猫がふみふみする理由・意味

ふみふみが甘えるしぐさということは分かっても、行動の理由が分からない、という人は多いのではないでしょうか。
猫がふみふみする理由や意味は、大きく3つに分かれます。

理由① 子猫時代、前足でふみふみしながら母猫のおっぱいを飲んでいたころの名残

前足でふみふみする行動は、もともとは子猫時代の習慣に由来するものです。
子猫はおなかが空いたとき、母猫のおっぱいの周辺を前足で刺激することで、お乳の出をよくしています。

成長してからも、飼い主のそばで安心しきっているときなどにふみふみすることがあります。これは、子猫時代に母猫に甘えていた行動を思い出し、“子猫返り”してしまっているのですね。
飼い主のそばで心からリラックスし、最上位の愛情を表現しているとも言えるでしょう。

理由② 優位性の主張などマーキングやマウンティングを目的としたもの 

猫の足の裏には臭腺があります。ふみふみすることで、自分の匂いを対象物に付けようする「マーキング」の意味があります。

一方、優位性を主張するための「マウンティング」は、飼い主に自分の匂いを付けることで、「自分だけの大切な飼い主なんだ!」と周囲に主張したり、「自分は強いんだぞ」と、上の立場に立とうしたりする心理が表れています。

理由③ 後ろ足でふみふみする場合は発情期のサイン

前足のふみふみとは異なり、後ろ足のふみふみは、未去勢・未避妊の猫に見られるしぐさです。
ふみふみと同時に、腰をカクカクと動かすような行動も見られます。
発情期のこのしぐさはエスカレートしていくケースもあり、交尾したくてもできない状態は、猫にとっても大きなストレスです。
「しぐさがかわいいから」といって放っておくのは、あまりよくありません。繁殖の予定がないのであれば、去勢・避妊手術も視野に入れてください。
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猫がふみふみする場所

猫がふみふみをする場所は、ひとつではありません。猫によって多少の好みの違いはありますが、「やわらかく、好きな匂いが付いていて、触り心地がいいもの」が大好きなのです。

人間の体(おなか、腕など)

大好きな飼い主さんも、ふみふみのターゲットになるものの一つです。
特におなかや二の腕といった柔らかく弾力があり、温かい部分は、ふみふみにうってつけ。
「いつも猫にふみふみされる」という飼い主さんもいることでしょう(夢中でふみふみする猫をどかすことは、非常に心苦しいところですよね)。

同居する犬や猫

猫がほかの動物や猫をふみふみするのは、微笑ましく思わずクスッとしてしまう光景ですね。
フサフサの被毛で覆われた柔らかい犬や猫などの身体は、猫にとっては思わずふみふみしたくなる場所なのです。
前足でのふみふみの場合は問題ありませんが、後ろ足でやるときは発情を迎えたサインやマウンティングの可能性が高いです。

布団やクッション

飼い主が普段使っている布団、クッションなど、大好きな人の匂いが付いていて、かつふわふわ柔らかなものは猫の宝物です。
ボロボロにされない程度にふみふみさせてあげましょう。

ふみふみする猫としない猫の違い

愛情表現としてふみふみする猫がいる一方で、まったくやらない猫もいます。ふみふみするのかしないのか、その違いはどこにあるのでしょうか。

親離れができている(自立心が育っている)かどうか

先ほども説明した通り、甘えしぐさとしてのふみふみは、母猫のお乳を飲んでいたときの名残です。
一方で、子猫時代にしっかり母猫に甘えていた、コミュニケーションが取れていた子猫は、離乳が進むにつれてふみふみしぐさをやらなくなります。
これは猫のなかで自立心が芽生え、精神面で成長するにつれ、ふみふみの回数も少なくなっていく傾向があるのです。

逆に親から引き離されるのが早く、自立心が育っていない猫の場合は、寂しさを紛らわせる手段としてふみふみをやることがあります。
飼い主の目の前や、飼い主に対してふみふみをやるときは、猫からの「信頼しているよ、大好きだよ」のサイン。そんなときは思う存分甘えさせてあげると、さらに仲は深まるでしょう。

猫のふみふみはやめさせるべき?

猫の赤ちゃん返り行動とも言われるふみふみですが、問題なければそのままにしておいて大丈夫です。
無理にやめさせる必要は皆無です。猫の気が済むまで思いっきり甘えさせてあげましょう。

とはいえ、買ったばかりの布団やクッション、ウール製などのデリケートな衣類は、ふみふみされると困りますよね。
生地の表面が傷んだり、毛羽立ったりしないよう、ふみふみをして欲しくないものには、猫の嫌いな匂いのスプレーをかけるなどして、猫を寄せ付けないようにしましょう。

ふみふみ以外の猫の甘えるしぐさ

クールな態度でそっけなかったと思えば、突然デレデレと甘えてくることもある猫。“ツンデレ”と表現されることもある猫たちですが、その愛情表現はさまざまです。
ふみふみのほかにどんな甘えしぐさがあるのでしょうか? その一部を紹介します。

ごろんと仰向けになっておなかを見せてくる

急所である腹部を晒すことは、絶対的な信頼の証でもあります。猫が嫌がらないようであれば、ふわふわ、もふもふのおなかを優しくなでてあげましょう。

スリスリしてくる

目を細めて、体や足にスリスリ体を擦りつけてくるしぐさです。
いかにも甘えたような愛らしい姿の破壊力は、すさまじいものがありますね。
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しっぽをピンを立てる

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甘噛みする、舐める

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お土産をもってくる

猫が虫やカエル、小鳥などを“プレゼント”してくれることがありますよね。飼い主からすると、「勘弁して!」と言いたくなるこの行動も、実は猫なりの愛情表現なのです。
上手に狩りができたことを大好きな飼い主に褒めて欲しいという、まるで子どものように純粋な気持ちの表れだと思えば、ちょっとショッキングなプレゼントでも許せる気がしませんか?
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まとめ

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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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