ボール遊びのやり方

ボールで遊ぶラブラドールレトリバー

犬に合った大きさと硬さのものを選ぶ

愛犬が咥えやすく、離しやすい、犬に合ったサイズと硬さのボールを選びましょう
ボールは、人間用ではなく、犬用として売られているものをおすすめします。人間用でも、愛犬が丸のみする恐れがなく、咥えるのにちょうどよいサイズのボールはあるでしょう。しかし、犬が咥えることを想定していない素材や硬さのものは、汚れが付着しやすかったり、咥えたあと口から外せなくなったりと、トラブルが起こる可能性があります。

ボールを転がして慣れさせる

ボールを選んだら、愛犬の前でコロコロ転がして、ボールとボールの動きに慣れてもらいましょう。
愛犬にボールのにおいを嗅がせ、鼻先や口でボールに触れられるようになれば合格です。
できなくても、叱ってはいけません。また、犬の集中力がもつのは時間にして15分くらいだろうといわれています。あらかじめトレーニング時間を決めて、できるまでやろうとせず、時間がきたら切りあげましょう。

ボール遊びの種類

ボールを使って愛犬と遊ぼう!
ボールを放さないビーグル

ボールの引っ張りっこ

犬用ボールには、飼い主さんとの引っ張りっこ遊びが楽しめる、音が鳴るものや、ロープが付いているものなど色々な種類が売られています。
引っ張り合いが好きなワンちゃんは多いです。また、とくにトレーニングを必要としない、すぐに楽しめるシンプルな遊びなのでおすすめです。

投げたボールの空中キャッチ

飼い主さんが持つボールに興味を示し、「欲しい」「投げて」と要求してきたら、空中キャッチに挑戦してみましょう。
初めは、鼻先でトスができたらOKとします。少しずつ高さと距離をだしていきましょう。
室内でできる遊びとしてもおすすめです。ケガをしないよう、滑らない床の上で遊んでくださいね。

ボール隠し、ボール探し

頭を使う遊びです。
使うボールのにおいを嗅がせ、素早く隠しましょう。
すぐそばにあるブランケットの下、愛犬のケージの中、ノーズワークマットの上など、あまり難しくないところから始めます。

※ノーズワークマット…マットの上にフェルトなどで装飾をつけたもの。においを嗅ぎながら餌を探すという犬の本能を満たしてあげるおもちゃ

ボール遊びの基本! 「持ってこい」の教え方

ボールを見つめるラブラドールレトリバー
さぁ、いよいよ、「持ってこい」遊びにチャレンジしてみましょう!

「持ってこい」は、まずボールを「持つ(咥える)」、次に「戻ってくる(バック)」、最後に「ボールを返す(離す)」という3つの要素から成り立つ、意外に難しい遊びです。
トレーニング面からみると、ボールに関心を持ったうえで、「呼び戻し」「飼い主の指示で咥えているものを離す」ことができなくてはなりません。
ここで、基本的な「持ってこい」の教え方をご紹介します。

  1. 犬にボールのにおいを嗅がせ、興味を持たせる
  2. 愛犬の顔の前にボールを出し、においを嗅がせます。右に左に動かして、愛犬の興味を引きましょう。床の上をコロコロ転がしてもOKです。
    ボールが愛犬の鼻先に触れたり、愛犬が手で触れたりしたら、ご褒美をあげましょう。

  3. 犬がボールに注目したら、ボールを投げる
  4. 愛犬がボールを目で追うようになったら、次は投げてみましょう。はじめは、低い位置から床の上を転がすようにし、徐々に高さをだしていきます。

  5. 「GO!」「行け」などのコマンドで、犬をボールに向かわせる
  6. まずは言葉を決めましょう。指示する言葉は統一するのがポイントです。
    愛犬には、指示を聞いてから取りに行くように教えます。ボールを投げる瞬間に走り出している場合は、まずは「待て」で待機させ、ボールが止まったら「GO!」の指示を出します。

  7. 犬がボールに追いついたところで「キャッチ」「フェッチ」の指示を出す
  8. 次はボールを咥える動作です。ボールを追う「GO!」とは違うということを理解してもらうため、切り離して教えます。空中キャッチ遊びなどを利用して「キャッチ=咥える」だけを覚えてもらうといいかもしれません。

  9. 「おいで」「バック」「カモン」などの言葉をかけ、飼い主のもとに戻らせる
  10. 愛犬がボールを咥えたら、呼び戻しましょう。呼び戻しも言葉を統一すると、効果的です。

  11. 持ってきたボールを飼い主に返す
  12. 戻ってきたら、ボールを渡してもらいます。おやつを利用し、持ってきたボールとおやつを「交換する」のだと教えます。上手に交換できたら褒めてあげましょう。


意外と難易度が高い「持ってこい」遊び。
トレーニングは1回あたりの時間を決め、できてもできなくても、終わらせます。
①から⑥までを切り離して、少しずつ覚えてもらいましょう。それぞれができるようになることが大切です。

犬がボールを持ってこない、離さないときの対処法

ボールを持ってこない柴犬
持ってこい遊びの途中で、愛犬がボールを持ってこない、ボールを離さない、ということが起こります。なぜでしょう?

ボールを持ってこない!

「投げたボールを犬が追わない」または「追いかけるけど持ってこない」という話をよく耳にします。
犬がボールを追わないのは、なぜボールを追わなければならないのか、理由と楽しさが分からないからです。
また、やりがいを感じなければ続きませんし、疲れたり飽きたりすれば止めてしまうでしょう。
まずは、ボールを追いかける意味や楽しさを知ってもらうことから始めましょう。
室内で、短い距離でキャッチの楽しさを知ってもらいます。はじめはおやつキャッチでもいいでしょう。おやつの効果を上げるために、やや空腹のときに行うのもコツです。

ランなど広い場所で行う場合は、走る楽しさを知ってもらう。

犬の集中できる時間を考え、成功してもしなくても短い時間で切りあげます。
叱ったり、何度もさせたりしていては、うまくなるどころか嫌いになってしまいます。
おやつへの効果がない子へは、食べ物でなく、「飼い主さんが喜んでくれる」というご褒美だけでも構いません。音のご褒美、クリッカーを好む子もいます。愛犬に合う「ご褒美」を与えましょう。
愛犬が好きなご褒美を用い、ボールを追いかけるのは「楽しいこと」だと学んでもらいます。

※クリッカー…「カチッ」というクリック音の出る装置で、動物のしつけに使用するもの。正しい行動の後に音を出し、同時におやつなどを与えることで、その音に「いいこと」条件付けを行う。音を合図にしながら、正しい行動を強化していくトレーニングに使用する。

ボールを離さない!

「ボールは持ってくるけど渡さない」「口から離さない」ということもよくあります。
これは、犬が「ボールを奪われる」と思っているからです。
犬にしてみれば、ボールは、自分で取りに行った自分のボールです。飼い主さんに取られたくないというのは、当然の気持ちかもしれません。
持ってきてくれたボールは、おやつや別のおもちゃと交換しましょう。すぐに離してくれますよ。

吠えたり唸ったりする!

ボール遊びに限らず、犬は遊んでいるとき、吠えたり唸ったりすることがあります。
「楽しいはずなのになぜ?」と戸惑ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。
これは、遊びの吠えや唸りであり、怒りや恐怖は伴っていません。遊びに夢中になり、楽しくて発している声ですので、心配いりません。飼い主さんとのじゃれあいや引っ張りっこのときにもよく見せるもので、唸っていても鼻にしわが寄っていないのが特徴です。
もし、鼻にしわを寄せていたら、所有欲から唸っている可能性があります。その場合は、ボールを取られまいとして威嚇しているので注意してください。

【エピソード】うちの子のボール遊び 失敗談💦

ボールを咥えるミニチュアダックス
▲「ボールもーらいっ!」編集部スタッフの愛犬・ミニチュアダックスのチロちゃん
「ボール遊びは大好きだけれど、「持って来い」ができなくて、
ずっとくわえたまま突っ立ってます…なのでいつも1回投げて終了です」/K.Oさん
ボールを噛んで壊すミニチュアダックス
▲「これ、噛み応えがいいな! なんかボロボロでてきたぞ…」ミニチュアダックスのよもぎちゃん
「取ってこいもできますが、プラスチックのボールはあっという間に破壊してしまいました」/S.Oさん

屋外でボール遊びをする際の注意点

ボールを追いかける犬

リードを離さない

リードなしで遊べるのは、ドッグランなど犬専用の施設のみです。
公園など広い場所でも、リードを離したり外したりしてはいけません。
広い場所で誰もいないからこそ、そのまま逸走してしまっても捕まえられません。
また、昨今、伸縮リードによるトラブルが多く報告されています。伸縮リードを使用してボール遊びをする際は、まわりに人や犬がいないことを確認し、リードを伸ばしすぎないよう注意しましょう。

ほかの犬とのトラブルに注意する
よその犬が近くにいる時は、よその犬が愛犬のボールに反応しないよう、配慮しましょう。

まとめ

ボール遊びをする柴犬
犬は賢い動物です。
指示を聞く意味や楽しさが分かれば、必ず応えてくれます。
飼い主さんに褒められる喜びと、飼い主さんと一緒にボール遊びをする楽しさを知ってもらいましょう。
高度なものになると根気が必要で、時間もそれなりにかかります。
しかし、コツコツと焦らず進めていけば、そのうちにボールそのものがご褒美になります。
 執筆者プロフィール
No dog No life

特に牧羊犬が大好きです。
一番の関心事は「シニアわんことの暮らし」。
「人と動物の共生」「ワンヘルス」にも関心があり勉強中です。

動物愛護フェスティバル実行委員。
某県の災害時動物救護ボランティアチームに所属。
某県の動物愛護センターの登録ボランティア(おうちに帰れなかった犬たちの保護と譲渡のお手伝い)もしています。

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