ツヤのある毛並みが特徴的。ミニチュアピンシャーの歴史や特徴、飼い方のポイント

ミニピンの愛称で知られる、ミニチュアピンシャー。その歴史は長いと言われています。17世紀の絵画にはミニチュアピンシャーにとてもよく似ている犬が描かれ、その後19世紀にはミニチュアピンシャーと特定できる絵が絵画に描かれていることから、長い歴史を持つ犬種であると考えられています。

ミニチュアピンシャーは、短毛のテリア種であるジャーマンピンシャーとダックスフンド、さらにイタリアングレーハウンドを掛け合わせて生まれたといわれています。
これらの犬種の特徴を色濃く引き継いでおり、体型や性格の端々に3種類におよぶ犬種の特徴を感じることができるでしょう。

ジャーマンピンシャーからは、丈夫な体とブラック・アンド・タンの配色を、ダックスフンドからは恐い者知らずの勇敢な性格とレッドの配色を、優雅な身のこなしと遊び好きでやんちゃな性格は、イタリアングレーハウンドからそれぞれ受け継いでいます。

ミニチュアピンシャーは、これら3つの犬種の良い部分を色濃く引き継いでいますが、これらとは異なる特有の性質として、元気さと活発さを持っています。

1900年代に入り、第一次大戦前ののドイツではミニチュアピンシャーの人気が過熱し、ドッグショーでは負け知らずの犬種でした。しかし、戦後ミニチュアピンシャーの頭数が激減し、その後の繁栄は戦前に各国へ渡ったミニチュアピンシャーに委ねられます。

アメリカでは「トイ・グループの王者」と呼ばれるほどの人気を博し、日本国内でも「ミニピン」と呼ばれ、知名度の高い犬種として認知されています。

小型な体のミニチュアピンシャーは、引き締まった短めの胴と、やや長い四肢を持っており、バランスがよい体形です。さらにその顔立ちも相まって、ドーベルマンを小型化した犬種と勘違いされることもしばしばです。

光沢のある短い毛が特徴のミニチュアピンシャー。公認されている毛色は、ブラックタン・チョコレートタン・レッドの3種類です。体高は25～31.8cm、体重は4～5kg、原産地はドイツとなっており、寿命は12～14歳となっています。

また、ミニチュアピンシャーは、生まれた時には尻尾は長いのですが、たいていの犬は尾が短く断尾され、さらに耳も生後3ヶ月ほどで断耳することがほとんどです。

断尾・断耳は、決められたスタイルを維持するために行われています。ともすれば、かわいそうなイメージがありますが、肯定的な考え方のひとつとして、断尾・断耳には目的がある、とされています。

断耳は耳を噛まれて致命傷につながらないよう、断尾は、尻尾に傷がつくとそこから病原菌などが入り込む危険を回避するためというわけです。牧羊犬などは牛や馬などから尻尾を踏みつけられる危険を減らすことができます。

ミニチュアピンシャーの性格は、活発さがある一方で、警戒心の強い神経質な性質も併せ持っています。活発さと相まってやや気が荒いと部分もありますが、それがミニチュアピンシャーの持ち味でもあります。

この性格を利用して、アメリカでは車の盗難防止や護衛犬として人間と行動を共にすることもありました。番犬としても能力を発揮してくれるでしょう。

清潔好きな犬で、前足を高く上げる「ハクニー歩様」も特徴のひとつ。トイ・グループのなかでは、最も運動神経の優れている犬種といわれています。

ミニチュアピンシャーは小型ながらも、多くの運動量を必要とする犬種です。室内や庭で十分に運動させる、また散歩を多めにさせてあげるといいでしょう。寒い環境が苦手な犬種なので、できるだけ室内で飼うことをおすすめします。

毛のケアについては、光沢のあるなめらかな短毛種なので、お手入れはほとんど必要ありません。時々タオルで体を拭いてあげる、ブラッシングする程度で十分でしょう。

ミニチュアピンシャーは、よく似ているドーベルマンとルーツを別にしており、その歴史もドーベルマンより長いと言われています。活発で用心深い性格を持ち運動神経も優れているという、番犬として有能な点は共通していますね。飼育の際は、たくさん運動させてあげることがポイントです。また、寒い環境は苦手としている犬種なので室内での飼育をおすすめします。