猫が仰向けで寝る理由①安心安心

仰向けで眠る猫は、飼い主のそばで安心し、リラックスできている状態です。
もともとは野生で暮らしていた猫たちは、自分の縄張りへの侵入者や外敵に警戒しながら生活をしていました。

また、動物にとっておなかは急所です。すなわち、おなかをすべてさらけ出して仰向けで寝ているというのは、急所をむき出しにしているのと同じこと。周りに外敵がいたり、居心地が悪かったりすれば、へそ天で眠ることはありません。

しかし、家の中で人間とともに暮らすようになり、心から信頼できる飼い主さんのそばにいることによって、リラックスして眠れるようになったということです。飼い猫がへそ天ポーズでスヤスヤと眠る様子が見られたら、「ここに自分を攻撃する人はいないな」と心を許し、穏やかな気持ちでいると考えてよいでしょう。

もふもふは我慢しましょう

自分のすぐそばでおなかをさらけ出して眠っている猫の姿は、とてもかわいいもの。「思わずもふもふしたくなる」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、熟睡している猫を撫でたり、抱っこして起こしたりするようなことは、やめておいた方が賢明です。そのときの猫の気持ちとしては、「せっかく気持ちよく寝ていたのに!」、「ここだとよく眠れない……」。安心して眠っている猫を起こしてしまうと、飼い主への信頼感や安心感が損なわれてしまうケースもあります。
へそ天で眠る猫を見つけても、かわいい寝顔を静かに眺めるだけに留めておきましょう。

また、「へそ天」状態で寝ている猫を移動させようと、仰向け姿勢のまま抱っこするのはあまりおすすめしません。猫にとって仰向けはやや不自然なポーズであり、さらに急所であるおなかをさらけ出した無防備な状態でもあります。そのような状態で上に持ち上げられたら、猫は抱っこに対して不快感や恐怖心を抱いてしまいます。
とてもリラックス状態のときや、仰向けに抱っこされるのが好きな猫の場合は例外ですが、基本的には、猫の胸とお尻をしっかり支える形で抱き上げるようにしてください。

猫が仰向けで寝る理由②甘えている

飼い主の目の前でゴロンとへそ天になったときは、猫が甘えているサインかもしれません。まるでおなかを撫でて欲しがる犬のような仕草ですが、猫の場合も「もっとナデナデして!」「かわいがってよ~」という気持ちで仰向けポーズをとるのです。
先ほど説明した“安心している”パターンとも似ていますが、この場合も猫は飼い主さんを信頼しきっている状態であると言えます。
目の前でへそ天ポーズをとられたときは、猫の「かまって!」アピールに応えるべく、おなかを優しく撫でてあげるのもいいでしょう。

「へそ天」は子猫期に多く見られるもので、成猫になるにつれ仰向けで寝なくなったというケースも少なくありません。子猫の時期は人間に対する警戒心が薄く、危機意識もあまり持っていません。そのため、無邪気に急所を見せるへそ天ポーズをとるのです。
もちろん、成猫になってからも仰向けで眠る猫も存在します。この場合は、子猫が母猫に甘えるように、飼い主さんに愛情を示してくれていると考えてよいでしょう。

猫が仰向けで寝る理由③発情期のアピール

仰向けポーズをとるのは、猫にとっての恋の季節、いわゆる発情期だからという説もあります。これは猫の本能による行動です。普段は周囲を警戒してほかの猫を寄せ付けないメス猫でも、繁殖のパートナーを探す時期になると「近づいてもいいよ」という意味を込めておなかをさらします。

避妊手術を受けていない猫の場合、気が付くと妊娠していた……なんてケースは珍しくありません。妊娠・出産を望まないのであれば、早いうちに手術を受けることをおすすめします。

猫が仰向けで寝る理④暑い

へそ天は猫が安心しているときや警戒心を解いているときのポーズであると説明しました。ところが、仰向けで眠っているのが夏場であった場合、それは単に猫が暑さを感じているだけなのかもしれません。

夏毛に生え変わるとはいえ、全身がもふもふの毛に覆われている猫。人間のように汗をかくことが出来ないため、体温の調整は苦手である場合が多いようです。毛づくろいによって唾液で被毛を濡らし、気化熱で体温を下げようとすることは出来ますが、真夏のシーズンは調節が追い付かないことも。そんなときに、おなかから熱を発散させようと、仰向けの姿勢をとるのです。猫の毛は背中側よりもおなか側の部分が薄くなっているため、そこからこもった熱を逃がそうとしているのですね。

世界中で温暖化が叫ばれている現代、完全室内飼いであっても熱中症にかかるリスクはあります。暑そうに仰向けになって伸びきっている様子が見られたら、室温調整を工夫してみましょう。

仰向け以外にもある! 飼い主への信頼度がわかる猫の寝方

「へそ天ポーズで寝るのは、飼い主への信頼の証」であることを説明しました。1日のほとんどを寝て過ごす猫は、寝相のバリエーションも豊富です。
また寝る場所や寝相により、飼い主や家族に抱いている安心感や信頼の度合いが分かることも。寝方別、飼い主への信頼度について見てみましょう。

わざわざ飼い主の目の届くところに来て寝る…信頼度:高い

先ほども説明したとおり、急所であるおなかを見せて熟睡することは、親猫や心から信頼している人の前でしかできないこと。わざわざ自分の前でゴロンと仰向けになるということは、「あなたのそばは安心できるよ」という気持ちの表れでもあります。
猫を起こすのはNGですが、甘えた気持ちでへそ天をしているときは、優しく声をかけながらそっと撫でてあげてくださいね。

飼い主のベッドや布団に上がって寝る…信頼度:普通~高い

飼い猫がベッドの上に上がってきたり、布団の中に潜り込んできたりした経験を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。そもそも人間の傍で眠るという行為自体、その人との関係性ができていないと決して見られないものです。

一方、猫が眠るポジションによって、信頼度にも若干の違いが見られます。人間の顔側に近いほど信頼感が高く、足の方へ行けば行くほど警戒心が高まると言えるようです。股の間に丸まって眠る猫もいますが、このときは「飼い主さんの傍にはいたいけど、眠りを邪魔されたくない」という心理が働いているよう。

飼い主の体の上や、腕枕で寝る…信頼度:特に高い

人の体の上や腕枕で眠るのは、最大限に近い信頼感の表れです。一番安心できる場所でぐっすり眠りたいという心理は、猫も人間も同じ。自分に身を預けた状態で眠ってくれるということは、もっとも無防備な状態をさらしても大丈夫な相手だと認識されていると考えて間違いないでしょう。

ずっしりとした重さと、ポカポカ温かい猫の体温にこのうえない幸せを感じるという飼い主さんも少なくありませんよ。ゆっくりできる休日であれば、そのまま猫と一緒に眠ってしまうのもたまりませんね。

まとめ

以上、猫が「へそ天」で眠る理由と心理について解説しました。基本的には“信頼感”や“安心感”の表れであると考えていいでしょう。
ただし、仰向けに寝た猫が震えている、苦しそうな息をしているなどのときは、なんらかの病気の可能性も考えられます。猫の様子におかしな点がないか、よく観察してくださいね。

我が家のへそ天写真

へそ天で寝ている猫
犬1匹、ミックス猫4匹という大家族の我が家で、最も日当たりの良い場所をキープして仰向け寝する抜け目ない愛猫はな丸。その図太さが愛される理由です。
こたつ布団の上で眠っているときの写真です。寝ている間にだんだん暑くなってきたようで、最終的にこんな姿に。目覚めると「はっ!私はなんて無防備な姿で寝ていたんだ!」という顔をして、慌てて香箱座りをしていました。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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