猫の寝相は2つの要素で決まる

一日の大半を寝て過ごす猫。
私たち人間からからすれば、ただのんびり眠っているだけのようにも見えるでしょう。しかし、そのときの「気温」と「リラックス度」の2つの要素をもとに、猫は寝相を変化させているのです。

気温による変化

猫にとって過ごしやすい気温はだいたい20~22℃くらい

それよりも暑ければ仰向けになったり手を伸ばしたり、放熱しやすい寝相をとることが多くなります。
一方で、適温を下回れば、熱が逃げにくいように体を丸めて眠ります。

人間も夏は大の字になったり、冬は縮こまったりするもの。そのときの気温に応じて寝相を変化するのは、猫も人間と同じのようですね。

リラックス度による変化

気温以外にも、猫のリラックス具合によって寝相が変化します

身の安全が確保された環境なら、仰向けなど無防備な寝相で眠ることが増えます。
その反対に、ほかの動物から襲われる危険性が高い環境であれば、敵が迫ってきたら素早く動けるよう足を地面につけた状態で眠ります。

では、気温が高いものの、安心できない場所にいるときはどうするのでしょうか? そういった場合は、襲われる危険性の少ない高所や、風通しのよい場所や日陰などでくつろぎます。

状況にあわせて寝相を変えるのは、猫が野生で生き抜くために必要不可欠なことでもあるのです。

いくつ知ってる? 猫の寝相の名称まとめ

猫を飼っている方はもちろん、飼っていない方でもインターネット上で、いろんな寝相の猫画像を目にする機会があるのではないでしょうか。
今回はそのなかも有名な寝相の名称を、いくつかまとめてみました。

へそ天

おへそを天井に向けて寝る様子から付けられた名称です。

弱点であるおなかをさらけだしている状態なので、かなりリラックスしていると言えます
警戒心が高い野良猫などは、この寝相になることはほとんどありません。そのため、へそ天を見られるのは猫に信頼された飼い主さんの特権でもあります。

あまりにも無防備でかわいい猫の様子に、ついおなかに顔を埋めたくなってしまう人が続出しているのだとか。特に気温が高い夏季に見かけることが多いようですよ。

しり向け寝

飼い主におしりを向けて寝ることです。

これは母猫に自分の背後を守ってもらった子猫時代の名残によるもので、飼い主を慕っているからこその行動です。
もし前方から敵が襲ってきたとすれば、自分の目で危機を察知できます。けれども、背後から襲われた場合はなかなか気付きにくいですよね。

猫がおしりを向けて寝るということは、飼い主に対して「うしろは任せた!」という信頼の意味が込められているのです。

香箱座り

前足を体の内側に折りたたんで座る姿勢です。

お香を入れる、ふた付きの小箱に形が似ていることが名前の由来です。
この座り方は足の裏が地面についていないので、瞬時に行動できません。へそ天までとはいきませんが、香箱座りで寝ているときは比較的リラックスしている状態と言えるでしょう。

動物園で飼育されている個体であれば、同じネコ科のライオンやトラなども香箱座りをすることがあるそうですよ。

ごめん寝

前足に顔をうずめたまま、まるで土下座しているかのような寝相のことを指します。

SNSでもたびたび話題になる寝相ですが、実はこれ、猫にとっての「まぶしい」のサイン
本来、夜行性である猫は、暗がりでも活動できるよう感度の高い目を持っています。猫にとって人工の光はまぶしすぎるため、前足で光をさえぎっているのです。

コミカルな寝相に思わず笑ってしまいそうになりますが、猫からずればゆっくり眠れない状況です。部屋を暗くして、猫が安眠できる環境づくりをしてくださいね。

アンモニャイト

顔をおしりのほうに向けて体を丸める寝相のことです。古代生物・アンモナイトのような見た目からこの名が付けられました。

トラ柄の猫がこの寝相をしている様子は、まさにアンモナイトそのもの。
アンモニャイトになっているときは、猫には少しひんやりする室温になっています。エアコンで部屋を暖めたり、毛布をかけてあげたりするといいでしょう。

また、寒さよるもの以外にも、周囲を警戒しておなかを守っているという説もあります
頻繁にこの寝相をするときは、猫が不安を感じるような要素がないか、飼育環境を見直してみるのもいいかもしれません。

あなたの猫は甘えん坊? 寝る場所からわかる猫の心理

あなたの飼っている猫はどんな場所で寝ていますか?

寝相だけではなく、寝るときにとる飼い主との距離からも猫の心理を読み取ることができるのです。
今回は4つの寝場所からわかる、猫の「甘えん坊度」をまとめてみました。さて、あなたの愛猫は、どれくらい甘えん坊なのでしょうか?

顔のそば:甘えん坊度……100%

あなたと片時も離れたくない、非常に甘えん坊な猫です。

本来、猫は警戒心や自立心が高く、成猫になればひとりで寝ることを好むようになります。
ところが、家猫の場合は、自ら身を守ったり餌を確保したりする必要がないため、成猫になっても子猫気分が抜けません。

顔のそばで寝るということは、子猫気分が抜けず、飼い主を親のように慕っているという証なのです。

布団の中:甘えん坊度……80%

「顔のそば」には劣りますが、なかなかの甘えん坊です。

どの動物にも言えることですが、猫が最も襲われる危険性が高いときは睡眠をとっている時間。そんなときでも無防備な姿をさらけ出せるということは、飼い主を信頼しているということ

寒い季節に布団の中にもぐり込むケースが多いようですが、暑い季節でも入ってくる場合はかなり親密な関係が築けていると言えます。

股の上や足元:甘えん坊度……40%

甘えん坊度はやや低め。

飼い主のそばにいたいと思っているものの、ちょっかいをかけられるのはあまり好きではないのかもしれません。なにかあればすぐに逃げ出せるように、用心を欠かさないタイプの猫です。

ベッド以外:甘えん坊度……10%

自立心が強く、精神的に大人っぽい性格の猫です。

もともと猫は集団行動をとらず、ひとりで生活する動物。飼い主からすればちょっとさみしい気持ちになるかもしれませんが、これは本来の猫の行動です。あまりがっかりしないでくださいね。

猫の寝相と病気との関係性は?

猫が一風変わった寝相をしていると、「もしかして具合が悪いのかも?」と心配になる方もいるかもしれません。
しかし、これまで説明したようにそのときの気温や気分にあわせた寝相をとっているケースがほとんどですので、病気の可能性は少ないと言っていいでしょう

ただし、呼吸が荒い、暗い場所でずっとうずくまるっている場合などは注意が必要です。いつもと比べて猫の様子がおかしいときは病院で診てもらうようにしてください。

まとめ

ただのんきに眠っているだけのようにも見えますが、猫の寝相にはそのときの気持ちが隠されています。

今回お伝えした情報をもとに、愛猫の気持ちを理解してみてはいかがでしょうか。
それをきっかけにコミュニケーションに役立てたり、寝る環境を整えたりすることで、きっとよりよい関係が築けるはずですよ。
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 執筆者プロフィール
子どもの頃からペットと共に育ってきた、動物大好きライターです。現在は愛猫1匹と暮らしています。
みなさんがほっこりできるような記事を日々お届けしていきたいと思います。

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