ニューファンドランドの特徴

島の漁師たちの仕事を手伝い、海難救助犬としても活躍していたニューファンドランド。11世紀ごろに存在したカナダ土着の犬が祖先であるという説や、他国から船に乗ってもたらされたグレートピレニーズや、レトリーバーら大型犬が基礎となったと考える説が存在しますが、実際のところは明らかになっていません。

18~19世紀に入ると、ニューファンドランドはイギリス諸国に輸出され、人気が広まることとなりました。その一方で、輸出や飼育頭数の制限により、原産国カナダに存在する頭数は激減してしまいます。しかし輸出先のイギリスでニューファンドランドの繁殖がさかんに行われることで、北欧やアメリカにもその存在が広まることとなりました。

体重、体高

成犬時の標準的な体高は、オスが71cm前後、メスは66cm前後です。体重は68kg程度まで成長するため、犬種としては超大型犬の部類に入ります。

がっしりと力強い体格に大きな垂れ耳、ちょっととぼけたように穏やかな表情が特徴的です。足先には水かきが発達しており、古くから海難救助犬として活躍していた記録が残されています。

平均寿命

この犬種の平均寿命は、7~10年ほど。大型犬としては平均的と言えますが、犬全体でみると短命傾向にあります。

毛色、毛質

ニューファンドランドの毛色として認められているのは、ブラック、ブラウン、ホワイト&ブラックの3色です。
ホワイト&ブラックの毛色は「ランドシーア」とも呼ばれていますが、これはイギリスの画家「エドウィン・ランドシーア」の作品に登場していたことに由来しています。

毛質は分厚く密集したダブルコートで、冬場の海にも対応できる防寒・防水性を備えています。

ニューファンドランドの性格

大きな体を持つニューファンドランドは、「大らかな性格」というイメージを持たれることの多い犬種です。実際のところはどうなのか、気になるところですよね。ニューファンドランドの性格を3つのポイントで紹介します。

温和で優しい

どんな人や動物に対しても仲良くできるフレンドリーな性格。それがニューファンドランドの魅力です。攻撃性は低く、人見知りもしません。その巨体故に番犬としてのイメージを持つ人もいますが、実際のところは初めて会う人にも警戒心なく懐いてしまうため、番犬には不向きでしょう。

また飼い主や家族と一緒に過ごすことを好む反面、やや依存心が高くお留守番は苦手です。

聡明で人の言うことをよく聞く

古くから島の作業犬として活躍してきたニューファンドランドは、人の言うことを理解し、手助けできる賢さを備えています。持ち前の学習能力の高さで、しつけも難なく覚えてくれるでしょう。

飼い主に対して従順 

大らかで優しく聡明なニューファンドランドですが、飼い主に対しての服従心が強く、従順な性格であるとも言えます。大きな体で甘える姿にメロメロになる飼い主さんも少なくありません。

寂しがりやな性格のためか、分離不安の傾向も見られます。この犬種の飼育においては、子犬のころからたっぷりと褒めて伸ばし、自信をつけてあげることが非常に大切です。

ニューファンドランドを迎える方法

ニューファンドランドの子犬
日本の血統登録機関である「ジャパンケネルクラブ」によると、ニューファンドランドの新規登録頭数は年間わずか100頭ほど。日本でも人気の大型犬、「ゴールデンレトリーバー」や「ラブラドールレトリーバー」の新規登録頭数が年間4~5,000頭ほどであることと比べても、その差は歴然ですね。

ニューファンドランドの子犬は希少性が高いため、ペットショップや里親で見つけるのは困難です。専門のブリーダーを当たり、出産のタイミングを待つ方法が一般的と言えるでしょう。子犬の価格相場は、30~40万円程度です。

ニューファンドランドの飼い方

超大型犬であるニューファンドランド。体が大きい分、お世話は大変です。飼育環境の準備や毎日の散歩、お手入れ方法など、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

大型犬のため、十分な飼育スペースが必要

成犬時で体高約70cm、体重68kgまで大きくなる犬種です。子犬のサイズに合わせて用意したケージやサークルは、あっという間に小さくなってしまいます。

居住スペースに寝床、トイレなど、十分な飼育場所を確保できるのか、お迎え前に十分検討する必要があるでしょう。

できれば毎日、少なくとも週3回のブラッシングを行う

ニューファンドランドのお手入れは、ある程度の時間や手間がかかることを覚悟しなくてはいけません。長毛のダブルコート、かつ体も非常に大きいため、抜け毛の量もかなりのものです。

さらに下毛は絡まりやすく、放置するとフェルト状に固まってしまいます。そうならないよう、可能であれば毎日、少なくとも週に3回のブラッシングを行いましょう。

散歩は1日2回各1時間程度が目安

島で漁師の仕事を手伝い、海を泳ぎまわっていたニューファンドランドの運動量はかなりのもの。家庭犬として飼う場合は、どうしても運動不足になりがちです。

この犬種に必要な運動量は、散歩にして1日2時間以上です。一度に長時間の散歩が難しい場合は、朝晩2回に分けて行うとよいでしょう。

ほかにも泳ぎが得意なニューファンドランドには、できるだけ水のなかで遊ぶ機会を作ってあげたいものです。

暑さに弱い

原産国のニューファンドランド島は、カナダの東海岸に位置しています。寒い国から来たこの犬種にとって、“高温多湿”な日本の夏は非常に厳しいものとなります。

大型犬のニューファンドランドですが、できるだけ温度管理のできる屋内で飼育するのが基本です。エアコンなどの空調設備で室温を一定に保ち、また暑さが厳しいときはクールマットなどもうまく活用しましょう。

ニューファンドランドの気を付けたい病気

健康で長生きさせるためには、大型犬特有の病気や疾患に気を付けることがポイントです。とくに以下のような症状に注意しましょう。

胃捻転

大型犬に多いとされる「胃捻転」は、その名の通り胃が捻じれてしまう病気です。食事の直後の激しい運動などが原因で起こるとされており、捻じれた胃にガスが溜まることでさまざまな症状が起こります。

重症化すると、死に至ることもある怖い病気です。胃捻転が疑われる場合は、速やかに動物病院に連れて行きましょう。

拡張型心筋症

心臓の筋肉である心筋の機能が弱まることにより、全身の血の巡りが悪くなる病気です。年齢を重ねるにつれて発症リスクが高まるとされています。発症の初期段階ではさほど大きな変化が見られないものの、重症化すると呼吸困難や不整脈を引き起こす危険があります。

股関節形成不全

骨盤と太ももの骨が噛み合わないことで、周辺に炎症や痛みが出る病気です。歩くとき左右に腰がゆれたり、ちょっとした段差を飛び越えるのを嫌がったりする様子が見られたら、この病気の可能性を疑いましょう。

生後1年未満の子犬の時期や、2~3歳の若い時期に発症するケースが多く、重症化すると歩行困難に至る恐れもあります。

まとめ

全身もふもふで大きな存在感に大らかな性格が魅力のニューファンドランド。大型犬が好きな人であれば、一度は興味を持つ犬種であると言えるでしょう。
日本ではなかなかお目にかかれない希少犬ですが、よいブリーダーが見つかれば一緒に暮らすチャンスです。ぜひこの記事の内容も参考に、お迎えを検討してみてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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