猫の頭突きは愛情表現

頭突きは「猫から飼い主への愛情表現のひとつ」と説明しましたが、そもそもなぜ猫は頭突きをするのでしょうか。

猫が頭突きするときの気持ち

この行動には、猫が大好きな飼い主に甘えたいと思う気持ちが隠されています。
突進するように頭突きする猫、そっと頭を押し付けてくるような猫、ぐりぐり頭を押し付けてくる猫……と、頭突きのバリエーションもさまざま。頭突きをしてくるときの猫の表情に注目すると、リラックスしたときのように目を細めているのが分かります。まるで小さな子どもが、親に甘えるような仕草ですね。
猫の頭突きは、“すりすり”と表現されることも多いです。

どうして頭突きをするの?

なぜ猫は愛情表現として頭突きをするのでしょうか。理由はいくつかありますが、頭突きがマーキング行動であることも理由のひとつです。猫の頭には臭腺と呼ばれるニオイの発生源があり、猫ごとに微妙に異なるニオイを発します。
このマーキングは、仲のよい猫同士でも見られる行動です。
飼い主さんを独占したいと思うあまり、自分の匂いを擦り付け、「この人は自分のものだ!」と主張しているのですね。

猫同士でも頭突きをする

愛情表現としての頭突きは、人間に対してだけでなく、猫同士や同居しているペットなど、ほかの動物に向けられることもあります。
いずれも友好的な気持ちの表れなので、特に心配いりません。
一方、猫によっては愛情が深すぎるためか(?)頭突きの勢いが強かったり、頭突きのあとに甘噛みついたりする場合もあります。
基本的には、猫からの最上級の愛情表現として受け止め、痛い場合やケガをさせられる恐れのあるときは、やんわり猫を止めるようにしましょう。

猫の頭突きにはいろんな意味がある 

一言で「愛情表現」といっても、そこにはさまざまな猫の気持ちが含まれています。頭突きに込められた猫の心理を読み取ってみましょう。

あいさつをしている

朝、飼い猫が近くに寄ってきて頭突きをするのは、「おはよう」のあいさつ、仕事から帰ってきたときの頭突きは、「おかえり」のあいさつです。
猫の間でも同様の行動が見られ、特に少しの間離れていた猫同士が再会したときに、互いの頭をすり寄せるようにあいさつする姿を見ることができます。
あいさつで頭突きをされたら、優しく声をかけてお返しに撫でてあげると喜びますよ。

ごはんの催促をしている

「おなかが空いた!」、「ごはんちょうだい!」と催促の気持ちを込めて頭突きをしてくることも。
そのほかにも、「もっと撫でて」や「トイレをきれいにして」という要求をしようと、頭をすりすりしてくることもあります。

遊びに誘っている

上の催促とも似ていますが、頭突きは大好きな飼い主さんを遊びに誘う行動であることも。猫と触れ合ったあとに頭突きをされたら、「まだまだ遊び足りないよ~」のサインかもしれません。
そんなときは、猫が喜ぶおもちゃを使って、思う存分遊んであげてくださいね。

頭や顔に向かって頭突きをしてくる意味は?

一般的に、猫が自分の頭を擦り付けるのは、自分よりも上位(優位)の相手だと言われています。よって、猫が自分の頭や顔めがけて頭突きをしてくるのは、飼い主を上の立場だと認めているからこその行為なのです。

猫の頭突きがしつこい?

不器用な愛情表現と分かれば、多少の頭突きはかわいく思えるもの。ところが、しつこく頭突きをやめないときは、ちょっと困ってしまいますよね。そんなときはどのように対処するのが正解なのでしょうか。

猫が頭突きをやめない理由

そもそも猫がいつまでも頭突きをやめないときは、要求が満たされていないことが考えられます。
さしずめ猫の気持ちは、「おなかが空いたよ、早くごはんちょうだい!」、「もっと構ってよ~」といったところでしょうか。この場合、猫の要求が満たされるまでしつこく頭突きが繰り返されることになります。

頭突きの対処法

このときの頭突き行動には、愛情や甘えと同時に、要求や不満の気持ちも含まれています。猫の気持ちを汲み取り、要求を満たしてあげることで頭突きは収まるでしょう。
具体的には、猫じゃらしといった猫が好きなおもちゃで一緒に遊んであげる、スキンシップを通じて十分にかまってあげるといった対策が考えられます。
また頭突きがごはんの要求になっている場合は、ごはんを与えるタイミングや量を見直す、自動給餌機を使って猫が食べたいときにごはんを食べられるようにする、といった方法も。
ただし、要求されるがままにごはんを与えることは、肥満のもとになってしまいます。猫の月齢や体重から必要なごはんの量を割り出し、そこから超えすぎないよう注意してくださいね。

猫の愛情表現はわかりにくい

頭突き以外に、猫の愛情表現にはどんなパターンがあるのでしょうか。分かりにくいけど、分かればかわいい、猫の愛情表現を紹介します。

しっぽを立てて近寄って来る

しっぽを垂直にピンと立てて、擦り寄ってくるのも「大好き」の印です。
人間から見たら不思議な仕草ですが、これは生まれて間もない子猫が、肛門への刺激で排泄を助けてもらおうとしっぽを立てて母猫に擦り寄る行動の名残と言われています。
リラックスした表情で足元に擦り寄ってくる姿は、なんとも言えずたまらないものですよね。

目が合うとゆっくりまばたきをする(まばたきを返してくれる)

猫を目が合ったとき、目を逸らされずに、ゆっくりとまばたきをされるのも愛情表現のひとつ。さらに、自分からまばたきをしたときに、猫がまばたきを返してくれたら、互いの絆が深まっている証拠と喜んでいいでしょう。

甘噛みする

大好きな気持ちの表現方法としての甘噛みも、もともとは母猫やきょうだい猫とのスキンシップとして甘噛みをしていた子猫時代の名残です。
噛まれたほうはちょっとびっくりするかもしれませんが、じゃれついて甘噛みする程度であれば、許してあげてくださいね。

前脚で“ふみふみ”する

猫独特の愛情表現である、ふみふみ(もみもみ)。両方の前足を交互に動かし、何かを踏み続けているように見えることから、そう呼ばれるようになりました。
これも甘噛みやしっぽ立てと同様に、子猫が母猫に甘えていたときの名残です。子猫はお乳をもらうとき、母猫のおっぱいの周辺をふみふみすることで、お乳の出をよくします。

成猫が飼い主のおなかや体の一部をふみふみするときは、とてもリラックスして、母猫に甘えていたときの気持ちを思い出している証拠。
ちょっとくすぐったく感じることもありますが、猫からの最上級の「大好き」の印として、優しく受け止めてあげてくださいね。

まとめ

以上が猫の不思議な愛情表現、頭突きに関する説明でした。
犬と違って、猫の愛情表現は分かりにくいものが多いですが、日々のさり気ない行動のなかに飼い主さんへの愛情が見え隠れします。
そんないじらしい気持ちがわかれば、愛猫への愛しさはより一層募るばかりですね。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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