ふわふわかわいいパピヨンってどんな犬種?

蝶(Papillon)が羽を広げたような形の大きな耳から犬種名がついたパピヨンは、フランスが原産の愛玩犬です。長い飾り毛を揺らして弾むように歩く姿が優美な印象で、18世紀から貴族のステータス犬として大変な人気を博しました

パピヨンは体は骨が細く華奢で、体重は2~4kgと抱っこして移動するのも楽々。かと思えば、体力があって賢く、ドッグスポーツなどに取り組むこともできます。体高は28cm以下が理想とされていて、体長のほうが体高より少し長くなっています。毛色が豊富で、ホワイトがベースであればどんな色でも認められます

パピヨンの一番の特徴は大きな耳で、「バタフライイヤー」と呼ばれています。同じ耳の形に「ロシアントイ」という犬種がいますが、2016年の時点で日本では登録がないため、バタフライイヤーを見たらパピヨンと思っていいでしょう。

飼うために広いスペースがいらず、社交的で陽気、華奢な体のわりに丈夫で遺伝的疾患もほとんどなく、さわり心地も抜群。人間と一緒の作業を好むパピヨンは、しつけなどの訓練にもよく反応してくれる優等生です。

パピヨンの性格を踏まえた飼い方・しつけは?

愛玩犬としての歴史が長いパピヨンは、明るく陽気で家族以外にもフレンドリー。賢く活発で、アウトドアの相棒にできるほど体力もあります。

小型犬といえども室内で歩きまわるだけでは運動量が不十分なので、毎日しっかり運動させてください。パピヨンは吠えやすい犬種ではありますが、運動欲と知的好奇心が満たされていればあまり問題行動をとることはありません

パピヨンは気が強く、わがままになりやすい傾向があります。学習能力が高いので、吠えたり噛んだりしたときに要求が通れば「そういうもの」と判断し、何度でも繰り返すでしょう。つい甘やかしたくなるかわいらしさですが、「ダメなことはダメ」ときちんと教えてください。人の指示によく反応する犬種なので、教えたことはすぐに覚えてくれます。

人に社交的な反面、パピヨンは犬とはあまり仲よくできないことが多いようです。勇敢な性格なので、自分より体の大きい犬にも物怖じせずに立ち向かってしまいます。また、ほかの犬が興奮状態だとつられて興奮してしまうことも。社会化訓練で抑えられることもありますが、持って生まれた犬種の性質なので、パピヨンの散歩や遊びは、たくさん犬のいる公園やドッグランは避けたほうが無難でしょう。

蝶の誕生で蛾が姿を消した? パピヨンの歴史

パピヨンの正式名称は「Epagneul nain Continental Papillon」といい、「小型のスパニエル」を意味しています。その名の通り、パピヨンのルーツはスペインにいた「スパニッシュ・ドワーフ・スパニエル」という犬という説が有力です。
直接の基礎となったのは「ファレーヌ」という犬種で、日本では「垂れ耳のパピヨン」として、パピヨンの一種とされています。まさにパピヨンによく似た垂れ耳の犬ですが、ファレーヌとパピヨンを別の犬種としている国も多いようです。

16世紀ごろからヨーロッパの王侯貴族に愛好されていたファレーヌには、まれに立ち耳の犬が生まれてくることがありました。それに愛好家が注目し、改良によって18世紀に誕生したのが「パピヨン」です。パピヨンはたちまち王侯貴族のアイドルとなり、特にフランスではマリー・アントワネットの愛犬だったことで知られています。

その後パピヨンはベルギーでさらに改良され、現在のような姿になりました。200年以上も人気犬種だったファレーヌはパピヨンの誕生によって数を減らし、今ではヨーロッパでも希少犬種となっています。
こういった経緯から、パピヨンの原産国はルーツの犬がいたスペイン、改良されたベルギー、大人気だったフランスと、さまざまな説があります。

ちなみにファレーヌはフランス語で「蛾」を意味していて、正式には「Epagneul nain Continental Phalène」といいます。

高級感あふれるパピヨンはどうケアする?

パピヨンはシングルコートとダブルコートの2種類がいますが、ダブルコートでもあまり下毛が厚くないので抜け毛は少ないです。毛が伸び続ける犬種でもないので、定期的にトリミングする必要もありません。さらに、絡まりにくい毛質なので、毎日さっとブラッシングすれば、きれいな毛並みを保てるでしょう。シャンプーも平均的で、月に1回程度自宅で洗えば大丈夫です。

見た目から想像するほどお手入れが難しくないのも、パピヨンの魅力ですね。爪切りや耳そうじ、歯みがきや足の裏の毛のカットなど、通常の犬のケアで十分です。

見た目の華奢さのわりに丈夫な犬種で、気を付ける病気は特にありません。強いて言えば、小型犬全般が気を付けたい膝蓋骨脱臼や白内障などには注意してください。
骨は細めなので、高いところから落下するなどで骨折する危険性があります。

まとめ

華やかな外見ながら丈夫で運動能力が高く、社交的で賢い、さらにお手入れが簡単と、まさに非の打ちどころのない家庭犬・パピヨン。性質を誤解して、「深層の令嬢」のように育てれば、キャンキャン吠える神経質なわがまま犬になってしまうこともありますが、もともとは人が好きで訓練性能に優れた犬種です。
パピヨンを飼うときは過保護に甘やかさず、知的好奇心や運動欲求を満たし、アクティブに楽しんでください。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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