ふわふわ真っ白！ 真面目で控え目な性格がキュンとさせる希少犬・ボロニーズ

ボロニーズの体高はオス27～30cm、メス25～28cm、体重は2.5～4kgが理想サイズ。毛のボリュームがあるのでひとまわり大きく見えますが、中身は華奢な超小型犬です。

もともと立ち上がった毛並みはいつでもふわふわで、まっすぐの脚で軽快に走る様子がとてもキュート。毛色はピュアホワイト一色のみで、長めにカールした縮れ毛が特徴です。

ボロニーズはイタリア北部のボローニャ地方が原産で、地名がもとになって犬種名がつけられました。日本では英語読みした「ボロニーズ」が一般的ですが、イタリア語読みで「ボロネーゼ」と呼ばれることもあります。

ちなみに、ボロネーゼというと同名のパスタソースが有名ですね。あちらの正式名称はラグー・アッラ・ボロネーゼといい、「ボローニャのミートソース」の意。ボロニーズの正式名称はビションボロネーゼで、「ボローニャの巻き毛の犬」を表しています。

ボロニーズは王侯貴族の愛玩犬として人気で、贈りものにされることも多かったそうです。ボロニーズをもらったスペイン国王が、「皇帝に贈ることができるものの中で最高」と絶賛したという逸話も残っています。

ボロニーズは小型犬にありがちな気の強さや臆病さが少なく、おだやかで素直な性格です。
人が制御できないような力強い犬でもなく、動きもせわしくないので、どんな人でも飼いやすいでしょう。

遊ぶことが好き、というより、ボロニーズは人に構われるのが好きです。しっかりコミュニケーションを取ってください。まじめで従順なボロニーズは、しつけや芸を覚えることにも喜んで取り組みます。

甘えん坊なわりに、誰にでも「遊んで！」と寄って行くような社交性はありません。攻撃性は低いですが、初対面だとしばらく観察して安心できると判断しない限り、心を開くことはないでしょう。かわいらしい外見に、犬らしい気質が見えるところもボロニーズの魅力ですね。

愛玩犬としての歴史が長く、小型でかわいらしいボロニーズですが、アジリティに参加できるほど活発でタフな一面があります。散歩は1回20～30分は時間を取り、しっかり運動させてください。

ボロニーズはシングルコートで、換毛期がなく抜け毛も少なめです。しかし、細く柔らかな毛は毛玉ができやすく、毎日のブラッシングが欠かせません。

ショードッグのように美しいボロニーズを望む場合、多いと週に1回、少なくとも3週に1回はペットサロンでシャンプーとトリミングが必要ですが、家庭犬として飼うならシャンプーは月1回程度行えばいいでしょう。

ただし、真っ白な毛並みは汚れが目立ちやすく、排泄や食事のたびに拭き取らないと色素沈着してしまいます。散歩に連れ出したあとも汚れやすいので、しっかり拭き取りましょう。

垂れ耳のために蒸れからくる耳のトラブルを起こしやすいので、お手入れの際は耳のケアを忘れないでください。

街で白い小型犬を見かけて、すぐにボロニーズが思い浮かぶ人は少ないでしょう。実は、この白い小型犬たちは同一の犬がルーツだといわれています。
地中海にいた巻き毛の白い犬が船員や貴族のペットとして海を渡り、降り立った地で発展した結果、イタリアでボロニーズ、フランスでビションフリーゼ、地中海中央でマルチーズが生まれました。

よく似た犬種ですが、見分けにはコツがあります。

ボロニーズ
体高・体長が同じスクエアな体。縄のようにはならないが毛はまとまっている。落ち着きがあって真面目

ビションフリーゼ
胴が長めでがっしりと筋肉質。ゆるくカールした毛。愛情深く、誰に対してもフレンドリー

マルチーズ
胴が長めで一番小型。カールやウェーブのない毛。活発で明るいが、神経質な面がある

一目で犬種名を当てるのは難しそうですが、ルーツは同じでもそれぞれに特徴があります。ちなみに、同一の犬がルーツとされる犬はほかに、キューバのハバニーズ、マダガスカルのコトン・ド・テュレアーレがいて、プードルも影響を受けているとされています。

ふわふわの毛並みにクリッと丸い目のボロニーズは、見た目もさることながら、おだやかで控え目な性格も愛くるしいポイントです。飼い主に一途に愛情を寄せ、いつでも楽しませようとするいじらしさにメロメロになってしまう人も多いでしょう。

日本では珍しい希少犬なのでブリーダーを探す苦労があり、毎日の毛のお手入れも必須ですが、手間をかけるだけの価値がある犬種です。