飼い猫が帰ってこない……

そもそも、家を出た猫が帰ってこなくなる理由はどんなところにあるのでしょうか。以下のような項目に心当たりがないか、チェックしてみましょう。

外に興味がわいた

窓の外から見える景色に興味を惹かれ、外に出てしまったというケース。外にいた野良猫や小鳥を追いかけて脱走してしまうこともあります。とくに縄張りが広いオス猫や好奇心旺盛な性格の猫は注意が必要です。

飼い猫の祖先は野生で生活していたハンターです。ネズミのような小動物を狙い、自分の縄張りのなかで暮らしていました。室内で飼われるようになった猫たちは自分で狩りをする必要がなくなったものの、外という未知の世界への興味は失っていないのかもしれません。

避妊去勢をしていないオス猫や、発情期を迎えたメス猫である

避妊去勢手術を受けていない猫の場合、多いときは1年に3~4回の頻度で発情期を迎えます。この“恋の季節”になると、猫たちはパートナーを求めて外に出たがるようになるのです。

オスの場合はメスを求めてどこまでも移動するため、家から遠く離れた場所で迷子になってしまうケースもあります。

家のなかにストレスがある

そもそも猫というものは、環境の変化を嫌う生き物。引っ越しや室内の模様替えにより居心地が悪くなり、以前の環境を求めて外に出てしまうことがあるのです。

また、騒音や振動で安心して眠れない環境は、猫にとって大きなストレス。脱走の原因となるばかりか猫の体調に影響を与えてしまう可能性がありますので、要注意です。

迷子になってしまった

完全室内飼いの猫の場合、外に出てしまっても家の周辺で見つかることがほとんどです。

しかし上記で説明したような理由で脱走した猫が、知らず知らずのうちに家から遠く離れ、迷子になってしまうケースもゼロではありません。

自宅から離れて迷子になってしまった場合、自力で見つけるのはかなり難しくなります。

子猫や高齢の場合亡くなっている可能性も

体の弱い子猫や高齢猫は、脱走した先で残念ながら亡くなってしまっていることも少なくありません。完全室内飼いの猫にとって、それだけ外の世界には危険があるということです。

猫の脱走原因を極力取り除き、脱走対策を徹底するのが一番の対策といえるでしょう。

猫が帰ってこないときの探し方

もしも猫が帰ってこなくなってしまったとき、飼い主としてはどのようなことができるのでしょうか。まずは深呼吸して冷静を取り戻し、以下のような項目を試してみてください。

猫を探す場所

一般的に、去勢した猫の行動範囲は半径50~150m程度と言われており、はじめての脱走であれば、家の周辺に留まっていることがほとんどです。まずは家の周辺を何度も探しましょう。

猫が隠れるスペースのある物陰や車の下、側溝、また木や屋根の上も十分探します。雨が降っているときは、濡れるのを嫌がり物陰にいる可能性が高いです。

猫の探し方

多くの人の協力を得ることができれば、それだけ発見の可能性も高まります。猫の行動範囲と思われる近所で聞き込みをするほか、猫の特徴や写真、いなくなった日時、連絡先などを分かりやすく記載したチラシを作って配るのも効果的です。

また、家の周りに猫砂やおやつを置き、ニオイがするもので猫をおびき寄せる方法もあります。猫の姿が見つからないときでも、いそうな場所に少し撒いておき様子を見ましょう。

家の窓やドアを少し開けておく

迷子の猫が見つかるのは、行動的になる夜間が多いと言われています。昼間はどこかでじっとしていた猫でも、夜になって自分から家に帰ってくることも。

猫が室内に入って来られるよう、窓やドアを少し開けておきましょう。玄関の近くにごはんを置いておくのもよいです。

警察、保健所などに連絡する

脱走した猫がどこかで保護されているケースもあります。猫が帰ってこないときは、最寄りの警察や保険所に連絡し、猫の特徴や脱走日時を伝えておきましょう。万が一どこかで見つかった場合、連絡をもらえる可能性があります。

猫が帰ってくると噂のおまじない

古くから迷子の猫が帰ってくると信じられているおまじないがあります。これは平安時代から鎌倉時代に成立した「小倉百人一首」に選出された和歌を紙に書き、猫が帰ってくるまで置いておくというものです。

この和歌は伊勢物語の主人公である中納言行平の作で、「立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今かへりこむ」というもの。「あなたが私を待っていると聞いたならば、すぐに帰りましょう」といった意味が込められています。
和歌を書いた紙は、玄関に貼る伏せた猫の食器の下に置いておくなど、さまざまなやり方があります。

猫が見つかるまでの期間は決まっておらず、3日後に自力で帰ってきたという方もいれば、1週間探し回ってようやく捕獲した、3週間たっても見つからないという場合もあります。

猫が見つかるまでのあいだ、飼い主としてできることはすべてやっておくのが正解です。

猫を見つけた!でも焦りは禁物

探していた猫が見つかれば、すぐに駆け寄っていきたいもの。しかし、臆病な猫の場合、ちょっとの刺激でまた逃げ出してしまう可能性も少なくありません。猫を見つけたときは、焦らず落ち着いて対応しましょう。

駆け寄らない

大きな声で名前を呼んだり、いきなり駆け寄ったりするはNG。猫を驚かせてしまうことや、恐怖感を与えることは禁物です。

おやつやおもちゃで気を引くなどして確実に捕獲

猫を見つけたら、好きなおやつやおもちゃで興味を引いてみましょう。猫が反応するようであれば、いつもの声色で優しく声をかけてあげます。

警戒心が薄くなった猫が近寄ってきたり、猫を撫でられるところまで距離を詰められたりしたところで、焦らず確実に捕獲します。

猫の脱走に備えて

どんなに注意していても、猫の脱走の可能性はゼロではありません。脱走に備えて、できる対策はすべて行っておくことをおすすめします。

ドアや網戸などの隙間や鍵のかけ忘れに注意

猫は私たちの予想以上に華麗な身のこなしで脱走してしまう動物。ほんの小さな隙間が“命取り”になることも少なくありません。

ドアや納戸、風呂場やトイレの窓の隙間には要注意。また器用な猫は自分でドアノブを開けてしまうことがありますので、脱走に繋がりそうなドアの鍵は忘れずにかけておきましょう。

迷子札やマイクロチップの着用

猫が外に出てしまったとき、迷子札やマイクロチップのおかげで見つかるケースがあります。
迷子札は首輪につけるタイプのもので、裏面に猫と飼い主の名前(苗字)と連絡先を記載しておきましょう。
マイクロチップとはセンサーを搭載した小型の電子チップのことを指します。専用のリーダーを使うと、猫の個体識別ができるしくみです。動物病院のような医療機関で埋め込みができます。

猫の特徴がわかる写真を撮影しておく

近所での聞き込みや迷子チラシを作るとき、写真は非常に重要な役割を果たします。正面の顔だけでなく側面や後ろ姿の模様など、猫の特徴が分かる写真を複数枚用意しておくとよいでしょう。

まとめ

猫が脱走してしまったら、とにかく焦ってしまう飼い主さんは多いもの。ですが、発見の可能性を上げるためには、この記事で紹介したような対策を落ち着いて行えるかどうかが大切です。日頃から脱走、迷子対策を行うとともに、万一のときには周りの手を借りながらあらゆる手段を講じ、諦めず根気よく探してください。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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