低アレルゲン？ 犬のような性格？ シベリア猫とも呼ばれるサイベリアンの特徴

ロシア北東部が原産のサイベリアンは、「シベリア猫」とも呼ばれています。1000年以上前から生息していたといわれる自然発生種ですが、その起源は明らかではありません。

世界中で人気があり、特にロシアではゴルバチョフ元ソ連大統領や、メドヴェージェフ首相の愛猫として知られています。最近ではロシアのプーチン大統領が秋田県知事にサイベリアンの「ミール」を贈呈したことで、日本でも有名になりました。

ちなみに、秋田県知事の佐竹氏は大の猫好きで、7匹もの猫を飼っていたそうです。ミールは佐竹家の8匹目の猫となりました。

サイベリアンの体重は、オスが6～10kg程度、メスが4.5～9kg程度で、猫のなかでもかなり大型です。猫界最大といえばギネスにも登録されたメインクーンですが、サイベリアンはそのメインクーンに次いで2番目に大きいとされています。

ロシアの寒さに耐えてきた体は筋肉量が多く骨太。運動が好きで、たくましい筋肉を使い、機敏に動きまわって遊びます。飼うときは運動不足にならないよう、キャットタワーなどを設置してあげるといいでしょう。

ノルウェージャンフォレスキャットやメインクーンにも似た美しい毛並みを持つサイベリアン。極寒の地で体温を保つため、ダブルコートの毛がみっしりと生えており、かなり珍しいですが、三重になった「トリプルコート」の被毛を持つ個体もいるそうです。

毛質は固めでゴワゴワしていて、長くボリュームがあるのでブラッシングが必須。毛量はどの猫種より多いといわれていて、放っておくと毛づくろいの際に毛を飲み込みすぎて毛球症を起こす心配があります。1日2回はブラッシングするように心がけましょう。

タビーやバイカラー、単色など、サイベリアンの毛色はとても豊富です。登録団体によって公認される色は異なります。ちなみに、ヨーロッパではポイント柄が人気のようで、「ネヴァ・マスカレード」という別の猫種とされているところもあるようです。

一般的な猫は約1年で成猫になりますが、サイベリアンは3～5年の時間を要し、体も少しずつ大きくなっていきます。
しっかりとした筋肉と豊かな被毛をつくるため、成長期は高タンパク質のフードが推奨されていますが、成猫以降はあげすぎると肥満になってしまうので注意が必要です。

サイベリアンの性格は陽気で社交的。人懐っこく、飼い主に従順です。好奇心旺盛で、いろいろなものや人に興味をもちます。

名前を呼ぶと駆け寄ってきたり、投げたボールを取ってきたりする姿は、犬のようだと言われることも。水を怖がらない子が多いというのも、犬っぽい特徴ですね。

人見知りしないサイベリアンですが、縄張り意識は強いので、自分のテリトリーに入られるのは嫌がる傾向があります。

また、忍耐強いのもサイベリアンの特徴。ロシアの厳しい寒さのなかで生き抜くために体を適応させてきたことから、環境の変化に強く、飼いやすいといわれています。

猫アレルギーは、猫の出すアレルゲンに人間の免疫が反応してしまうことによって起こります。

サイベリアンはほかの猫種に比べ、アレルゲンが少ないと言われていますが、科学的なデータはありません。わかっているのは、猫アレルギーの原因となるたんぱく質の型が、ほかの猫種とサイベリアンでは異なるということ。そのため、一般的な「猫アレルギー」を起こしにくいということになったようです。

サイベリアンがまったくアレルギーを起こさないわけではないので、飼うときは事前にサイベリアンにアレルギーを起こすかどうか確認が必要です。

美しい容姿と人懐こい性格のサイベリアンは、歴代の大統領に愛されたというのも納得の猫ですね。とても大きく毛並みが豊かで、思わず抱き上げてみたくなってしまいます。
低アレルゲンと言われていますが、個体差があるのでまったくアレルギーを起こさないわけではなく、飼うときは十分に注意してくださいね。