猫のダイエットの必要性

「かわいい猫には辛いダイエットをさせたくない…」と考える飼い主さんも多いですよね。しかし、猫の肥満によるリスクは決して小さなものではありません。

「肥満は万病のもと」と言うように、肥満状態の猫は標準体型の猫と比べてさまざまな病気にかかったり、悪化したりするリスクが高まります。
具体的には足腰の関節に負担がかかることによる関節炎や、糖尿病、循環器系・泌尿器系の病気など、どれも猫を苦しめるものです。
また、肥満の猫は標準と比べて短命傾向になることも指摘されています。

肥満度をチェックしてみよう

猫の“ぽっちゃり度”を判断する基準が、「ボディコンディションスコア(BCS)」です。これはBCS1(痩せ)~BCS5(肥満)の5段階で肥満度を表すもので、ちょうど真ん中のBC3レベルが理想とされています。
BCSでは、「くびれがあるか」といった猫の外見と、外から背骨や肋骨を触った感覚で判別します。猫を真上から見た時にくびれがない、触ってもすぐに骨の感触が分からないといった状態であれば、赤信号です。

適正体重の決め方

猫の標準体重(適正体重)は、猫種によって変わります。
小型の猫として知られるマンチカンの標準は、オスで3~4kgほど。一方、大型猫であるメインクーンのオスは、6~8kgと小型猫と比べて倍ぐらいになります。
標準体重より15~20%以上体重があると肥満状態とみなされ、適正体重からは外れてしまいます。

猫のダイエット方法

愛猫が肥満状態になってしまったら、早速ダイエット作戦開始! ダイエットのポイントは、やはり「食事」と「運動」。そして、コツコツと計画的に減量していく緩やかなダイエットが理想です。
以下の3つのポイントを押さえれば、愛猫のダイエット成功確率はぐんと高まることでしょう。

①体重を減らすペースを決める

健康的なダイエットのスタートは、計画づくりから。まずは現在の体重を正しく測定し、標準体重まで何kg落とす必要があるのか把握しましょう。そのうえで、無理なく体重を減らすペースを決めます。
理想的な減量のペースは、1週間ごとに体重の1~1.5%ほどです。5キkgの猫の場合、1週間で50g、2週間で100gです。人間の感覚では「そんなに少ないペースでいいの?」と思われるかもしれませんが、猫にとっては十分です。
急激なに痩せさせるのではなく、コツコツ地道なダイエットを目指しましょう。

②食事は計画的に

ダイエットの中でかなり重要な割合を占めるのが食事のコントロールです。
炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった猫にとっての必須栄養素は外さずに、余分な摂取カロリーを減らします。

・ダイエットフードの選び方
ダイエット食の場合でも、猫の必須栄養素が含まれているフードを与えるのが大原則です。含まれる栄養分はパッケージに記載されていますが、分かりやすい目印として「AAFCO(米国飼料検査官協会)の定める基準を満たしている」ことが明記されているものを選ぶのもおすすめです。
また、愛猫の体質に合わせて、「グレインフリー」のように消化のいいものやアレルギーに配慮したものを探すのもいいでしょう。

・量の決め方
ダイエット中のフード量は、猫が必要とするカロリー数をもとに調節します。
成猫に必要な1日のエネルギー量は、体重1キロあたり65kcal前後です。ダイエットの場合、はじめは20~30%程度摂取カロリーを減らして様子を見ます。
その後、目標とする減量ペースに到達するまで、徐々にカロリーを減らしましょう。

・食事制限のコツ
ダイエット中は、1日のフード量を2~3回に分けて与えます。また、一気食いできないよう小さな容器にフードを盛る、穴の開いたおもちゃにフードを入れて少しずつ食べるようにするといった工夫も効果的です。
穴の開いたペットボトルの中に餌やおやつを入れれば、転がると餌が出てくる簡単なおもちゃになります。穴の周りはケガをしないようにテープなどで加工しましょう。

③痩せる運動を取り入れて効率的に減量

食事制限と一緒に運動を取り入れると、消費カロリーが増えてダイエットの効果も高まります。また家の中にこもりっぱなしで運動不足気味の猫にとっては、ストレスの解消にもつながります。

一日寝て過ごすようなイメージがあるように、猫は犬のように運動量が多い動物ではありません。長時間の運動も不得意としているため、1日の中で短時間の運動を複数回取り入れるのがおすすめです。

ダイエットグッズとしてもおすすめなのが、キャットタワーです。タワーの上で猫じゃらしを振り、猫が上まできたら今度は下に誘う……といったように、昇り降り運動を促しましょう。
1回の運動時間は15分以内が目安です。

猫のリバウンド防止

「せっかく痩せたのにすぐリバウンドしてしまった」というのも、猫のダイエットあるあるですね。リバウンドを防止するために、以下のようなポイントを守りましょう。

・減量のペースを守る
先ほども説明したように、理想的な減量ペースは1週間で体重の1%~1.5%減です。これを超えるペースで減量したとしても、ダイエットをやめた途端に反動で太ってしまうケースが多々見られます。
「ダイエットはスローペースでコツコツと」の原則はしっかり守りましょう。

・引き続きダイエットフードを与える
減量が成功したあと、すぐに普段の食事に戻してしまうのもリバウンドの原因です。引き続きダイエットフードを与えて、理想体重を維持しましょう。

・体重を維持できるカロリー量を探る
理想体重になってもどんどん痩せてしまうのは、カロリーが足りていない証拠。その逆は多すぎる証拠です。
ダイエットに成功して猫の体重が安定したあとも食事量をコントロールし、理想体重をキープできる摂取カロリーを把握しておきましょう。

猫のダイエットの注意点

ハイペースなダイエットと、健康を意識したスローペースなダイエット。同じダイエットでも、2つの方法が猫の体に与える影響の差は大きいものです。
愛猫を健康的に痩せさせるためにも、ダイエットの注意点は必ず守りましょう。

・栄養バランスに注意
またフードを極端に減らして野菜でかさ増しするなど、栄養バランスを崩すような食事もNGです。
ダイエット中で食事量が減るときだからこそ、猫に必要な炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルのバランスを考えましょう。

・絶食は「脂肪肝」の恐れあり
摂取カロリーを減らそうとするあまり、絶食といった極端な方法に走ってしまうケースがありますが、これは絶対にNGです。
極端に食事量を減らすことで内臓脂肪の分解が促され、逆に脂肪を代謝する臓器である肝臓に脂肪が蓄積されます。これが「脂肪肝」です。
肥満の猫が3日絶食するだけで、脂肪肝のリスクが急激に高まるとされています。

・急に激しい運動をさせない
太った猫に突然激しく動かすような運動をさせることはNG。足腰に負担がかかることで、関節を痛めてしまう恐れがあります。

まとめ

以上が猫のダイエットを成功させるためのポイント解説でした。
愛猫のダイエットに取り組む飼い主さんのなかには、ブログで日々の様子を発信している方も多くいます。他のダイエット方法も参考にしながら、根気よく理想体型を目指しましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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