猫がついてくる理由① 親だと思っている

猫が飼い主を「母親」と勘違いしているケースです。
通常、子猫はおよそ生後6カ月までの間に自立し、親離れしていきます。親離れした子猫は、以降一匹で単独行動するようになるのです。

「親離れ」の時期は、子猫の成長の中でも大切な時期になります。この時期を迎える前に、人間の飼い主に引き取られた猫は、十分な親離れができない場合があります。
よって、飼い主を親のように慕い、あとをついて回るような行動をとるのです。

この親離れできなかったことによる後追いは、成長するにつれて次第となくなるもの。ところが、猫によってはいつまでも子猫の気分が抜けずに、しばらく飼い主のあとを追ってしまう子もいます。
無理に後追いをやめさせるとストレスになることもあるので、「まだお母さんが必要な時期なのかな?」と捉え、気長に見守ってあげましょう。

猫がついてくる理由② 遊んでほしい、かまってほしい

高い声で「ニャーン」、「ミャーオ」と甘えたように鳴きながらあとをついてくるときは、何か要求を伝えたいときです。
「一緒に遊んでほしいな」、「かまって!」という気持ちで、鳴き声を上げながら飼い主のあとを追い、スリスリしてくるといった行動が見られることもあります。
そんなときは、お気に入りのおもちゃなどを見せると、喜んで飛びついてくることでしょう。

また、猫があとをついてくるのに、相手をしようとすると逃げるといった行動をとることもあります。猫の気まぐれのようにも見えますが、これは猫にとって、「追いかけっこ」の遊びに誘っているサインなのです。
こういった遊んで欲しいサインが出たときは、猫を構い倒すチャンスです! 全力で遊んであげることで、愛猫との仲を深めましょう。
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猫がついてくる理由③ ごはんをもらえると思っている

猫が「ニャー、ニャー」と鳴きながらついてくるときは、「おなかがすいたよ! ごはんまだかな?」と思っていることもあります。
仕事が終わって家に帰るとおなかをすかせた猫が後追いしてくる、といった行動が見られることも。
飼い主のあとをついて回ることで、ごはんをもらえると思っているのですね。この場合、ごはんをあげるとついてこなくなるので、飼い主としては「ごはん目当てか!」とちょっと寂しい思いをするかもしれません。

ちなみに、野良猫があとをついてくる場合は、ごはんをもらえると思っている場合がほとんどです。人にごはんをもらった経験のある野良猫は警戒心も少なく、おなかを満たしたいという生存本能で人についていきます。
特に一回ごはんをくれた人の顔は忘れないようで、「この人はごはんをくれる人だ!」と、いつもあとをつけてくる……なんてケースもあります。
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猫がついてくる理由④ 寂しさや不安な気持ちがある

自分のテリトリーで他人を気にせず過ごしているイメージがある猫ですが、実は飼い主がいないことで不安や寂しさを感じることもあります。

特に子猫のうちは、慣れない場所や人、かぎなれないにおい、ほかの猫の存在がストレスになり、不安な気持ちになることも多いもの。そんなときに親のように思っている飼い主さんが現れると、「ここでひとりにしないで!」という気持ちであとをついてくるのです。
飼い主の姿が見えなって心細くなった猫が、部屋中を鳴きながら探し回っていた……なんてこともあります。

不安感や寂しさの感じやすさは猫の性格によってさまざまですが、臆病な子やシニア猫は少しの刺激でも不安を覚えやすいです。
寂しさから後追いをしてくる猫には、十分にスキンシップをとるなどして安心させてあげましょう。

しつこいほど猫がついてくる場合は?

猫がついてくる理由を4つ紹介しました。
基本的には甘えの気持ちなどからあとをついてくることが多いです。 

しかし、「猫がずっとまとわりついて離れようとしない」、「少しでもそばを離れると、暴れたり鳴き叫んだりする」といった場合は、事態はちょっと深刻かもしれません。

あまりにも愛猫の後追いがしつこければ、「分離不安」になっているケースもあります。

分離不安とは、ペットとして飼われている動物が、飼い主と離れることで不安や苦痛を感じ、パニックを起こしたり問題行動に走ったりする状態のことを言います。

一見マイペースに過ごしているようにみえる猫でも、実は留守番などで長時間飼い主と離れることに苦痛を感じていることも。

分離不安になると、通常では考えられない問題行動を起こします。精神面で大きなストレスがかかることで、やがて体調面にも異常をきたしてしまうこともあります。

■猫の分離不安の症状

  • 飼い主に過剰にまとわりつく、しつこくあとをついてくる
  • 部屋にいても落ち着きがない、不安げにうろうろしている
  • 悲痛な叫び声を上げる
  • 棚の上のものを落としたり、壊したりといった破壊行動に走る
  • パニックになって噛みついたり、引っかいたりする
  • 自傷行為をする(肌が荒れるほどの執拗なグルーミング行為など)
  • トイレ以外の場所で粗相する
  • 元気がなくなる
  • 食欲が落ちる
  • 下痢、嘔吐を繰り返す

猫が分離不安になってしまう理由はさまざまで、飼い主による過剰なかわいがりもそのひとつです。

また、日中もずっと一緒に暮らしていた飼い主が仕事を始めるなど、猫と飼い主の生活習慣の変化が分離不安の引き金となることもあります。

猫は静かで穏やかな暮らしを好む動物。やむを得ない場合でも、できる限り極端な変化が起こらないような気づかいは必要です。

ちなみに、お出かけ前に「いい子にしててね、いってきます」や、帰宅後に「ただいま、おりこうさんにしてたかな?」と声をかける飼い主さんもいますが、それがかえって逆効果になってしまうこともあります。

分離不安気味の猫には、そっと家を出て、帰ってきたときも構い過ぎない、といったように穏やかに過ごすための配慮も必要です。

【番外編】猫の愛情表現10選!

ここまで猫がついてくる理由について説明してきましたが、番外編として、猫の愛情表現を10個紹介します。

さて、あなたは一体いくつ見たことがあるでしょうか?

  1. ごろんと仰向けになっておなかを見せてくる
  2. 体をすり寄せてくる
  3. ゴロゴロと喉を鳴らす
  4. しっぽをピンを立てる
  5. 体を甘噛みする、舐める
  6. お土産をもってくる
  7. おなかや腕をふみふみ(前足踏み)してくる
  8. みつめた後、まばたきをする
  9. 帰宅後に出迎えてくれる
  10. 一緒に布団で寝ようとする

いかがでしょうか?

体をすり寄せてくるといった分かりやすいものから、一見不思議なふみふみまで、猫の愛情表現方法は実にさまざまです。

 “ツンデレ”や“クール”を称されることが多い猫ですが、大好きな飼い主に対しては、愛情豊か。

どれもこれもかわいいしぐさで、飼い主としてはすっかり参ってしまいますね!

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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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