写真家・あおいとりインタビュー－個展「にゃんぽとれ ～猫たちのポートレート～」仙台にて開催

仙台駅東口から徒歩10分圏内にある、富士フイルムフォトサロン仙台。ビルの1階に設けられたギャラリーでは、富士フイルムが発売している「FUJIFILM Xシリーズ」を使用している写真家「Xフォトグラファー」が撮影した写真の展示が数多く行われています。

同ギャラリーでは3月30日より、写真家・あおいとりさんの個展「にゃんぽとれ～猫たちのポートレート～」が開催中。
「にゃんぽとれ」と呼ぶテーマのもと、猫たちの人間臭くも自然体なポートレートにこだわり撮影された写真60点が展示されています。

各地で開催されている写真展での作品発表を中心に、刊行された写真集も3冊を数えるなど、注目を集めているあおいとりさん。猫の写真を撮り始めたきっかけ、猫に感じている魅力、仙台では初となる個展開催への思いなどを伺いました。

ペットライフ編集部（以下編集部）■これまで3冊の写真集を出版、富士フイルム・Xフォトグラファーに認定されたあおいとりさん。写真をはじめられたきっかけ、猫の写真を撮影するようになったきっかけについて教えてください。

あおいとりさん（以下あおいとり）■僕は今、会社員なのですが、4年ほど前に転勤があり東京に単身赴任をすることになったのが実はきっかけです。もともと、趣味と言っても自動車くらいしかなかったのですが、単身赴任にあたり自動車は東京へ持っていけません。

そこで、一人でもできる趣味をなにか作ろうと小さなミラーレスカメラを買ったのが最初です。何を撮るかは決めずに始めた写真ですが、可愛い野鳥……特に小鳥に魅力を感じて撮影するようになりました。

野鳥を追っかけている傍らでは、よく猫にも出会いまして。最初は「ついで撮り」だったのですが、被写体としての猫の魅力に気づき、どんどん猫にハマっていき……今や、ほぼ猫専門となりました。

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編集部■猫の魅力的な表情や行動を撮り続けているあおいとりさん。今回、仙台で行われる個展「にゃんぽとれ ～猫たちのポートレート～」では、どんな写真が展示されるのでしょうか？

あおいとり■基本的には、今まで撮った猫の写真の総集編ということですが、今回は富士フイルムさんのカメラ「Xシリーズ」で撮影した猫たちの写真を展示しています。

今、富士フイルムさんのXフォトグラファーに登録をいただいておりまして、私のメインカメラも富士フイルムさんのXシリーズを使っています。今回、個展を開催するギャラリーも、富士フイルムフォトサロン仙台さんということもあり、このような企画にしました。

昨年、同じタイトルの展示を東京・原宿にて行ったのですが、今回は原宿の時より広いギャラリーですので、大きめのパネル（A1サイズ）を多数展示しています。

編集部■あおいとりさんは、猫のどんな部分に魅力を感じていますか？

あおいとり■外で生活する猫は、過酷な自然環境の中、生きるために日々大変な思いをしています。しかし、そんなことは微塵も感じさせず、表面的には気ままに見える。そこに、人間で言うところのダンディズムすら感じます。

そして、猫はお腹が空いたらご飯を食べ、眠くなったらうたた寝。腹が立ったらケンカをし、気が向いたら恋もする。そんな猫たちの気ままで幸せそうな瞬間を素敵に切り取ることができたら、という想いでシャッターを切り続けています。

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編集部■猫の写真を撮影する際には、どんなことを心がけていますか？

あおいとり■猫に「撮らせてくれてありがとう」という感謝の気持ちをいつも持ちつつ、猫の嫌がることはしないように気をつけています。カメラのフラッシュやAF補助光（※）は、猫の目に悪いので使いません。
※AF補助光：暗い被写体にピントを合わせやすくするための光。

また、自然体の猫の姿を捉えたいという気持ちから、猫じゃらしなどのおもちゃやエサは使わずに撮影しています。

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編集部■家猫や外猫など、猫の写真を上手に撮りたいという方々は数多くいらっしゃるのではないかと思います。もし、よろしければアドバイスやコツを教えてください。

あおいとり■外猫の場合は、場所に行っていきなり撮り始めるよりは、すこしの間、猫と一緒の空間でそれとなく過ごして、猫の警戒心が無くなってから撮るといい写真が撮りやすいように思います。

後は、機材の話ですが……レンズは用途に合わせて選んでいます。警戒心の強い猫が多い場所では望遠レンズ、猫のアップや風景も入れた撮影では広角レンズ、背景ボケを活かした作品にしたい時は、F値（※）の小さな明るい単焦点レンズを選んでいます。
※F値（絞り値）……光の取りこむ穴の大きさを数値化したもの。F値を変えることで背景をぼけさせたり、シャープにしたりと、写真の仕上がりを変化させることができます。

家猫の場合は、やはり飼い主さんがいつも一緒に居られるというところが強みかと思いますので、たくさん撮ってあげていただけたらと思いますね。
家の中は光が少ないですので、F値の小さな明るいレンズを選ぶと綺麗に写りやすいと思います。手ブレ補正機能も付いていた方がよいかもしれません。

編集部■撮影の際に「写真を撮っていてよかったな、楽しいな」と思う瞬間は、きっとしばしば訪れると思うのですが……どんな時に感じますか？

あおいとり■写真を撮り続けていると、たまーに、猫と自分との間に警戒心のようなものがなくなり、猫が自分からシャッターチャンスを作ってくれることがあります。
例えば、夕日をバックにポーズを撮ってくれたり、猫パンチをして遊んでくれたり。そう言った瞬間は、猫と気持ちが通じたようで嬉しく思います。

あとはやはり写真を見ていただいた方から、うれしい感想をいただくのが一番ですね。そういうお声をいただくので、続けていけるというところはあると思います。

編集部■「猫だって鼻提灯くらいできるもん。」「島ねこぽん」「気ままに猫だもん。」と3冊の写真集を刊行し、自然体の猫の表情を撮影し続けているあおいとりさん。今後、撮ってみたい写真や取り組みたいテーマなど、猫もしくは猫以外でも構想はございますか？

あおいとり■今後も猫はライフワークとして、撮り続けたいと思います。また、今後は動画にも挑戦したいと思っていますね。写真では表現しきれない部分をいい形で残せればという思いです。
猫以外では、常に被写体を探しています。可愛い動物ならなんでも撮ってみたいのですが……。

作品発表については、これまで写真展と写真集が中心でしたが、なにか他の形でもできないかということを常に考えてはいます。（こちらは、まだなにもアイデアが浮かんではいないのですが……）

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編集部■今後、行われるイベントの告知などお知らせがございましたら、お話しいただければと思います！

あおいとり■まだ、公にできるものがないのですが、春以降も各種企画や写真展、媒体への掲載など、既に進んでいるものが多数あります。
公にできるタイミングになりましたら、順次、ブログやSNSにて告知をさせていただきますので、是非ご覧いただければと思います。

編集部■Facebook3.8万人、Twitter3万人、Instagram6千人と、SNSを中心に多くのファンから支持を集めているあおいとりさん。今回、個展が開催される宮城県にはたくさんの猫が住んでいる田代島もあり、多くの猫ファンがあおりとりさんの個展を注目していると思います。
ぜひ、メッセージをいただけますでしょうか？

あおいとり■東北を盛り上げることに、ほんのほんの少しでも関われれば、貢献できればと思っています。
お近くにお住まいの方、会期中についでがあるみなさま、入場無料ですので是非、会場を覗いていただければと思います。

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この4月に単身赴任先の東京から、地元の関西へと戻ることになったあおいとりさん。お忙しいなか、インタビューをお受けいただきありがとうございました！