雑種猫とは?

桜と猫
雑種は、「種類が入り混じる」という意味を持ちます。雑種猫は、その名の通り2種類以上の品種を繁殖させることにより生まれた猫のことです。
多くは地域の野良猫が自然交配することで誕生しますが、人間の手により意図的に作られた「ハーフ猫(異なる純血種を親に持つ)」、「ハイブリッド猫」として雑種と区別する場合もあります。
「雑種=野良猫」というイメージを払拭するためか、最近では雑種猫を「交配種(交雑種)」や「ミックス」と呼ぶことも多くなっているようです。

日本において、純血種と雑種の割合はどれぐらいなのでしょうか?
アニコムが発表している「家庭どうぶつ白書2021」では、雑種猫は猫の品種ランキングで第1位。

日本で飼育されている猫のうち70%以上を占める、といわれるほど、雑種猫の飼育数は多いです。

雑種猫が多くなる理由はさまざまですが、キジトラや三毛猫など、もともと日本に土着している猫が異なる猫との交配種であることや、保護猫を迎える人の増加などが指摘されています。
また、「異なる純血種同士を多頭飼育したことで、ミックス猫(雑種猫)が誕生した」というパターンも多いようです。さらにミックス猫の子どもは、どんな交配パターンであってもミックス猫として生まれます。
アニコム家庭どうぶつ白書2021

雑種猫の魅力について

純血種と比較したときの雑種猫のメリットとして、具体的にどんなことが挙げられるのでしょうか?

雑種猫の魅力のひとつが、体の丈夫さです。
純血種の場合、品種を確立する過程で遺伝が近いもの同士を掛け合わせて作るため、ある性質が強まり、遺伝的欠陥が現れるリスクが増えます。
一方の雑種猫は、異なる遺伝子の掛け合わせで生まれます。そのため特定の遺伝的疾患を持ちにくく、結果病気にかかりにくくなるのです。
また体が丈夫であることから、純血種と比べて寿命が長くなる傾向にあります。平均の15歳を超え、20歳近く生きる雑種猫は、決して少なくありません。

雑種猫の魅力のふたつめが、毛色や柄のバリエーションの豊富さです。
純血種の場合、特定の毛色が定められていることも多いのですが、雑種猫は毛色や模様に決まりはありません。
長毛、短毛、トラ模様、サバ模様、三毛猫……2頭として同じ猫は存在しないという、まさに「オンリーワン」の魅力があります。
品種にこだわりがないのであれば、自分の好みの見た目や性格で飼い猫を選べるのも、雑種猫のメリットと言っていいでしょう。

雑種猫の毛色について

毛色や模様に無数のバリエーションが存在する雑種猫ですが、色柄により一定の特徴や性格が見られる場合があります。
ここでは、日本において代表的な6つの毛色について、特徴と性格の傾向を説明します。

キジトラ

キジトラとは、鳥の「キジ」と動物の「トラ」模様が合わさったような縞模様(マッカレルタビー)を持つ猫です。
日本において最も多く見かける雑種猫で、現在家庭で飼育されている猫(イエネコ)たちの祖先である「リビアヤマネコ」に近い存在とも言われています。
同じキジトラと言っても、模様のパターンや目の色はさまざまです。

性格はヤマネコのように警戒心が強く野性味があるものと、イエネコのように人懐っこいものと両極端に分かれることが多いようです。

茶トラ

茶トラは、キジトラの色味が薄まったような模様を持つ猫です。ベースカラーは赤みのあるブラウン~レッドであることが多く、そこに赤茶のタビー模様が入ります。
優しくかわいらしい色味から、日本では大変人気のあるカラーです。

茶トラの性格は、人懐っこくて甘えん坊。とても温厚で、やや気が弱いために争いごとを好まない傾向にあります。
人間との生活にも馴染みやすいため、飼い猫としてもぴったりです。

サバトラ

サバトラは、キジトラや茶トラに次いで多く見られる縞模様の猫です。
サバトラのサバは、魚の「鯖」に由来しています。グレー~シルバー系の被毛を持つことから、キジトラに対して「灰トラ」「銀トラ」と呼ばれることもあります。

性格は、キジトラのように神経質で警戒心が強い個体と、陽気で明るく、人懐っこい個体にハッキリ分かれる傾向です。
一説によると、陽気な性格はアメリカ生まれの「アメリカンショートヘア」の遺伝子が混じることによるのではないか?とも言われています。

黒猫

全身真っ白な被毛に、金色の瞳を持つ黒猫。ジブリアニメや企業のキャラクターとしても有名ですよね。
暗闇に溶け込むような神秘的な姿が特徴ですが、世界では黒猫に関する言い伝えが多数存在します。日本では、 「神の使い」と言われることや、反対に「不吉の象徴」と言われることも。
いずれにせよ、黒猫もまた古くから人間とともに過ごしてきた雑種猫です。

性格は、非常に賢く、人の言葉をよく理解するとされています。
また、クールな見た目とは反対に、人懐っこい性格の個体も多く、そのギャップがまた一層黒猫の魅力を高めています。

白猫

黒猫とは対照的に、全身真っ白な毛で覆われた白猫。輝くような美しさは、黒猫とはまた異なる神秘性を感じさせます。
猫らしくしなやかで優雅な姿に魅了された猫ファンは数知れず。今も昔も、「白猫=高貴、優雅」なイメージは世界中で引き継がれていますね。

高貴な見た目の通り、性格は気が強く、ちょっとわがまま。飼い猫になると、独占欲や嫉妬心の強さを見せることがあります。
飼い主を独り占めしたがる傾向にあるため、あまり多頭飼いには向かないかもしれません。

三毛

「ザ・日本の猫」というイメージの三毛猫。実際、日本の土着猫として古くから存在し、江戸時代の浮世絵でもその姿を見ることができる猫です。
白・黒・茶(赤)の三色の被毛を持ち、英語では「キャリコ」と呼ばれます。日本では決して珍しくない三毛ですが、海外産の純血種としては珍しく、高値で取引されることもあるカラーです。

外飼い猫として自由気ままに過ごしてきた歴史があることから、性格は独立心に富み、勝気。
「猫とは互いに適度な距離感を持って暮らしたい」という人におすすめしたい毛色です。

雑種猫を迎える方法について

日本において数多く存在する雑種猫ですが、飼い猫として迎えるにはどんな方法があるのでしょうか? おすすめの3つのパターンを紹介します。

譲渡会への参加

地域の保健所や動物愛護センターが主催する譲渡会に参加する方法です。
譲渡されている猫の多くは事情があって飼えなくなった猫や保護猫。被毛のカラーや模様、月齢もさまざまです。
譲渡会で里親になるためには、施設によって決められた条件を満たさないといけない場合があります。
事情により元の飼い主や親元から離れてしまった猫たちだからこそ、愛情と責任を持って最期までお世話したいものです。

里親募集サイトの利用

ネットで応募できる里親募集サイトでも、たくさんの雑種猫が新しい飼い主を待っています。
サイトや譲り主により募集・里親申込の条件はさまざまですが、直接譲渡会に足を運ぶことが難しい場合でも、ネット上で猫の情報を集めることができるのは大きなメリットです。
たくさんの雑種猫からお気に入りを探したいと言う人は、一度里親募集サイトを覗いてみてはいかがでしょうか?
「hugU」(ハグー)

「hugU」(ハグー)は、さまざまな事情から飼えなくなってしまった動物や
飼い主がいない動物の里親を探している方と、
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動物病院への問い合わせ

動物病院は、地域の猫の情報が集まる場所でもあります。どこかの家庭で子猫が生まれた場合や、ケガをして運ばれた飼い主知らずの猫がいる場合、動物病院を介して猫を引き取れる場合があります。
病院に貼り紙などを貼っている場合もあるため、気になる方は一度問い合わせてみることをおすすめします。

まとめ

日本猫らしい魅力あふれる「雑種猫」について詳しく紹介しました。
純血種以上に個性豊かな雑種猫たちを、ぜひ愛猫の選択肢として加えてみてはいかがでしょうか。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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新たにペットの飼育や購入をお考え方は、ぜひ「ハグー」で里親になるという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

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