ベンガルの基礎知識

まるで小さなヒョウやチーターを思わすワイルドなルックスを持つベンガル。まずは、性格や体格など基本的な情報を知っておきましょう。

ベンガル誕生のきっかけ

ベンガルの野生的なヒョウ柄はヤマネコのルーツによるものですが、実は人為的につくられた猫であることはご存知ですか? 誕生のきっかけは1970年代に行われた猫の白血病の研究です。猫の白血病用のワクチンを採取する目的で、猫白血病に対して先天的に免疫力をもつベンガルヤマネコ(アジアン・レオパード・キャット)とイエネコの交配が行われました。このとき生まれた猫がベンガルのルーツになっていると言われています。

その後、そのワイルドな美しさに魅了されたブリーダーたちによって、アビシニアン、ボンベイ、ブリティッシュ・ショートヘア、エジプシャン・マウなどさまざまな純血種の猫との交配を重ねられ、現在のベンガルが誕生することとなるのです。

愛情深くて人懐っこい。愛すべき性格のベンガル

野生的なヒョウ柄を見ると、さぞかし気性も荒いのでは……と思ってしまいますが、予想に反しとても温和な性格が特徴。ベンガルの基礎としてイエネコの血が入っているので、フレンドリーで飼い主に対しても従順なのです。甘えん坊なところもかわいらしく、また、人懐っこいので初心者の方でも安心して育てられる猫種です。

筋肉質でしなやかな体

ベンガルは「ロング&サブスタンシャル」と呼ばれる筋肉、骨格ともにしっかりした体つきです。そして「スポテッド(ヒョウ柄のブチ)」や「マーブル(うず状の縞模様)」など野性的な被毛パターンがこの猫種最大の特徴で、まさに小さなヒョウと呼ぶにふさわしいルックスをしています。体重は5~8kg、体長は55~88cmほどです。

抜群の身体能力を生かして活発に動き回ります。また、野生のルーツを持つせいからか環境になじめないとストレスを抱えがちになります。そのため、ベンガルを飼育する際は、ベンガルがいかに体を動かせる環境をつくれるかがポイントです。キャットタワーや階段などがあると喜びます。好奇心も強いため、心身ともに適度な刺激が必要な猫種であることを念頭に入れておきましょう。

平均寿命は一般的な猫の平均と同様の14年前後。人間の年齢に置き換えると70歳ぐらいまで生きる計算になります。

ベンガル最大の魅力! 野性的な被毛パターン

ビロードのようなしっとりとした輝きを放つベンガルの被毛。主な模様はスポテッドとマーブルの2種類、毛色はブラウン、スノー、シルバー(またはスモーク)の3種類があり、ベンガルの毛色はこれらの組み合わせで分類されます。
ブラウンタビー
最もメジャーな種類で、ブラウンベースの被毛に模様が入った、まさにヒョウ柄のイメージに近い毛色をしています。
スノータビー
ホワイトベースの色に模様が入っており、ユキヒョウを思わす神秘的な雰囲気をまとっています。「スノーベンガル」とも呼ばれる種類です。
シルバー&スモークタビー
アメリカン・ショートヘアのシルバータビーの血を引く、比較的新しい毛色です。また、根本がシルバーで毛先にかけて黒くなる「スモーク」が見られる種類も存在します。

ベンガルの子猫を迎えよう

ベンガルの価格帯、相場

なんといっても気になるのは値段ではないでしょうか。模様や毛色、血統書付きなど条件によって価格差が生まれるので相場は15~40万円と幅があります。血統書付きで希少な毛色を持つ子猫は種類によっては50万円以上になることも。とはいえ、10万円台の猫もけして珍しくはありません。予算に合わせて探してみましょう。

どこから購入する?

購入先のおすすめは直接「ブリーダー(キャッテリー)」から購入する方法です。ペットショップに支払う手数料が入らない分、ペットショップに比べると価格が安く手に入れることができます。また、繁殖・飼育のプロの手で育てられているため、健康な個体が手に入ることもメリットのひとつです。ベンガルは人気が高い猫種なので専門のブリーダー(キャッテリー)も多く存在します。専門だけあってベンガルの知識も豊富に持っているので、特に初心者の方は専門のブリーダーに問い合わせてみても良いでしょう。

ブリーダーから直接購入するメリット
・安く購入できる…ペットショップで上乗せされている手数料がなくなるため、5~10万円ほど安くなる傾向があります。
・健康で、問題行動が少ない…優良なブリーダーのもとで育った子猫は体も健康で問題行動も少ないので安心です。
・購入後も飼い方のアドバイスを受けることができる

健康的な子猫の選びかた

美しいボディラインを持つベンガル。立派な体に育てるためにも、飼うなら健康的で元気な子を選びたいものです。骨格、筋肉ともによく発達した体つきの子を選びましょう。一般的には毛色の模様がハッキリと出ているほど野性的で良いとされています。
ペットショップならすぐに対面できますが、ブリーダーから購入する場合は必ず見学を申し入れ、対面するようにしましょう。

飼う前に準備したいグッズ

初日までに用意しておきたい最低限必要なグッズをご紹介します。

・トイレグッズ…トイレトレー、猫砂、スコップなど
・フード(えさ)…基本的に食事は市販のキャットフードで問題ありません。栄養バランスにすぐれた「総合栄養食」がおすすめです。
・食器…フード用・水用の2種類を用意しましょう。
・ベッドがわりになるもの…猫が落ち着いて過ごせるように、寝床になるような毛布やタオルを用意しましょう。
・お手入れグッズ…爪とぎ器、爪切り、ブラシなど日常的に必要になるものです。
・キャリーケース…家に連れてくるときはもちろんのこと、動物病院に連れていくとき、出かけるときなど移動のときには必須です。
・おもちゃ…ベンガルは遊び好きな猫種。猫じゃらしや、ねずみのおもちゃなど一匹でも遊べるおもちゃを用意しておくと喜びます。
その他 子猫の飼いはじめに必要なこと
猫の健康を守るために、健康診断とワクチン接種をしておきましょう。ワクチン接種で免疫をつけておけば、万が一ウイルスに感染しても軽症におさえることができます。特に離乳時期の子猫は免疫力が低下するためワクチン接種は必須です。

・健康診断…3,000円~(内容によって変わります)
・混合ワクチン接種…1回 6,000円~ (生後50~60日、生後80~90日を目安に行います)
※継続的な健康管理には、定期的な健康診断、ワクチン接種が必要です。1年に1回は行うよう心がけましょう。

ベンガルの飼い方

ベンガルはとても賢いのでしつけがしやすく、また、ブラッシングなどのお手入れもほとんど必要のないため手のかからない猫種です。ここでは、おさえておきたい基本的な飼い方のポイントをまとめました。
ベンガルは環境の変化に敏感な猫種。いざ子猫を迎える当日は、あまり猫にストレスを与えないようそっとしておくようにしましょう。

・落ち着けるよう、寝床を用意しておきます。寝始めたら無理やり起こしたりせず様子を見ましょう。
・はじめのうちは、自由に部屋の中を歩かせておく。
・掃除機や洗濯機など、音を発するものに近づけない。そのほか、大きな物音を立てないよう気をつける。

もし、トイレや爪とぎなどするそぶりを見せたら、しつけのタイミングです。所定の場所に連れていくようにします。子猫のペースに合わせて、じょじょに慣れさせていくことが大事です。

トイレ
まずはあらかじめトイレの場所を決めておきます。猫はトイレに行きたくなると周囲を見回すなど落ち着かないそぶりを見せるようになります。ソワソワしはじめたタイミングで、猫をトイレに連れていきましょう。一度トイレに行けば自分の匂いがつくので、次からは指定の場所に行けるようになります。もしトイレ以外の場所で粗相をしてしまったら専用の消臭剤などで徹底的に匂いを取り除き、トイレだと誤認識させないようにしましょう。
爪とぎ
爪とぎは猫の本能のため、止めることは不可能です。とはいえ、家のインテリアに傷つけられてしまっては大変です。爪とぎ専用の場所をつくり、そこに爪とぎ器を置くなどして、専用の場所で爪とぎができるようしつけましょう。また、定期的な爪切りも有効です。
キャットタワー
活発に動くベンガルは、運動ができない環境ではストレスがたまってしまいます。身体能力も高く、特にジャンプ力は目を見張るものがあり、子猫でも高いところに簡単に飛び乗ることができます。ベンガルが思う存分飛んだり跳ねたりできるよう、高さのあるキャットタワーを準備してあげると良いでしょう。

ベンガルに合わせた食事って?

食事は他の猫種と同様、一般的なキャットフードで問題ありません。そのなかでも栄養バランスのすぐれた「総合栄養食」を与えてあげましょう。子猫期は子猫用のキャットフードがおすすめです。成長期に適した栄養素をバランスよく含んでいます。

個体差はありますがベンガルは飽きやすい性格の子が多いため、ずっと同じフードを与えると食べ飽きて食欲不振になる可能性もあります。いつもより食事量が減ったときは、食事内容に変化を加えてみましょう。ドライタイプとウエットタイプを併用したり、普段の食事にトッピングしてみるなど変化をつけると喜んでくれるはずです。

また、水分不足になると病気のもとになるので、常に水を準備してベンガルがいつでも新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。自動給水器もおすすめです。

食べさせてはいけない食べ物をチェック

人間の食べ物でも猫にとっては有毒な食べ物もあります。死亡につながることもあるので細心の注意が必要です。基本は市販のキャットフードを与えるようにしましょう。下記は食べさせてはいけない食べ物の一例です。

チョコレート、ココア
カカオの主成分テオブロミンが中毒を引き起こす可能性があります。嘔吐や下痢を引き起こし、死に至ることもあります。

ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニラなど)
猫の赤血球を壊す成分が含まれており、下痢や嘔吐、血尿を起こす原因になります。固形物に限らず、エキスが染み出たカレーや味噌汁、煮汁も与えてはいけません。

生のタコ、イカ、エビ、カニ、魚の内臓
生の状態にはビタミンB1を分解する酵素が多く含まれているため、食べるとビタミンB1欠乏症を引き起こします。けいれんを起こし、死に至ることもあります。

コーヒー、紅茶、緑茶
カフェインが呼吸困難や痙攣をおこす原因になります。

魚の骨、鶏肉の骨
火の通った骨は縦に裂けやすく、鋭利な形になり、猫の食道や胃腸を傷つけるおそれがあるので危険です。

生卵
生の卵白に含まれるアビジンという酵素が成長を妨げ、皮膚炎などを引き起こすので注意しましょう。ただし、加熱調理すれば与えても問題ありません。生の卵黄は有害ではないものの、サルモネラ菌などが含まれているのでこちらも加熱調理をおすすめします。

ベンガルをきれいに。日頃のお手入れ

猫は自分で自分の体をなめる「毛づくろい」をすることで清潔を保ちます。ベンガルは短毛種のため、ブラッシングも1日1回程度で美しい状態をキープできます。ベンガルは飼い主さんとのスキンシップも大好きなので、体をやさしく撫でながらブラッシングしてあげると良いでしょう。
特別なお手入れを必要としないベンガルですが、耳あかや目やになど、汚れが目立つときは飼い主さんがケアしてあげましょう。基本はぬるま湯を含んだコットンでやさしくふきとればOKです。

爪切り
爪の伸びすぎはカーペットなどに引っかかって転ぶなどトラブルのもとになります。2週間~1カ月を目安に爪の伸び具合をチェックし、伸びたら猫専用の爪切りでカットしてあげましょう。ポイントはあくまでも白い部分のみのカットにとどめること。神経の通ったピンクの部分までカットしてしまうと血が出るだけでなく痛い思いをさせてしまうことになります。万が一、出血した時のために粉状の止血剤を準備しておくと便利です。

ストレスをためやすいベンガル

ベンガルは丈夫な猫種で遺伝的にかかりやすい病気もほとんどありません。ただし、ストレスには注意が必要です。野生の血をひいているせいか周囲の環境に対してやや敏感なところがあるのです。落ち着かないと精神的なストレスから神経障害を起こすこともあります。特に
・運動不足
・急激な環境の変化
・飼い主とのコミュニケーション不足
でストレスをためがちです。

毛づくろいの頻度に増減が見られたり、便秘や下痢を起こすようになったらストレスをためているサインかもしれません。普段の生活を見直して早めにケアしてあげてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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