猫のあくびの理由①生理現象

あくびをしている猫を見ると、「眠いのかな」、「リラックスしているのかな」と思う人もいますよね。猫があくびをする理由の一つは、“生理現象”によるものです。

生理現象によるあくびは、主に猫が眠気を感じているときや、寝起き状態のときによく見られます。
猫の様子を見ると、目を細めたり、閉じたりしているはず。これは、眠気をガマンして、起きていようとしているときの仕草です。
まるで子どものようにかわいらしいですが、夜遅いときに見られるようであれば、猫の眠気も限界に達しているサインです。静かにゆっくり寝かせてあげましょう。

また、寝起きにあくびをする様子が見られることもあります。「まだまだ寝足りない!」という心理もありますが、多くの場合はあくびにより脳に酸素を送ろうとする生理的な現象です。
寝ている間は脳に送り込まれる酸素量が少なくなるため、あくびで大きな口を開けて空気を取り込むことで、より多くの酸素を送り込もうとするのです。
たっぷり眠った猫が寝起きにあくびをするのは、「よし、活動開始だ!」という合図だとも言えますね。

猫のあくびには、ほかにも寝ているうちに固まった顔の筋肉を伸ばす役割や、体温を調節する機能、大きく口を開けることで耳の中と外の圧力を調整する機能があるという説もあります。
※耳の気圧については、人間が飛行機に乗ったときやダイビングで海に潜るとき、気圧の変化で耳が痛くなったときにやる「耳抜き」と同じ原理です。

猫のあくびの理由②不満やストレス

眠いときや寝起きの仕草として知られているあくびですが、実はそれ以外にも理由があります。
意外なあくびの理由の一つに、猫が不満やストレスを抱えていることが挙げられます。これは「転位行動」と呼ばれるもので、何か嫌なことがあってイライラしているとき、自分を落ち着かせたいときに、あくびをすることで不快感を和らげようとする行動です。

このときのあくびは、寝ぼけ眼のときと違って、目が大きく見開いたままになっているはずです。このような“不満げなあくび”が見られたら、猫が不快に思っている原因を取り除いてあげといいでしょう。

不満のあくび

猫がごはんやおやつを要求してきたり、おもちゃを咥えて遊びに誘ってきたり、はたまた甘えさせて欲しいとすり寄ってきたりすることがありますよね。しかし、いちいちすべての行動に構っていられないというのが実際のところ。そんなとき、猫は要求が叶わない不満感をあくびによって露わにします。
大きなあくびからは、「何でごはんをくれないの?」、「遊んでくれないんだ、つまんないの!」という不満の声が聞こえてきそうです。

緊張のあくび

いたずらした猫を叱っていると、大きなあくびをされることがあります。怒っているほうとしては、「本当に反省しているの?」と思ってしまうような態度ですが、これは緊張を和らげるための転位行動です。
飼い主さんに怒られることは、猫にとっても身が引き締まるもの。そういった緊張状態を和らげるために、あえてあくびをするのです。

ストレスのあくび

初対面の人に突然触られることや、飼い主であっても気分が乗らないときに無理やり撫でられることは、猫にとって大きなストレス。
そんなときに猫は、「嫌だな」、「やめて欲しいな」という気持ちを抱えながら、あくびをしてやり過ごそうとします。

猫のあくびに異変があったら

猫の生理現象であり、気持ちを表す行動でもあるあくび。「ちょっといつものあくびと違うな?」と思ったら、何かのサインかもしれません。
猫のあくびに見られる異変についてまとめます。

あくびが臭い⇒歯周炎や口内炎の恐れあり

歯磨きによって取り切れない汚れが蓄積すること、歯石や歯肉炎の原因になります。これらが進行すると、かわいい猫の口の中からイヤなニオイが……。
口内トラブルが悪化すると、動物病院を受診して治療を行わなければいけないケースも少なくありません。日々のデンタルケアでの予防に努めましょう。

あくびのあとにカタカタ音がする⇒歯周病や誤飲の恐れあり

猫の顎からカタカタ異音がするときも、歯周病が疑われます。歯石が付着することで、噛み合わせや顎の機能に異常をきたし、顎がガクガクしたり、異音がしたりするのです。
また毛玉や食べ物以外のものを何かを誤飲してしまったときにも、あくびで吐き出そうとする行為がみられます。
あくびをした前後の口元子に異変があるときは、何か変なものを飲み込んでいる様子はないかチェックしましょう。

いつもとあくびの様子が違う(涙を流す、くしゃみをともなうなど)

涙やくしゃみも猫にとっての生理現象。1度や2度ぐらいであれば特に心配する必要はありませんが、頻度が明らかに多い場合や、目ヤニ・鼻水が見られる場合は、体調不良のサインかもしれません。
元気がなくぐったりしているような様子はないか、注意深く見守りましょう。

あくびの回数が多い、急に増えた

急にあくびの頻度が増えるのには、身体的な理由と精神的な理由、どちらかが疑われます。
身体的な理由としては、猫に口内炎ができていることが考えられます。口の中にある違和感を追い出そうと、あくびをするようになります。

精神的な理由としては、猫が慢性的なストレス状態に晒されていることが考えられます。不満やイライラの転位行動としてのあくびが頻繁に見られるようであれば、猫の飼育環境や接し方を考え直す必要があるでしょう。

猫のあくびに関する疑問

猫のあくびにはさまざまな理由があることが分かりましたね。最後に、猫のあくびに関する素朴な疑問にお答えします。

猫のあくび中、口の中に指を入れるとどうなるの?

目の前で大きなあくびをされると、「ここに指を突っ込んだらどうなるんだろう・・…」というイタズラ心が芽生えることがありますよね。口の中に指を入れられた猫の行動は、相手との関係性により大きく変わります。

猫との信頼度が高い場合は、口の中に指を入れても特に嫌がらず、パクっと咥えたままハムハムしてきます。普通だったら怒りそうなものですが、大好きな飼い主さんに対しては猫も寛容なのです。

一方、猫との信頼関係を構築中の時期や、猫の機嫌が悪いときは、途中であくびを辞めてふっと顔を横に背けたり、嫌がる素振りを見せたりします。さらに猫に警戒されているときや嫌われているときは、鋭い牙で「ガブっ!」と噛みつかれてしまうこともあるようです。

体の大きな成猫に噛みつかれてしまうと、痛いでは済まない場合も。あくびで信頼度チェックができるのは、猫との信頼関係に自信がある時のみにしておいたほうがよさそうですね。

猫のあくびは人間のあくびのようにうつるの?

ごはんをたらふく食べた日の午後、思わず出たあくびが隣の人にもうつってしまった……なんて、不思議な現象がありますよね。これは共感によるもので、より近しい間柄のほうがうつりやすいと言われています。
猫の場合も、どうやらあくびがうつることがある模様です。小さな子猫から子猫へあくびがうつる様子は、思わずほっこりしてしまうほど愛らしいものですね。

あくび中に声を出すのはどうして?

あくびの最中に「ニャー」と鳴き声を上げるのは、猫がリラックスしている証拠です。
野生で暮らしていたころの猫は、外敵から身を守るために必要以上に鳴くことはなかったと言われています。平和に人間と暮らす現代のイエネコは、油断するあまりついつい声を上げてしまうのです。

まとめ

猫のあくびについて詳しく説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
何気ない仕草のように見えて、実はさまざまな意味が込められているあくび。ぜひ猫の様子を注意深く観察し、気持ちを読み取ってみてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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