。絡んだ毛をほぐしてくれるので、日常的に使うブラシとして活躍してくれるでしょう。

ラバーブラシ

その名の通り、ラバー(ゴム)や柔らかいシリコンで作られているブラシです。

ほかのものと比べてあたりが柔らかく、短毛種のブラッシングに最適です。猫に痛みを与える可能性も低いため、マッサージにも使えます。
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獣毛ブラシ

猫を飼ったら1本は持っておきたい、ホコリや抜け毛を取り除くために使えるブラシです。

豚毛や猪毛のブラシは適度な水分・油分が含まれていることから、被毛をツヤツヤに仕上げてくれます長毛種なら毛先がバラバラの長さになっているハードタイプ、短毛種は毛先の長さが揃ったソフトタイプがおすすめ。

コーム

いわゆる人間のクシに似た形状のもので、毛の流れを整えるのに使います。

コームを選ぶときは、目の粗いもの、細かいものが両側に付いている2Wayタイプがおすすめです。長毛種、短毛種のどちらにも使えます。

猫のブラッシングのやり方

ブラシも揃ったところで、早速ブラッシングにチャレンジ! 猫のブラッシングに関するQ&Aをご紹介します。

ブラッシングの頻度は?

適切な頻度は、猫の抜け毛の量やブラッシングの目的によって変わります。

換毛期にあたる時期は、毎日しっかりブラッシングをしても追いつかないぐらい抜け毛が発生する猫も。病気を予防するためにも、ブラッシングがストレスにならない程度に日々お手入れしてあげましょう。

抜け毛が少ないときでも、スキンシップを目的にするのであれば毎日軽くブラッシングするのがいいですね。

どういうやり方がいいの?

猫の種類に合ったブラシやコームを用意し、短時間から徐々に慣らしていきます。
抜け毛が多い時期は、地肌に近い部分と表面(毛先)の両方をとかしてください。

毛玉ができているからといって、力いっぱい引っ張るのは絶対にNG。スリッカーブラシなどを使って、少しずつ解きほぐしましょう。

ブラッシングの順番と部位別のコツは?

頭の後ろや首⇒背中⇒腰⇒しっぽ、お尻⇒おなか……といったように、猫が触られても嫌がらない部分からはじめてあげるのがコツです。

まずは猫が嫌がりにくい後頭部、首周りからスタートして、徐々に背中に向けてブラッシングします。首の後ろから背中の後方に向けて、毛の流れを意識しながらとかしてください。

そのままブラシを腰、そしてしっぽの先まで動かしていきます。敏感なお尻周りはお触りNGの猫もいるため、様子を見ながら軽く撫でる程度にとどめるのがいいでしょう。

おなか周りは膝の上で猫を仰向けにしておこなうとやりやすいです。

猫がブラッシングを嫌がるときの対処法

猫がブラッシング好きになるかどうかは、もともとの性格的なことに加えて、後天的な部分も大きいものです。

たとえば嫌がっている猫を無理やり押さえつけてブラッシングすると、猫のなかで「ブラッシング=嫌なこと」という図式が成り立ってしまいます。一度ブラッシング嫌いになると、ブラシを見ただけで逃げていってしまう……なんてことも。

さて、そうならないためには、どのようにブラッシングすればよいのでしょうか?

一気にやらない

猫がブラッシングを嫌がるときは、1回で全身をやる必要はありません。
だいたい2分ぐらいの短時間で、胸・腰・お尻側、といったパーツごとに仕上げるイメージでブラッシングしてください。

とくにブラッシングに慣れない子猫のうちは、少しずつおこなってあげることが大切です。猫が嫌がらないようであれば、徐々にお手入れする範囲を広げていきましょう。

猫が落ち着く高さでやる

どの位置でブラッシングするのか、ということも重要なポイントです。
たとえば飼い主の腰のあたりに猫の体がくるように調整してあげれば、安心してブラッシングさせてくれることがあります。

どの位置がベストなのかは猫によっても異なるため、猫が落ち着く位置を探してあげるといいでしょう。

おとなしくできたらおやつを与える

ご褒美方式で、ブラッシングが終わったら好きなおやつをあげるやり方です。

もちろんあげすぎは禁物ですが、猫の好物を有効に使えば気分よくブラッシングを受けてくれるでしょう。

猫の抜け毛の掃除方法

ブラッシングをしたあとは、ごっそりと抜け毛が発生しますよね。上手に掃除するにはどうすればいいのでしょうか。

掃除機をかけるタイミングは、ブラッシング直後がベストです。猫の抜け毛が家具の奥まで入り込んだり、カーペットの繊維に絡みついてしまったりする前に掃除機をかけてしまいましょう。
抜け毛の掃除には、ハンディタイプやコードレスタイプの掃除機があると便利です。

また、衣服への付着を防ぐためには、静電気対策が重要です。服を着る前に静電気スプレーを使うことや、洗濯のときに柔軟剤を使うことも有効です。
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まとめ

以上が猫の上手なブラッシングのコツと効果、ブラシの選び方に関する解説でした。
ブラッシングは、猫にとって大切な日々のお手入れ。飼い主にとっても猫の健康を管理し、信頼関係を構築するといった重要な意味をもつものです。
ブラッシング術をマスターして、愛する飼い猫をブラッシングの虜にしてみてはいかがでしょうか。