猫がおみやげをくれるのはなぜ?

猫が獲物をくわえてきたことはありませんか? 猫を飼っている飼い主の間では、「おみやげ」「プレゼント」などと言われ、猫のうれしいような困ったような行動のひとつと言われています。

室内飼いしている猫でもゴキブリやネズミなど、外に出かける猫なら虫やトカゲ、カエルなど、猫の獲物となる生きものはたくさん。

狩りは猫の本能だから仕方ないとはいえ、部屋の中に獲物が転がっていたり、目の前に虫を置かれたりすると飼い主としては驚いてしまいますよね。中には、朝起きたら枕元に血だらけのスズメの死体が置いてあって仰天、などという恐怖体験をした飼い主もいるそうです。

猫がおみやげを持ってくるのは、飼い主のためのプレゼントという見方をされてきましたが、実は猫の本心は違うよう。では、猫はなぜ飼い主におみやげをくれるのでしょうか。

「世話してあげないと飢え死にしちゃうじゃない!」

飼い主のことを、「自分で狩りができないダメなやつ」だと思って、獲物を分け与えてくれているという説です。

人間に飼われてエサに困らなくなっても、狩りをするのは猫にとって習性。当然のことです。人間はまったく狩りをしないので、猫は「こいつ、狩りができないんだ」と思ってしまうそう。

獲物が捕れずに飼い主がおなかを空かせていたら大変だと、猫なりに心配してくれているようです。

「ほら、練習用に捕ってきてあげたから!」

飼い主が「狩りができないやつ」と思っていることは変わりませんが、狩りを教えるために獲物を持ってくるという説です。

猫が持ってきた獲物がいわゆる「半殺し」の状態だったり、今にも逃げ出さんばかりに元気だったりすることがあります。そういうときは、飼い主に狩りの練習をさせてあげるために獲物を捕ってきているかもしれません。

野性の猫は、親猫が狩りをする様子を子猫に見せたり、弱らせた獲物を持ってきて子猫にトドメを刺させたりして狩りを教えます。それを飼い主に実践しているんですね。

「見て見て! こんなの捕まえたのすごいでしょ!」

飼い主に自分が捕った戦利品を自慢するために見せに来るという説です。

獲物をくわえてきた猫が、心なしか「ドヤ顔」をしていることはありませんか? 飼い主にあげるつもりはなく、単純に狩りができたことを褒めてほしいために獲物を見せている可能性があります。

「せっかく捕まえたし、安全なところに置いとこう」

飼い主のことは何とも思っておらず、単に捕まえた獲物を安全な場所に置きたいという説もあります。

自慢されるよりも悲しいですが、少なくとも猫が飼い主と一緒の空間を「安全」と認識しているということ。横取りされることはない、と心から飼い主を信じているからこその行動です。

猫にもらった「おみやげ」、どうしたらいい?

飼い主にとってはありがたくないプレゼントですが、猫はおおむね好意的な気持ちで獲物を持ってきているようです。もちろん、嫌がらせのつもりはありません。

基本的には猫は捕った獲物には執着せず、その場を離れれば忘れます。猫が狩った獲物をどうするか調査したところ、おみやげに持ってきたのは1/4程度、食べたのも1/4程度、半数はその場に放置していたという結果が出たそうです。
飼い猫は子猫のころから食べものに困った経験がないせいか、狩りの欲求を満たせたら捕った獲物にはあまり興味がないのかもしれませんね。

おみやげをもらったら軽く褒めて、猫が見ていない隙にそっと片付けてください。大げさに驚いたり放置したりすると、飼い主が喜んでいる、もしくはおみやげが気に入らなかったと思って、さらに狩りに精を出してしまうことがあります。
不衛生なので、できれば消毒もすると安心です。

プレゼントをやめさせるには?

狩りを失敗させるために首に鈴をつけるという案もありますが、動くたびに鈴が鳴るのは猫にとってストレスになることもあります。猫がどこにいるかわかるというメリットもありますが、十分に考えて導入してください。

外に出している場合、完全室内飼いにすれば獲物を持ってくることは減ります。ただし、家の中に猫の狩り対象の生きものがいたり入り込んだりすることもあるので、絶対に持って来なくなるとは言い切れませんね。
ベランダ程度にしか外に出さない猫でも、スズメやチョウなどを捕まえてくることがあるそうですよ。

猫の狩りへの欲求を満たすため、追いかけたり捕まえたりするおもちゃを用意するといいでしょう。飼い主も積極的に遊ぶようにして、狩り以外で猫の運動量を増やしてください。
猫じゃらしなどで遊ぶときも、緩急をつけたり物影から飛び出してみたり、猫の狩りへの欲求を満たしてあげるような動きを工夫しましょう。
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まとめ

飼い主としてはあまりありがたくない猫の「おみやげ」。しかし、猫にとっては本能に従った結果で、飼い主に好意があるからこそ持ってきてくれるものです。
大げさに驚いたり叱ったりせず、穏やかな気持ちで好意だけ受け取りましょう。

猫の興味が持ってきた獲物から逸れたときを狙って片付け、普段は本能を満たしてあげる遊びを工夫してください。
飼い猫からおみやげをもらったら、飼い主として認められている証拠かもしれませんよ!
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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