猫の不思議な鳴き声、クラッキングとは?

普段はまず聞くことがないような不思議な猫の鳴き声を聞くと、病気なのではないかとドキッとしてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、これは「クラッキング」と呼ばれる猫独特の鳴き方で、体調が悪い、あるいは病気が原因で起こすものではありません
クラッキングする際に、小刻みに震えるという例や、なにかにおびえたような目つきを見せるという報告も見られるものの、これも正常な反応です。
クラッキングは猫であればどんな猫種でも行うものですが、同じネコ科でも、ライオンや虎といった動物はクラッキングを行いません。

猫のクラッキング、なぜそんな鳴き方をするの?

次に感じる疑問は、「どうしてそんな鳴き方をするのか」というものでしょう。
それでは、猫はどんなときに、どのような理由でクラッキングするのか、紹介していきます。

クラッキングはいつするのか

クラッキングを行うケースとして多いのが、窓などから外を眺めているタイミングと言われています。
実際にネット上の口コミなどでも、外を見ているときに限ってクラッキングをするという報告例は少なくありません。

この理由としては、猫は何らかの動くもの、とくに小動物を見つけたときにクラッキングすることが多いからであると考えられます。それ以外には室内で虫を見つけたときにも、同等の行動を取る場合が目立ちます。

クラッキングしているときの気持ち

クラッキングを行う理由はまだ科学的に解明されていませんが、猫が持つ本能によって起きているという説が有力です。

猫は人間に飼われるようになって以降の歴史を長く持ちますが、それでもなお狩猟本能を強く残しています。
狩りの対象である小動物を見つけたものの、それを見過ごさざるを得ないというジレンマが、クラッキングとして表れている可能性が高いのです。

すでにライオンや虎はクラッキングを行わないとお伝えしましたが、これは彼らが今も現役で狩猟を続けているためと考えるのが自然でしょう。
狩りの最中に音を出してしまうと獲物に気付かれてしまうので、クラッキングは彼らにとって不要な行動なのです。

飼い主に向かってクラッキング!?

外に向かって行うことが多いクラッキングですが、飼い主に向かって行っている場合には、どんな感情を抱いていることが多いのでしょうか。少し意外に感じるような理由も含まれているので、猫の気持ちをより深く理解しておきましょう。

信頼している

狩りの対象になるものや、得体の知れないものが目に入ったときにクラッキングすることが多いという点はすでにご紹介したとおりです。
つまり、この状況は猫にとって緊急事態。それを飼い主に伝えるということは、すなわち「飼い主への信頼」を意味していることにもなります

危険な状態を知らせようとクラッキングしている場合には、飼い主を守りたい気持ちも心のどこかで働いているかもしれません。

なにか欲求がある

本来は獲物を捕まえたくても捕まえられないジレンマから起こすことが多いクラッキングですが、それが過剰に発展していくケースもあります。
何らかの欲求不満を覚えたときに、クラッキングで気を紛らわせ、不満を解消しようと試みる場合もあるのです

最近になって飼い主に向かってクラッキングする回数が増えてきた場合には、欲求不満の元になっている問題がないか考えてみてもよいでしょう。

以前、クラッキングしたときにいいことがあった

猫が以前にクラッキングした際、やめさせるためにおやつをあげたり、普段以上に遊んだりして注意を反らさせた経験はありませんか?
そのことを猫が覚えていると、「こうすれば構ってくれる」と認識し、たくらんでしまうことも

ここで以前と同じような対応を取ると、さらに味を占め、自分の欲が満たされるまではクラッキングをやめなくなってしまうかもしれません。

クラッキングは病気ではなく、体の不調を知らせるためのものでもないので、基本的にはそのまま様子を見ていれば自然と収まります。
猫を飼って間もないという方にとっては不安かもしれませんが、誤った対応は避け、自然に収まるまで待ちましょう。

クラッキングしない猫もいる?

猫が本能で行うクラッキングですが、猫にも1匹1匹にアイデンティティがあり、なかにはクラッキングを一切しないという猫も存在します

クラッキングをすることは病気ではありませんが、反対にそれをしないから異常というわけではありません。他の子と違っておかしいと感じる必要も決してないのです。
クラッキングしなくても不自由が起きることはないので、個体差の一つとして捉えて、気にとめずにこれまで通り生活しましょう。

猫でもクラッキングしない猫もいる

人間と同様に猫にもさまざまな性格があります。窓の外を眺めているのが大好きな性格の家猫だとしても、クラッキングしない猫はたくさんいます。

しかし、だからといって防衛本能が薄れているというわけではないので、猫の心配をする必要はありません。
個性の一つとして捉え、「マイペースでのんびりした子なんだな」と考えておけば問題ないのです。

また、もともとは野良だった猫を迎えた場合は、野良時代の「あえてクラッキングしない」という習性をそのまま残している可能性が高いです。
元野良猫は実際に狩りしていた経験を持つことが多いため、野生動物に悟られないようにクラッキングしない習性がそのまま残っているのです。

クラッキングが下手な猫もいる

なかには、クラッキングをしているにも関わらず、それが下手なせいで飼い主に伝わっていないだけというケースも見受けられます。
本人は一生懸命クラッキングをしているつもりでも、うまく鳴き声を出せずに、人間から見ればじっとどこかを見つめているだけととられる場合もあるのです

クラッキングの理由を振り返ればわかるとおり、家猫が安全で快適に過ごせていれば、もはやクラッキングをする必要などはまったくありません。
クラッキングが上手だとしても、下手だとしても、それが理由で優劣がつくことは決してないので、人間が心配するには及ばない問題です。

まとめ

普段は聞かない鳴き声を出した場合、それは猫特有のクラッキングを行っている可能性があります。しかし、クラッキングは病気や体調の異変を示すものではないという説が一般的です。
クラッキングをする場合も、しない場合も、いずれにしても異常というわけではありません。クラッキングをする理由を理解し、落ち着いて見守ってあげるとよいでしょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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