トイプードルの小型サイズ・ティーカッププードルの体重と成長

国際的な畜犬団体、国際畜犬連盟（FCI）において、「プードル」として認定されているバラエティは、「スタンダード」「ミディアム」「ミニチュア」「トイ」の4つです。

今回の記事にて紹介する「ティーカップ」は公式なバラエティではなく、「トイ」タイプにおける小型の個体です。これは、「タイニー」も同様です。

まずは、プードル4種のサイズについてお話しましょう。

■成犬時体高
スタンダード：45-60cm（体重：10kg程度）
ミディアム：35-45cm（同：6～9kg程度）
ミニチュア：28-35cm（同：3～6kg程度）
トイ：24-28cm（同：2～3kg程度）

ミニチュアサイズに関しては、アメリカ・イギリスのケネルクラブには該当するカテゴリがありません。トイサイズに関しても、カテゴリが出来たのはこの数十年の間です。

犬種の標準として認められるには、同じ位のサイズや特徴を持つ個体を安定して作出する必要があります。トイプードルがひとつのバラエティとして認定に至るまでも、相応の時間を要しました。繁殖がスタートしてまだ10年数年のティーカップは、現段階でサイズが安定しておらず認定には至っていないという訳です。

そうした背景から、「ティーカッププードル」としての明確なサイズ基準は未だありません。ブリーダーによってティーカップサイズの定義は異なりますが、判断基準のひとつとしては、原産地とされているアメリカのブリーダー有志が設定した「成犬時体高23cm以下、同体重2.7kg以下」という値が挙げられます。

一説によれば、ティーカップサイズは生後3カ月で800g・同6カ月で1,500g・同12カ月で1,600gという成長スピードが目安とも言われています。生後半年くらいの体の大きさを一つの目安とするとよいかもしれません。

子犬の体のサイズを決定するには、血統や遺伝が関係します。ただし、人間と同じように、小さな両親から小さい子が生まれるとも限りませんし、その逆もあり得ます。

ティーカップは、トイプードルの小さなサイズの個体として扱われるので、血統書には「トイプードル」と記入されます。基本的にトイプードルの血を引いているので、ティーカップサイズの両親を持っていても、トイサイズに成長する可能性はあるということですね。

ティーカップサイズの安定した作出を目指す愛好家たちは、健康に配慮しながら、繁殖を続けています。小さな母犬にとっては、出産も大きな負担になります。母犬の体調を優先的に考えなければ、健康的な繁殖は実現しません。

しかしながら、無理な出産や、充分な食事を与えないという心のない人間も中には存在しています。体が小さくなるよう、意図的に「フードの量を減らす」「運動させない」という行動を取ることは、ある意味で虐待ともいえる行為です。

一番は、どんな大きさの個体でも愛情を持って育てることです。ただでさえ小さな体のティーカッププードルですから、日常生活の中でもケガを負うリスクはどうしても高くなります。

愛犬が健やかに生活を送るために、しっかりと栄養をとり、安全な環境で遊ばせるなど、愛情を持って育てましょう。

トイプードルの小型サイズ・ティーカップ。まだ安定的な作出には至っておらず、経験豊富なブリーダーでも、成犬時の成長予想が難しいと言われています。生後半年の体重を一つの目安として考えることはできますが、成長のスピードには個体差があるため、予想の値は未知数です。体がどんな大きさでも、愛犬にかけるべき愛情は等しく、そして大きなものであってほしいと願っています。