陽気で愛情深い狩猟犬、ブリタニースパニエルの特徴と飼い方

ブリタニースパニエルはフランス原産の鳥猟犬です。
抜群の嗅覚で獲物がいる場所を探し当て、猟師が仕留めた獲物を回収して戻ってくる優秀なパートナーとして活躍してきました。

ブリタニースパニエルの祖先は、フランスのブルターニュ地方に17世紀頃から存在していたと推定されています。
19世紀になるとイングリッシュ・セッターやイングリッシュ・ポインターと交配され、スパニエル独特の外観は薄れていきました。

1907年に原産国のフランスで犬種として公認。美しい毛並みと猟犬・家庭犬両方としての優れた能力から、作出当初からフランスでは人気の高い犬種でした。
1931年にアメリカに輸出されると、あっという間に人気が広がり、1934年にアメリカン・ケンネル・クラブにも公認犬種として登録されました。
アメリカでは、1982年に正式犬種名が「ブリタニー」に変更されています。

ブリタニースパニエルは、体高50cm前後、体重15kg前後の中型犬です。体型は体高と体長がほぼ同じスクエア型で、筋肉質の長い脚を持っています。
生まれつきない尻尾がない個体と、短い尻尾がついている個体があります。現在も実猟に使われているため、ケガの予防のために断尾を行うこともあります。

被毛は他のスパニエル系ほど豊かではありません。毛先には緩くウェーブかかかっており、胸元や足元の毛の一部は他の部分よりも長くなっています。
毛色はホワイト＆オレンジ、ホワイト＆ブラック、ホワイト＆パイボールドと、それらの毛色にまだらにホワイトが混ざったローン、タンが混ざったトライカラーがあります。

猟犬らしく自立心がありますが、家族に愛情深く、陽気でおおらかなため家庭犬としても優れています。小さな子どもとも上手に遊べますよ。
飼い主と一緒に何かをするのが好きな犬種なので、室内飼いが望ましいでしょう。

好奇心旺盛で活発なので、精神的・肉体的な刺激が足りないといたずらなどの問題行動を起こしてしまいます。
散歩は必ず毎日1～2時間行いましょう。日常的に一緒にアウトドアを楽しめる環境で飼うのが理想です。アジリティなどのドッグスポーツに挑戦するのもいいですね。

被毛はダブルコートですが抜け毛が少ないので、週に数回のブラッシングで十分です。

ブリタニースパニエルは、遺伝性疾患が少ない犬種です。
ただし、突発性激怒症候群という、中型のスパニエル全体に起こる可能性がある病気に注意してください。

発症すると、たった今まで機嫌良くしていたのに、何の前触れもなく突然何度も激しく咬み付くといった症状が出ます。脳神経の病気で、現在治療の方法がありません。

突然ブリタニースパニエルに咬まれたとき、病気のせいなのか、間違ったしつけや訓練のせいなのかを見極めるためにも、日頃から甘やかさずに、きちんとしつけを行いましょう。

ブリタニースパニエルは、アクティブな人にオススメの犬種です。精神的・肉体的刺激が足りないと問題行動を起こす可能性があるので、積極的に一緒に外に運動しに行きましょう。
愛情深くおおおらかなので、小さな子どものいる家庭でも問題ありません。
きちんとしつけを行えば、すばらしい家族の一員となってくれるでしょう。