日本犬ってどんな犬?

日本犬とは、日本を原産国とする純血種です。
日本で生まれた犬たちを「和犬(わけん)」と表現しますが、本来「日本犬」の名称でくくられる犬は、下記の6犬種のみに限定されます。

<現存する日本犬6種>
・柴犬
・秋田犬
北海道犬
甲斐犬
紀州犬
四国犬

これら6種の日本犬は、海外からの外来犬が多くやってきた現代においては、貴重な存在になりつつあります。日本犬6種は国の天然記念物にも指定されており、我が国特有のものとして大切に扱われます。
現在でも「日本犬保存会」という団体が、日本の純血種種の保存に取り組んでいます。

土佐犬」や「日本スピッツ」なども和犬としてのイメージが浸透していますが、これらの犬種は日本犬ではないの? と疑問に思われる方もいますよね。
これらの犬種も日本を原産としていますが、実は交配の過程で外来種の血が混じっています。
例えば、高知県の闘犬として有名な土佐犬は、ブルドッググレートデンマスティフなどが交配されて生まれたものなのです。

<日本原産の犬種(外来種の血が混じっている)>

・土佐犬
日本テリア
・日本スピッツ
・アメリカンアキタ

そのほか、日本には、「地犬」と呼ばれる地域固有の犬種も存在します。
その土地で代々繁殖されてきた犬たちで、今でも“地域の特色”を濃く受け継いでいます。

<代表的な地犬>
・川上犬(長野県)
・琉球犬(沖縄県)
・美濃柴犬(岐阜県)
・山陰柴犬(鳥取県、島根県)
・岩手犬(岩手県)
・三河犬(愛知県)

日本犬の種類① 柴犬

さて、ここからは、本来の意味通り「日本犬」と呼ばれる犬種について、それぞれの特徴や性格などを紹介します。

日本犬の代表とも言われるのが、「柴犬」です。
日本犬のなかでも飼育頭数が多く、近年では海外でもブームが巻き起こるほど、人気の犬種になりました。

柴犬の体高は、オスが39.5cm、メスが36.5cm(JKC標準)で、メスのほうが若干小柄です。
成犬時の体重は約9~12kgが平均値となります。
柴犬は日本犬でも小柄な部類に入りますが、その体格は均整が取れており、筋肉質です。

なお、柴犬の毛色は、以下のようなバリエーションがあります。

・赤
・黒
・胡麻(赤毛に混じって黒毛が生えている)
・黒胡麻(胡麻のなかでも、黒色が強い)
・赤胡麻(胡麻のなかでも、赤色が強い)

いずれの毛色も裏白(顎下やおなかの毛が白い)であることが理想とされています。

柴犬の性格は、日本犬のイメージ通り、飼い主に対して忠実で、自立心に富んでいます。
犬らしく活発なところもあり、飼い主と一緒に散歩することが大好きです。
心を許した飼い主に対しては、くるんと巻いたしっぽを大きく振りながら、笑顔で愛嬌を振りまいてくれます。
オオカミの血筋を引いていることから警戒心が強く、時には攻撃的な一面を見せることも。やや神経質な部分が見え隠れすることもあります。
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日本犬の種類② 秋田犬

その名の通り、秋田県で繁殖されてきた大型の日本犬が「秋田犬」です。
もともとは秋田のマタギ犬(熊の狩猟犬)として飼育されてきた犬種ですが、ここ数年はブサかわ犬として有名な「わさお」の影響や、ロシアのオリンピック金メダリストのザギトワ選手に贈られたことでも話題になりました。ちなみにわさおのような長毛は「むく毛」と呼ばれます。

秋田犬の体高は、オスが67cm、メスが61cm(JKC規定)です。
体重は小さなものが30kg。大きくなると60kg近くなる個体もおり、犬のなかでも超大型犬の部類に入ります。

ふさふさと豊かな秋田犬の被毛はダブルコートです。毛色のバリエーションには、以下のような種類があります。

・赤
・虎(赤虎、黒虎、霜降り虎)
・白
・胡麻

秋田犬の性格は、穏やかで落ち着いています。
忠犬ハチ公でも知られている通り、飼い主に対する愛情が深く、とても従順な犬です。しかし反面、猟犬としての性質を受け継いでいるため、保守的で警戒心が強い部分もあります。
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日本犬の種類③ 北海道犬

別名「アイヌ犬」とも呼ばれる「北海道犬」は、北海道の先住民族であるアイヌ人とともに暮らし、熊などの猟犬として活躍する犬でした。
北海道犬が携帯電話会社のCMキャラクターとして登場すると、日本のお茶の間では「お父さん犬」として有名になりました。
柴犬にも似た風貌ですが、北海道の寒さにも負けない強い体を持ち、持久力に富んだ犬です。

北海道犬の体高は、オスが48.5~51.5cm、メスが45.5~48.5cm(JKC規定)です。
体重は約20~30kg程度で、ずっしりと身が詰まった筋肉質な体を持っています。

北海道の毛色は、日本犬のなかでもバリエーションに富んでいます。

・胡麻
・虎
・赤
・黒
・黒褐色
・白

CMでお馴染みの「お父さん犬」は、白い被毛に真っ黒な瞳が印象的ですよね。

北海道犬の性格は、非常に忍耐強いとされています。猟犬らしく警戒心が強く、勇猛果敢な性格ですが、飼い主に対しては忠実で、従順です。

日本犬の種類④ 甲斐犬

甲斐犬のルーツは非常に古く、紀元前までさかのぼるとされています。甲斐地方(今の山梨県)の山岳地帯で生まれ、鹿や猪の狩りを行う犬でした。
ほかの日本犬と比べても、猟犬としての特性を色濃く受け継いでおり、今でも猟犬として働いている犬も存在します。

甲斐犬の体高は、オスが50cm、メスが45cmです。
体重は14~18kg程度で、柴犬よりも一回り程度大きいサイズ感ですね。
山岳地帯で暮らしていた特性から、非常に筋肉が発達しており、足腰が強くなっています。

別名「甲斐虎」とも呼ばれる甲斐犬は、その名の通り、虎柄の被毛がスタンダードです。

・黒虎
・赤虎
・虎

黒一色など、単色で生まれた場合も、成長するにつれて徐々に虎模様が入ってきます。

甲斐犬は、「一代一主」の犬とも言われるほど、主人への忠誠心が強い犬です。
外ではほかの犬や人に警戒心をあらわにしますが、家に帰るとまるで「別犬」になったかのように飼い主に甘えることも。飼い主以外の人には懐きづらく、気が強い一面もあります。
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日本犬の種類⑤ 紀州犬

紀州犬は、今の紀州地方(和歌山県、三重県付近)の山岳地帯で生まれ、ウサギやタヌキのほか、鹿や猪を狩る狩猟犬として繁殖されてきました。
古くは「那智犬」、「太地犬」、「熊野犬」、「奥吉野犬」など、その土地の名前で呼ばれていましたが、日本犬保存会に登録されるときに紀州犬として1種類に統一されました。

紀州犬の体高は、オスが52cm、メスが49cm(JKC規定)です。
体重は小型のもので約14kg。大型の個体は27kg近くなります。山歩きに耐え得るがっしりとした骨格を持ち、ずんぐりむっくりした体格が特徴です。

紀州犬の毛色として認められているのは、以下の3種類です。

・白
・赤
・胡麻

現在飼育されている紀州犬の大半は白色ですが、ほかのカラーにも根強いファンが存在します。

紀州犬は、忍耐強く落ち着いた性格。飼い主に対しては忠実で、真面目な気質の犬です。
ほかの日本犬と同様、警戒心が強く、飼い主以外には慣れにくい傾向にあります。

日本犬の種類⑥ 四国犬

別名「高知犬」とも呼ばれる四国犬は、現在の高知県の山々で暮らしていた土着犬です。ルーツは「ヤマイヌ」という野犬であるとされ、オオカミに似た見た目をしています。
もともとは「阿波系」、「本川系」、「幡多系」の3つの産地で繁殖されていましたが、純血種として保存されてきたのは「本川系」の四国犬です。古くは山に生息する猪狩りに用いられていました。

四国犬の体高は、オスが52cm、メスが49cm(JKC規定)です。体重は15~25kg前後になります。

四国犬の被毛は、以下の3種類です。

・胡麻
・赤
・黒褐色

オオカミに似た野性味あふれる姿が、四国犬の魅力となっています。

飼い主に対しては非常に従順で、忠実な四国犬ですが、ほかの人には心を許そうとしません。闘争心が強く、一般的なペットとしては飼育しにくいとされています。
猟犬としての状況判断能力に優れており、冷静沈着な性格もまた四国犬の特徴です。
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まとめ

以上、日本人のよきパートナーとしての歴史も長い、日本犬たちの紹介でした。
見た目のよさはもちろん、飼い主への忠誠心が高いことも、日本犬の魅力です。
気難しく飼育が大変な面もありますが、日本犬との暮らしは、私たちの生活をより豊かなものにしてくれること間違いなし!ですね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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