猫が物を落とす理由①単純に邪魔だから

机や棚の上の物を落とされると大きな音が出るときもあり、びっくりしますよね。人間の感覚からするとかなり驚いてしまう行為ですが、猫にとってはさほど大きな意味を持たない場合もあります。
猫の目線から見てみると、「単に自分の通り道の障害になっている物をどかしてみただけ」、なんて感覚かも知れません。なんとも猫らしい、マイペースな理由です。

また、机や棚の中に置かれている物が、“なんとなく目障りだから”と落とされている可能性もあります。自分の生活スペース内に気に食わない物があれば、猫だって黙ってはいないのです。

猫が物を落とす理由②縄張り意識

かつて野生で暮らしていた猫は、自分の居住空間としての縄張りを持って生活していました。室内で飼われている現代の猫の場合、以前よりも縄張り意識が弱まっているとは言え、それでもゼロではありません。自分のテリトリーに見慣れない物体を置かれるのは許しがたいことであり、それゆえに物を落とすという行為に走ってしまうのです。

また、物が置かれている場所が、猫が眠ったり日向ぼっこをしたりするのに最適な“お気に入りスペース”である場合もあります。少々乱暴にも思える猫の行為は、「ここに物を置かないで!」という反抗の気持ちの表れなのかもしれませんね。

猫が物を落とす理由③好奇心

特に生まれて間もない子猫の時期や活発な若猫は、好奇心が強い年代です。机の上の物を落下させるのも、単純に「これ、動かせるのかな」、「落としたらどうなるんだろう」という悪意のない好奇心が理由になっているのかもしれません。
また物が落下して地面で転がる様子や音は、猫にとって面白く興味深く感じることも。新しい遊びを発見した子どものように無邪気に振る舞っているだけなのかもしれませんね。
困ったことに、落下した物が思いがけない動きを見せることや、大きな音がすることを面白がって、物を落とす遊びが“癖”になってしまうケースもあります。

家庭で飼われている猫でも、少なからず野生の“ハンター”としての血を継いでいます。猫が退屈を感じているとき、自分で物を落として新たな刺激を得ようとするのは、本能的な行動なのです。
自分が落とした物の行方を、注意深く見守っている様子が見られたら、「物を落として遊んでいるんだな」と理解しましょう。

猫が物を落とす理由④気を引きたい

大好きな飼い主さんの気を引きたいがため、“わざと”問題行動を起こしているパターンです。このときの猫の気持ちには、「自分に構って欲しい、こっちを見て欲しい」という要求が込められています。

また、物を落として飼い主の気を引くことに成功した経験を持つ猫は、「音を立てれば、自分のところに来てくれる」と学習しています。パソコン作業やスマートフォン操作、雑誌を読むことなどに集中している飼い主の妨害をしようと、目の前で物を落としてくる猫は、「ハッとさせれば、わたしに構ってくれるかな、遊んでくれるかな」といった期待を込めて物を落とすのです。
気持ちさえ分かれば可愛らしくいじらしい行動ですが、気を引きたいだけにしては、いささか乱暴な行為とも言えますね。

また、「おなかがすいたよ、おやつが欲しいよ」といった要求を込めて物を落とす猫も存在します。このとき、猫は鳴き声を上げたりするよりも、物を落とすようなイタズラをした方が手っ取り早く飼い主の気を引けると理解しているのです。特に知能が高く学習能力に優れた猫種ほど、こういった傾向が見られます。

物を落とすと、飼い主さんがすぐに飛んできたり、構ってくれたりすると学習した猫の“誤解”を解くのは、並大抵のことではありません。また、「コラ、ダメでしょ!」と怒られるのも、猫にとっては構ってもらえるのと同じこと。かえって行為をエスカレートさせてしまう原因になるので、落とされても壊れない物であれば、無視した方がよさそうです。

落とされたくない……

綺麗に並べたインテリアグッズや、花瓶などのガラス製品、また時計やスマートフォンといった精密機械は、落下による衝撃で壊れてしまう恐れが。猫に落とされたら、大変ですよね。猫に物を落とされたくない場合は、どのように対処するのが正しいのでしょうか。

たくさん遊んであげる

先ほども説明したとおり、猫がイタズラするのは「構って欲しい」気持ちの表れであるケースがあります。「もっと一緒に遊んで欲しい」「自分に注目して欲しい」と考えているだけなので、一緒に遊んだり触れ合ったりする時間を増やすことで、解決に向かう可能性も高いのです。
猫と一緒に遊ぶには、猫じゃらしのような動くおもちゃを使うのが最適です。猫が「もう十分だよ~」と降参してしまうほど、遊んで、遊んで、遊び倒してあげましょう。

物を落とされても反応しない

猫のなかで「物を落とすと飼い主さんが駆けつけてくる」という方程式が成り立っている場合は、その紐づけを解く必要があります。
たとえなにかを落とされたとしても、ケガや事故の恐れがないのであれば、“知らんぷり”をしてみましょう。イタズラはすぐに収まらないかもしれませんが、「あれ?物を落としても飼い主さんが反応しないぞ?」と気が付いた猫は、物を落とすことに執着しなくなります
猫は私たち人間が考えているよりも賢く、学習能力の高い生き物です。物を落としても意味がないと言うことを繰り返し学習させましょう。

猫の動線やお気に入りの場所に物を置かない

廊下などの生活導線やベッドの上といったくつろぎスペースに物を置かれると、私たち人間も邪魔に感じますよね。もちろん猫の場合も例外ではないのです。
猫には、お気に入りの場所で日向ぼっこをしたり、眠ったりするのを好みます。”猫にとって大切なスペース“と分かっている場所には、極力物を置かないようにしてくださいね。

落とされたら困る物を置かない

そもそもの原因から絶ってしまう方法です。落とせる物がなければ、問題も起きません。特にガラス瓶のような割れやすい物を机やキャビネットの上に置くと、思わぬ事故やケガの原因になることがあります。猫の居住空間には、落とされて困る物、壊れやすい物は置かないようにしましょう。

まとめ

以上、猫が故意に物を落とすときの心理と、その対処方法について説明しました。
私たちのように言葉を持たない猫は、ボディランゲージを使って気持ちを伝えようとします。イタズラのように見える行動も、悪気があってのことではないのです。
万が一猫に物を落とされても冷静に対処し、過剰反応しないことが大切です。また落とされて困る物は猫の手の届くところに置かないことを徹底し、思わぬ事故から猫を守ってあげましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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