犬が唸る理由① 警戒心や恐怖によるもの

犬が唸ってしまう原因として、警戒心、恐怖心によるものがあります。
犬は非常に警戒心が強い動物です。自分の知らない場所や人、さらには人間には聞こえない遠くの音などに対して強い警戒心を抱きます。そしてそれらに対する警戒を示すため、唸って威嚇することがあるのです。

また、恐怖心から唸ることもよくあるケースです。
特に雷や掃除機などの大きな音や、屋外の車、バイクの音などは、犬が恐怖を感じる原因になりがちです。
犬が恐怖や警戒心を抱いているときは、尻尾が垂れ下がったり毛が逆立ったりと外見にさまざまな変化が現れます。犬が唸っているときはそういったポイントに着目し、ストレス源がなんなのか考えなくてはなりません。

犬はもちろん言葉を話せませんから、恐怖や警戒心を「唸る」ことや「震える」ことで表現しているのですね。
また、犬が恐怖や警戒心を抱いているとき、犬は極度の緊張状態にあることが多く、時には飼い主を噛んでしまうことがあります。
犬が恐怖心や警戒心を抱くような状況にある場合、第一にストレス源を取り除くことを優先しましょう。

犬が唸る理由② 楽しくて興奮している

先ほどの感情とは逆に、犬は楽しさのあまり興奮して唸ることもあります。
楽しく遊んでいたはずなのに唸られてしまった……そんな経験はありませんか? ついつい怒っていると判断しがちな唸るという行為ですが、実は喜びや嬉しさの表現であることも多いのです。

それを見分けるポイントは「歯茎を見せているかどうか」です。
怒りや警戒心の威嚇から唸るとき、犬は歯茎までむき出しにして、全力で「怖い顔」「強い自分」をアピールします。
しかし、嬉しくて唸っている場合は歯を見せずに唸り、表情も柔らかいことが特徴です。あなたの愛犬が柔らかい表情で唸っていたら、喜んでいると判断し、遊びにもう少し付き合ってあげるといいでしょう。

愛犬の「嬉しい」を理解するのは、飼い主であるあなたの「嬉しい」にもきっと繋がりますよ!

犬が唸る理由③ 優位性を示している

犬が唸る理由として、優位性を示そうとしていることもあります。
そもそも犬は狼を飼育用に改良した生き物であるため、本能的に群れ意識と、縦社会の考え方を持っています。そのため、犬は自分より地位が下と考える対象には唸って威嚇を行うことがあるのです。

犬が飼い主に優位性を示す行動としてわかりやすいのが、「マウンティング」です。
優位性を示すための行動を減らすためには、やはり早期の厳しいしつけが重要になります。犬より下の順位をつけられないように、飼い主である自分のほうが優位であるということを教え込みましょう。

犬が唸る理由④ モノに執着している

犬は独占欲が強い生き物です。
ごはんを食べているときや、おもちゃで遊んでいるときに近付くと、「取られてしまう!」と感じ、唸り声をあげて抵抗するケースがよくあります。
そのとき、実際にものを取ろうとしたわけでなくても、場合によっては噛まれてケガをしてしまうパターンも……。

そのような状況を作り出さないようにするため、「飼い主は物を取り上げたりしない」というイメージを犬に持たせるのが重要です。
例えば、飼いはじめたときにごはんを皿に盛って与えるのではなく、飼い主自ら与えれば「奪う側」ではないというイメージを与えられるでしょう。
また、遊びに関しても飼い主は奪う人ではないという印象をつけることが大切です。おもちゃなどは「ちょうだい」や「アウト」、「離せ」などのコマンドを使い、引っ張り合いっこやボール遊びを終わらせましょう。ちゃんと離したら褒めることを忘れずに。強引におもちゃを取り上げると、奪われてしまう!取られた!と思い、余計にモノへの執着が強くなる可能性があるので、注意しましょう。

犬が唸る理由⑤ 要求を通そうとしている

犬は、「散歩に行きたい」、「ごはんが欲しい」という気持ちを飼い主にアピールするため唸ることもあります。
ただし、それがいつでも適切なタイミングとは限りません。犬はそんなことはおかまいなしに唸って自分の要求を通そうとしてきます。

ここで大切なのは、犬の言いなりになって要求を通さないことです。
要求を通してしまうと、犬は「唸れば思ったとおりにできる」と考えます。そうすれば、飼い主は犬の下に位置付けられ、わがままが加速するという悪循環に陥ってしまうでしょう。
不適切なタイミングの要求は無視を突き通し、強引な要求は無駄ということを教え込む必要があります。

犬の唸り癖をやめさせる方法

この項では、犬の唸り癖をどうすれば解消できるのかまとめていきます。
前の項でも話したとおり、犬は厳格な階級社会の習性を本能的に持っている生き物です。一度犬より下に順位づけられてしまうと、順位を覆すのは非常に難しいでしょう。
しかし、裏を返せば、はじめから飼い主であるあなたの優位性を犬にしっかりと示せれば、その後も良好な関係を築くことができます。
心苦しいのはわかりますが、犬のわがままや粗相には厳しい態度で接し、上下関係を作り上げることが最終的に飼い主と愛犬との関係をよりよいものになるでしょう。

また、犬に対する厳しいしつけの方法として、天罰方式があります。
天罰方式とは、犬が何か悪いことをしたときに、飼い主が直接叱るのではなく、神が天罰を下すように罰を与え、「悪いことをすると自分にとって嫌なことが起こる」と学習させるしつけの方法です。
具体的には、大きな音の出るおもちゃで脅かしたり、水をスプレーで吹きかけたりします。このとき、飼い主がやっていると悟られないようにすることがポイントです。

この天罰方式のメリットは、犬に反抗心を与えずにしつけができること。飼い主とペットの関係が悪くなるリスクを回避できます。
しかし、この天罰方式にもいくつかデメリットがあります。なかでも重要なのが、飼い主が天罰を与えていることが犬にばれてしまうと、それまでの信頼関係が一気に崩れかねないという点です。天罰方式を行うときは、かならず飼い主がやっていることを悟られないように徹底しましょう。

また、初期のしつけは、今後の生活に影響を与えるため、トレーナーに任せるのも一つの手段です。最近はトレーナーによるしつけも豊富なコースからリーズナブル価格で受け付けていることが多いので、ペット飼育初心者であればトレーナーに飼いはじめのしつけを任せてみるのもいいでしょう。
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まとめ

犬の唸る行為にはさまざまなシチュエーションがあるということだけでなく、それぞれに意味や理由があるということが分かりました。
犬が唸るのは、単なるわがままである場合もあれば、SOS信号を発している可能性もあります。
なぜ犬が唸っているのかをしっかりと理解し、適切な対応を行うことが重要です。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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