ビションフリーゼは意外に筋肉質な小型犬

フランスで発展したビションフリーゼは、成犬でも体重は3~6kg、体高は24~29cm程度の小型犬です。体はがっしりと筋肉質で、抱き上げると想像より重く感じるでしょう。かわいらしい見た目に反し、運動神経は抜群で活発。遺伝的な疾患は少なく、寿命は小型犬のなかでも平均的な12~15歳です。

子犬の足先や耳はうっすら色がついていることがありますが、成犬になるまでには真っ白になります。祖先が同じといわれるマルチーズの毛がまっすぐでシングルコートなのに対し、ビションフリーゼはくるくるの巻き毛でダブルコート。同じ白い犬でも、ボリューム感を楽しめるのがビションフリーゼです。

ビションフリーゼは陽気で人懐っこく、聞き分けのいい犬種。ほかの犬や飼い主以外の人とも仲よくできるので、多頭飼いにも向いています。甘え上手なビションフリーゼですが、きちんとしつけしてくださいね。

「ビションフリーゼ」ってどういう意味?

ビションフリーゼはフランス語で「飾られた・おめかしした(Bichon)巻き毛の・縮れ毛の(Frise)犬」を意味します。

はっきりとはわかっていませんが、地中海沿岸で誕生し、14世紀ごろには存在していたようです。その後イタリアを経てフランスに持ち込まれました。ビションフリーゼのモコモコの白い毛は貴婦人たちに愛され、このとき小型化が進んだといわれています。

戦中・戦後、絶滅寸前まで個体数が減る危機がありましたが、それを乗り越えたビションフリーゼは、1950年代にアメリカに渡りました。
アフロのようなカットスタイルが開発されたのはアメリカです。メイク道具のパフをイメージしたこのスタイルは「パウダーパフ」と名づけられ、個性的なカットスタイルとともにビションフリーゼの名は世界に広まりました。

ビションフリーゼのお手入れは? 飼い方は?

ビションフリーゼは遺伝疾患が少なく、注意したい病気はありませんが、比較的外耳炎や涙流症にはなりやすいといわれています。垂れ耳で通気性が悪くなりがちなので、適度に耳のなかの毛を抜いて風通しをよくし、定期的に専用のイヤークリーナーを使って掃除しましょう。

流涙症は涙が止まらなくなる病気で、常に濡れているせいで目のまわりの被毛が色素沈着する涙やけを起こしたり、細菌が繁殖して皮膚病になったりすることもあります。原因はまつ毛が異常に生える逆さまつ毛や、涙の出口が詰まってしまっているなどさまざまなものが考えられます。結膜炎や角膜炎などの眼病から発症する場合もあるので、目の異常には気をつけましょう

ビションフリーゼの被毛は真っ白なので、涙のあとが色素沈着するととても目立ってしまいます。専用のローションやホウ酸水で拭くことも、お手入れのひとつとして日課にしてください。

特徴であるふわふわの巻き毛は毛量が多く、トリミングの頻度は2~3週間ごとが理想。きれいな毛並みを保つためにも定期的にトリミングしてください。ビションフリーゼの毛は細く絡まりやすいので、毛玉ができないように毎日ブラッシングしましょう。

突然の「ビションブリッツ」にご注意!

ビションフリーゼ独特の行動として、突然スイッチが入ったようにはしゃぎ回ることがあるようです。飼い主たちの間では「ビションブリッツ」「ビションスイッチ」などと呼ばれています。吠えることの少ないビションフリーゼですが、このときはガウガウ吠えることも。

理由や原因はわかっておらず、散歩などで十分に疲れるとしない、成犬になるとしなくなるなど、さまざまな説があります。さぞかし飼い主は困っているかと思えば、「おもしろいしかわいいので好き」という意見が多いようです。

走りまわっても大丈夫なように、普段から環境を整えてください。ぶつかって倒れるものや滑りそうな場所はありませんか? 興奮がおさまって疲れると自然に終わります。もし外で始まってしまった場合は、リードを短く持つなど安全に配慮しましょう

何かの発作なわけではないので、ビションブリッツが始まったらおさまるまで見守って大丈夫です。ただし、「興奮状態だから体に悪い」という説もあるので、気になる場合はビションブリッツが始まりそうなときにおもちゃで気をそらしたり、クールダウンの姿勢を取らせたりするといいでしょう。

まとめ

かわいらしく触り心地もよく、丈夫で聞き分けもいいなんて、ビションフリーゼと一緒に暮らせば毎日癒されること間違いなしですね。

ただし、抜け毛は少ないものの被毛のお手入れは必須です。飼うときは、毎日お手入れが必要であることだけは心得ておきましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。
 監修者プロフィール
獣医師・トリマー・ドッグトレーナー / ペットスペース&アニマルクリニックまりも病院長
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています。

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