猫は3年できれいさっぱり忘れちゃう!?

長期の連休前後、SNSを騒がせるのが「猫に忘れられていた」という投稿。就職や進学などで独立した人が帰省すると、飼っていた猫が威嚇してきたり、隠れられたりして悲しんでいるというものです。長年一緒に暮らしてきた愛猫が、ほんの数カ月離れただけで自分を忘れてしまったら、やりきれないですよね……。

では実際のところ、猫の記憶力はどうなのでしょう。やはり忘れっぽいのでしょうか。

猫がしつけしづらいのは記憶力が悪いから?

猫は犬に比べてしつけがしづらいと言われています。それは猫が命令を理解できなかったり、教えられたことを覚えていられなかったりするからではありません。

猫はネオフォビア(新奇恐怖症)といって、新しいものを避ける傾向があります。種類を変えたらフードを食べなくなったり、新しい家具を置いたら猫がその部屋に入らなくなったりといった経験はありませんか?
猫は単独で行動するため、自分の身は自分で守らなければなりません。危険・安全、可食・不食などをしっかり覚えているため、初めて見るものや経験するものなどに強い警戒心を持つのです。子猫のうちから飼われていれば、飢えや危険を感じる経験がないので多少おおらかになりますが、本能として備わっているもの。

ネオフォビアは、猫が優れた記憶力を持っていないと起こらないことですね。ただし、覚える内容には種類があるようで、飼い主がどんなに教えても、自分に関係ないと思えば猫は覚えません。猫は一度でしっかり覚える記憶力を持っていますが、やる気がなければダメなのです。

犬がしつけしやすいのは……

犬の場合、リーダーに従って群れで行動していれば安全です。大雑把に言えば、危険・安全などはリーダーが考えることなので、群れの犬にとってはそう重要なことではありません。大切なのは自分が信じたリーダーに従い、リーダーに喜んでもらうこと。群れの和を乱さないことです。そのため、リーダーである飼い主が命じたことには喜んで従うため、犬種や個体によって違いはありますが、猫に比べて犬はしつけがしやすいのです。

なんで久しぶりに会った猫はそっけないの?

「猫は三年の恩を三日で忘れる」ということわざがあります。これは、もともとあった「犬は三日飼えば三年恩を忘れず」という言葉の対比としてできたもので、猫と犬の記憶力の違いについて表しています。しかし、猫の記憶力はとても優れています。3年もともに過ごした飼い主のことを、3日で忘れてしまうなんてあり得ないはず。

猫は人間に愛情や安全などを求めておらず、欲しているのは「食べもの」だという研究成果があります。もちろん猫によって差はあるでしょうが、日常的にエサが出てくる環境であれば、くれる人は誰だって構わないと思っているようです……。「恩を忘れる」というよりは、猫にとっては初めから「恩ってなあに?」くらいの感覚かもしれませんね。

また、猫は視力が弱く、飼い主の顔がよくわかりません。そこで、猫が飼い主を判断するとき重要なのが「音とにおい」。事実、猫は飼い主の声を聞き分けられるという実験結果も出ています。
猫の視力は人間の1/10程度と言われています。動体視力は優れているので動くものをすぐに見つけられますが、色はあまり認識できず、視界はぼんやりとしています。その分嗅覚や聴覚が発達していて、においや声、足音などで飼い主を判別するのです。

飼い主と離れ離れになったとき、猫が思うのは

ここまででわかるのが、「猫は飼い主に執着しない」「音やにおいで飼い主を判断している」ということ。飼い主と離れ離れになったら少々のさみしさは感じるかもしれませんが、もともと猫は執着が薄いため「なんかいなくなっちゃったな、でも毎日エサは食べられるしまぁいいか」くらいに考えているかもしれませんね。飼い主としては悲しいですが……。

久しぶりに猫に会った場合、着ている服や通った道、触れたものなどから、飼い主は一緒に暮らしていたときと違ったにおいがしているでしょう。猫にしてみれば、「声は知ってるけど、においがなんか違う気がする、怪しい!」といった感じでしょうか。

再会した猫に不信感丸出しの態度をとられたら

悲しいですが、急に距離を縮めようとするのはやめてください。怪しいと感じているときにちょっかいを出されたら、思い出す前に嫌われてしまう可能性があります。

まずは猫に声をかけましょう。そして一緒に暮らしていたときと同じ行動をとり、生活音で猫に思い出してもらうのです。それでも寄ってきてくれない場合は、持ちものなどを自分から離れたところに置き、猫が安心してにおいを嗅げるようにしましょう。きっと思い出してくれますよ。
最終手段として、お風呂に入るというものもあります。家以外でついたにおいを落としてしまいましょう。家族のなかで猫に好かれている人のシャンプーやボディソープを借りれば、さらに効果が見込めるかもしれません!?

まとめ

猫は気ままで自己中心的、自分以外のものにあまり執着しない動物です。そのため、離れ離れになった飼い主に会っても、「感動の再会!」となることは少ないようです。それどころか忘れているような態度をとられることもあり、飼い主としてはさみしいですね……。
しかし、猫の記憶力は非常に優れています。久しぶりに猫に会ったとき、威嚇されたり隠れられたりしても、決して完全に忘れたわけではありませんから、心を折ることなく。嗅覚や聴覚を刺激して思い出してもらいましょう。

人間からすればわがままでつれない態度ですが、それこそが猫の魅力ですよね!

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