猫の運動会って?

猫の運動会とは、夜中から明け方にかけて、猫が突然室内を走り回ったり、暴れまわったりする行動を指します。
制御不能状態に陥った猫が、何もない空間に向かって飛び掛かったり、走り回ったりする行為を、動物行動学の専門用語では「真空行動」と呼んでいます。
いずれも猫の習性によるものですが、人が寝静まっている時間に突如開催される運動会に悩まされる飼い主さんは多いのです。

猫の運動会は何歳まで続くの?

運動会は、月齢が若い猫によく見られる行動です。多くの場合、おとなになるにつれ頻度は減っていく傾向にあります。
個体差はありますが、シニア期に差し掛かる7~8歳にはだいぶ収まり、10歳を過ぎる頃にはほぼ見られなくなります。

始まったらどれくらいで収まるの?

猫の月齢や種類により個体差がありますが、短くて15分、長くて30分程度で運動会は収まります。

運動会をしない猫はいるのか

月齢が若い猫であっても、夜に運動会をしない猫もいます。
猫にとっての運動会は、いわば“やり場のないエネルギーを解放する時間”。昼間に何らかの方法でエネルギーの発散ができていれば、夜に暴れ回る必要はなくなるのです。
もちろん猫によっての個体差はありますが、猫によって運動会をする・しない、多い・少ないはあるようです。

なぜ猫の運動会は起こるの?

運動会をする猫としない猫がいるということは、そこに理由があるはずですね。猫の運動会は、もともと備わっている本能や、何らかのストレスが原因で起こるものなのです。
運動会が起こる理由について、代表的なものを説明します。

野生の名残で

もともと野生で狩りをしながら暮らしていた猫。室内飼いが一般的となった現代の猫と比べると、運動量や使うエネルギー量には大きな差があります。
本来は狩りで使うはずだったエネルギーを余してしまった現代の猫は、夜に走り回ることでエネルギーを発散するようになりました。

薄明薄暮性だから

猫の運動会のほとんどは、夜や早朝の時間にはじまります。
人間からすると、「どうしてこんな時間に……」と思ってしまいますが、猫はもともと薄明薄暮性の動物のため夕暮れや明け方に活動的になるのは自然なことなのです。
狩りをしていた時代のターゲットであったネズミや小動物たちの多くは夜行性なので、それを狙う猫も夜に狩りをすることは当たり前ですよね。

運動不足だから

室内暮らしで有り余ったエネルギーを一気に放出する場が、夜の運動会になってしまっているケースです。
犬のように毎日の散歩を必要としない猫でも、ある程度の運動は必要になります。
野良猫や野外と室内を行ったり来たりする猫は自然に運動量も多くなりますが、室内飼いの猫はそうとはいかず、何か別の方法で運動量を補わなければならないのです。

ストレスが溜まっているため

個体差はありますが、一般的に猫はとてもデリケートな気質の持ち主です。ちょっとした環境の変化や飼い主の態度、また同居猫との関係により、ストレスと抱えてしまうケースも少なくありません。
人間でもむしゃくしゃしたときに思いっきり体を動かすと、ストレス発散してスッキリすることがありますよね。猫の場合も、同様なのかも知れません。

猫の運動会が起きたときの対処法

夜中に突如スタートする運動会。慣れないうちは戸惑い、どうしたらいいか分からなくなる飼い主さんも多くいることでしょう。
飼い主さんの対応によっては、猫の運動会がエスカレートしてしまうことも。正しい対処法を確認しておきましょう。

運動会中にしてはいけないこと

一度運動会がスタートしたら、まず何をやっても止めることはできません。猫の興奮がおさまり、静かになるのを見守ること以外にできることはないというのも過言ではありません。
「コラ!」とか「やめなさい!」と猫を叱りつける人がいますが、これは返って逆効果。大声で叱られた猫はさらにヒートアップしてしまい、運動会がますます激化してしまう……なんてことも。
運動会中に大声を出したり、猫を叩いたりするのは絶対にやめましょう。

運動会を早く終わらせるには

先ほども説明した通り、猫の運動会には有り余ったエネルギーを発散させる意味があります。運
動会を最小限に抑えるためには、猫のエネルギーをあらかじめ発散させておくこと。普段から猫の運動量を増やし、できる限り体力を使わせておけば、運動会を早く終わらせられるのです。

マンションなどの集合住宅の騒音対策

深夜にドタバタが始まる猫の運動会。集合住宅の場合は、騒音への配慮の必要があります。
床に厚手のマットを敷く、猫がぶつかって物音がするような家具は置かないといった工夫で、騒音対策をしておきましょう。

ケージに入れるとかえってうるさくなる恐れがある

エネルギーが有り余った猫をケージに入れてしまうと、運動により体力を使うことができないため、大きな鳴き声を上げるといった問題行動に走る恐れがあります。
猫の運動会は本能的なもので、無理やりに押さえつけることはできません。騒音対策や昼間にできるだけ体力を使わせるといった方法で乗り切りましょう。

猫の運動会の予防法

一度始まったら止まらない猫の運動会。その原因を絶つ予防法はあるのでしょうか。最後に、猫の運動会を軽減させる方法について紹介します。

猫の運動量を増やす方法としては、「①おもちゃを使って一緒に遊ぶ」、「②キャットタワーを設置する」、「③一人遊びできるようおもちゃを与える」の3点が挙げられます。

①おもちゃを使って一緒に遊ぶ

猫じゃらしを左右に振って追いかけさせる、上下に振ってジャンプさせるといった遊びで、猫と楽しく遊んでみましょう。
猫と飼い主が一緒に遊ぶ時間を作るのは、毎日のコミュニケーションにも繋がります。
犬のように多くの運動量を必要としない猫の適切な運動時間は、1日15分程度。ちょっとした合間を見つけて、猫と遊んであげてくださいね。

②キャットタワーを設置する

室内でも猫が本能的に好きな上下運動やジャンプができるよう、キャットタワーを設置するのもおすすめです。
市販されているキャットタワーは種類もさまざまですが、特に運動量が多い猫には、天井でしっかり固定できる突っ張りタイプを。そこまで運動量が多くない猫、小さな猫や脚の短い猫には、非固定タイプがいいでしょう。
猫のサイズや好みに合わせて、最適なものを選んでくださいね。

③一人遊びできるようおもちゃを与える

一人でもできるボール遊びやぬいぐるみ遊びは、疑似的な“狩り”として猫のエネルギー発散に効果的です。
また、頭脳を使った体力消耗として、中におやつを入れるタイプの知育玩具の活用もおすすめ。
猫の性格や好みに合わせて、飽きずに楽しめるおもちゃを探してみるのも楽しいですよ。

まとめ

以上、猫の運動会の理由や対処法について説明しました。
夜中に始まる運動会は何とも迷惑なものですが、あらかじめ対策を打っておくことで最低限に抑えることもできるのです。
ぜひこの記事の内容を参考に、猫のエネルギー発散をサポートしてあげてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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