相談内容:皮膚病について質問します。
飼い主からの相談
はじめまして、皮膚病について質問します。
ラブラドールレトリバー(♀)を親子で飼っています。
9歳の母親(黒)と7歳の娘(イエロー)です。
母犬が2ヶ月前から体中痒がりだし脱毛がひどくなりました。顔、耳、わき腹(広範囲)後ろ足です。外陰部も腫れ乳腺も腫れて母乳のようなものが出だしたため病院に行きました。生殖器に病気があるとこのような症状が出るとのことで避妊手術をしました。術後もかゆみは増すばかりで壁やソファーに頭を擦り付け出血もありました。術後2週間たってからストロイドの内服を開始しています。1日にプレドニン30mg内服しています。内服後4~5日たったころからかゆみがおさまり、皮膚の赤みも消え落屑がおこりましたが、10日を過ぎた頃からまた痒がり出しました。今もプレドニン内服は継続しています。手術の際、麻酔がかかっている時に皮膚の深い部分を採取してダニの検査もしましたがダニは検出されませんでした。
同時期に子供の方もかゆみが出たのですが症状が軽かったので抗生剤とクロコデミンを2錠内服で様子見ていました。脱毛も軽いものでした。ところが抗生剤を中止したとたん赤い湿疹様が全身に出てかゆみがひどくなりました。避妊手術はしていません。
犬の皮膚病とは関係ないかもしれませんが、同時期に私も顔以外の全身が痒くなりました。発疹等は出てませんがかゆみが強いです。
質問はこのままアレルギー性皮膚炎の治療をしていていいのかどうか、他に考えられる皮膚病があるのかどうかということと、犬から人間にうつる皮膚病があるのかということです。
アドバイスよろしくお願いします。
今道 昭一先生(きたのさと動物病院)からの回答

まずは人に感染する皮膚病についてお話します。
人に感染する皮膚病として、最低限知っていてほしいのは、
皮膚糸状菌症、疥癬、ノミです。
これらは人に感染すると、かゆみを見せたりもしますが、おそらく何らかの皮疹を見せるはずです。小さな赤い丘疹であったり、赤い斑であったりします。また、手足やおなかにでやすいように聞いています。
次にワンちゃんたちの状態について考えてみましょう。
先にあげた病気は人への感染はもちろん、ワンちゃん同士でも感染します。
これらの病気はしっかりと調べてあげましょう。
また、ステロイドの効果から、アレルギー性疾患も考慮しておきましょう。
ただ、フケがでるという点は気をつけておいてください。この場合は何らかの感染症を疑う必要があります。
最近はここに記載しなくなりましたが、皮膚病の診断は必ず一定の過程を踏んで診断するのが早道です。私はそのような診断のための基礎を怠ることはありません。やはり、正確に皮膚病を診断するには時間がかかります。しかし、漠然と治療しているときと比べて必ず半年後にはいい結果が得られるはずです。
相談内容:口元から鼻にかけてのカサブタが気になります。
飼い主からの相談
1歳になるモルモット:メスなのですが、つい最近、生後3ヶ月ほどのメスのモルモットを新しく買い、同じゲージで生活させるようになり約1ヶ月です。
最近飼いだした生後3ヶ月のモルモットは、当初からお尻の部分にハゲがあり、こちらの他の方の投稿を見る限りでは皮膚病なのかな?と判断している次第ですが、先に飼っていた1歳のモルモットはいままでずっと健康体で肌も毛も綺麗そのものだったのですが…
生後3ヶ月のモルモットと同居するようになって、鼻の辺りにクリーム色をしたカサブタがゴリゴリとできてしまっています。ストレスが原因でしょうか?あるいは、もし生後3ヶ月の子が皮膚病なら、それがうつってしまっているのでしょうか?鼻の穴の中あたりから出ているカサブタのようなものも確認できます。2匹の仲が悪いのか、1歳のモルモットの耳も少しかじられているようです。2匹とも、糞尿は問題なくしています。
かじり木をつけているのですが、ゲージ内に敷いている新聞や、ペット用の尿シートなどを食べてしまったりもします。
2匹を離れさせた方がいいのでしょうか、また、カサブタの原因として何が考えられるのでしょうか、心配です。
どうぞ、よろしくお願いします。
※画像moru1は1歳のモルモット
画像moru2は生後3ヶ月のモルモットです。
是松 壮一郎先生(アイ動物病院)からの回答

こんにちは、緑色さん
さっそくですが、写真を見せていただきました。実際には、皮膚の状態を目で見ての診察や、紫外線を当てての検査などを含む各検査をしての判断になりますが、らんちゃんは皮膚糸状菌症といって、いわゆるカビ(真菌)の感染症を起こしている可能性が大いにあります。
また、3ヶ月の方の子も同じ様な皮膚病が考えられます。
放っておくと、2頭の間で相互感染を起こし、全身に広がったり、難治性となったりします。
早めに診察を受けていただき、必要な内服薬や外用薬を使って治療を始めていただいた方がいいと思います。
発生原因としては、ストレスにより、身体の抵抗力が落ちたりすることによっての発病などもありますが、上記の内服や外用薬を使うことにより治りますので、ひとまずは治療を始めて、経過を見ながら二頭の別居なども考える必要があるかもしれませんね。
どうぞお大事になさってください
相談内容:どんな病気が考えられますか?
飼い主からの相談
初めまして宜しくお願い致します。
1年前に里子に頂いた1歳半の雑種、♂、8kg弱です。去勢済。近親交配で生まれて、譲って頂いた時に3つの膀胱結石がありそれは、すぐ治療してなくなり、結石が出来やすいタイプと診断されてそれ以来ずっとPH調節のフードを食べています。
半年位前から鼻の上の辺りに来た時から薄っすらとハゲた後がありましたがそこから脱毛が広がり、鼻の半分位まで皮がハゲて鼻の中まで炎症が広がっています。鼻の横が普通は、塞がっていますが腫れているのでかなり隙間があいています。
病院も2件診て頂きましたが日の当たりすぎとか土を掘るからなどの回答でした。そして、菌があるかないか?メガネのようなので覗いてみて1件目は真菌あり、2件目はなしでした。そしてステロイド、抗生物質の飲み薬でした。今、ステロイドは3日塗って止めて、抗生物質は15日間飲みましたがあまり改善されていないようです。
カサブタが剥げてもまた同じようなカサブタができます。
主人の水虫が移ったか?とも思いますが病院の先生はここには、うつらないと言い薬あるのみと言います。
アレルギーを疑ってもみますがフードがPH調節しかやっていないのですがフードに問題があるのかも?とも思います。
遺伝的な体質もあるのでしょうか?
今後、どのような検査をしてみたらいいでしょうか?
里子に来る前は、1軒家に80頭の犬がひしめき合って暮らしていたようです。満足に餌も当たらない状態で糞尿まみれだったようで何を食べていたかはよくわかりません。その中での近親交配なので色々の病気がこれから出てくるかも・・・と思いますので宜しくお願い致します。
是松 壮一郎先生(アイ動物病院)からの回答

こんにちは、みえっちさん
ふぁいと君の写真、拝見いたしました。
たしかに、真菌症や、細菌感染、日光過敏症の疑いもあると思いますが、その他に考えられるものとして、天疱瘡や、円盤状紅斑性狼瘡と呼ばれる、自己免疫性の病気の可能性もあると思います。
(わたしとしては、他の部位(特に耳)の病変がほとんど出ていないようなので、紅斑性狼瘡の疑いが一番大きいような気がするのですが)
かさぶたや皮膚からの材料採取による顕微鏡での検査、培養、血液検査等により鑑別をしていった方がいいと思います。
ただ、自己免疫性の病気による病変の場合は、投薬を中止すると再発するなどの可能性も高いので、気長に病気につき合っていく覚悟は必要だと思います。
大変な子供時代を過ごしたふぁいと君がみえっちさんの元で幸せな生活を送れるようお祈りいたします。
どうぞお大事に。
今道 昭一先生(きたのさと動物病院)からの回答

鼻の上にこのような皮膚炎を示す皮膚疾患はたくさんあります。
まずはアカラス症などの寄生虫感染と皮膚糸状菌症の検査は必ず実施しましょう。
特に皮膚糸状菌の検査は慎重に実施しなければいけません。
紫外線ランプのみに頼る診断では見逃したり、逆にフケやカサブタを糸状菌と見間違えることがあります。
糸状菌症の診断は毛やカサブタに真菌が見つかったときに確定できます。
里子に来る前の環境を考えると、糸状菌はきっちりと調べておく必要がありそうですので、顕微鏡検査あるいは糸状菌の培養検査を検討して下さい。
また、アカラス症の検査は難しいものではありません。局所のスクラッチ検査で診断が可能です。
この2点は必ず検査で確認してもらいましょう。
また、このような症状の場合、細胞診も非常に有効な検査になります。検査は簡単に実施できますので、一度検討してみて下さい。
しかし、その他にも病気は多々あります。
膿皮症、特に皮膚深部に感染が及ぶ深在性膿皮症は塗り薬で完治せず、抗生剤の内服も2週間では完治しません。
そのほかにも稀な皮膚疾患として考慮しておかなければいけないのが、自己免疫性疾患、甲状腺機能低下症、好酸球性セツ症などです。
これらも細胞診や甲状腺ホルモン測定などの検査で調べることが可能です。
いずれの検査でも診断がつかないときは、皮膚生検という手段があります。これは特に自己免疫性疾患の診断には有効です。
このような症状を示すとき私は上記の手順で診断を進めています。
検査の負担や費用などの問題と病気の発生率を考慮するとこの手順が勧められます。
ただ、1つの疾患を強く疑う所見があったときは、その病気を確定するための検査を優先することも考えなければいけません。
相談内容:困ってます
飼い主からの相談
はじめまして。非常に困っているので質問させていただきました。ミニチュアダックスフンド1歳です。まだ、病院には連れて行ってはないのですが、鼻と目のちょうど真ん中あたりに、1cmぐらいの赤いニキビのような物ができているのですが、日に日に赤くなっている範囲が広くなってきています。どんな病気なのでしょうか?早急に病院に行った方がいいのでしょうか?
二本松 昭宏先生(にほんまつ動物病院)からの回答

中西さん こんにちは。
皮膚病は、見た目が一緒でも原因が異なると、治療方法もまるきり異なります。
まずは怪しいところから調べていき、治療していくということになると思いますが、
進行してからとなると、治療が大変になるかも知れませんので、
早めに病院に連れて行って、診てもらった方が良いでしょう。
伊東 彰仁先生(イトウペットクリニック)からの回答

皮膚糸状菌症などの初期によくみられる症状で、これが大きくなり、次第に中心が抜けてきて周囲にフケ状のものが見られます。ただ見た目判断は禁物です。皮膚病は治療前に検査をしておかないと、使用した薬で、あとの診断がつけにくくなるからです。
皮膚病の検査は、病院により異なっていると思いますが、うちでは次のようなスケジュールで行っています。
1:皮膚セロテープ染色
2:抜毛検査
3:皮膚掻爬検査
4:真菌培養(真菌、酵母の同定まで)
5:特異的IgE抗体検出による、アレルギー検査(各項目)
6:血液性化学検査(項目ごと)
7:血液塗抹染色(血球像、百分比)
8:ホルモン検査(各項目)
9:パンチバイオプシー
現在のところ、1~4まではルーチンで行っている検査で、必要に応じて5以降の検査をしています。
しかし、以降の治療や誤診を防ぐためにも、5~7はルーチン化しようと考えています。
皮膚病は、獣医師でも見た目診断は避けるべきです。
むしろ経験上分かったという場合は、改めて検査をして裏づけを取るべきです。
相談内容:膿被症と診断されて
飼い主からの相談
お世話になります。
小さい頃より、身体からフケのようなものがポロポロとしていましたが、それ程気にせず、市販のシャンプーを月に一度ほどしていました。
年が経つにつれ、フケが目立ってきたので、病院で診察したところ(2歳前の頃が初診)、通常皮膚にいる細菌に対して弱く(ブドウ球菌等々)赤くなり、治りかけるとカサブタになりフケのようになると言われました。
夏場に目立つようになったので、夏場だけ病院で診察し飲み薬(抗生物質)をもらっていました。
ところが、最近(5歳)は年中フケが目立つようになり、通院しています。
病名はノウヒショウとの事。抗生物質が効かなくなり、今は10日に1回の診察で抗生物質を変えていってます。週に1度のシャンプーも病院でもらってます。また、食事療法も取り入れるつもりです。
この病気は完治することがあるのでしょうか?薬を切らすと、すぐに症状はひどくなります。一生薬を飲ませなければならないのでしょうか?
薬は身体に負担になると思っています。愛犬が痒い症状だけで済むならば、食事療法だけにして、薬漬けから開放してやるのが、身体の為になるのではないか?一人で悶々と考えてしまいます。
また、環境が変わったりすると、症状は悪化するのでしょうか?
この先、2~3ヶ月実家に預けなければならなくなるかも知れない事情があるのですが・・・。
どうか、アドバイスくださいませ。
伊東 彰仁先生(イトウペットクリニック)からの回答

膿皮症で、抗生物質が効かない場合、考えられることは2つです。ひとつは、現在使っている抗生物質に耐性がある場合で、これは培養と感受性テストで判断できます。もうひとつは、基礎疾患がある場合です。ベースに別の皮膚病が存在し、その皮膚バリヤが消失したところに感染が起きて、膿皮症化したものです。この場合は、その疾患を判別しなければ、一旦開放に向かっても、完治はせず、抗生剤を止めればまた悪化することになります。
ここからはよく書いていますが、皮膚病の検査は、病院により異なっていると思いますが、うちでは次のようなスケジュールで行っています。
1:皮膚セロテープ染色
2:抜毛検査
3:皮膚掻爬検査
4:真菌培養(真菌、酵母の同定まで)
5:特異的IgE抗体検出による、アレルギー検査(各項目)
6:血液性化学検査(項目ごと)
7:血液塗抹染色(血球像、百分比)
8:ホルモン検査(各項目)
9:パンチバイオプシー
現在のところ、1~4まではルーチンで行っている検査で、必要に応じて5以降の検査をしています。
しかし、以降の治療や誤診を防ぐためにも、5~7はルーチン化しようと考えています。
皮膚病は、獣医師でも見た目診断は避けるべきです。
むしろ経験上分かったという場合は、改めて検査をして裏づけを取るべきです。
今道 昭一先生(きたのさと動物病院)からの回答

膿皮症が再発するときの治療の原則は、
"今ある膿皮症を完治させ、その後に膿皮症を起こさせる基礎疾患を検索する"
なかなか治らない膿皮症は完治するまで効果のある抗生物質を続けることが重要です。
時には数ヶ月かかることもありますが、ブドウ球菌による膿皮症であれば、皮膚疾患で頻繁に使用される抗生物質に耐性ができることはそれほど多くありません。
効果が得られない理由として多いのは、抗生物質の投与期間が短い、投与量が少ない、抗生物質の選択が不適などです。
まずはこの点をしっかりと評価してもらいましょう。
一旦膿皮症が完治したら、引き続き基礎疾患を評価しなければいけません。
外部寄生虫、皮膚糸状菌症、アレルギー性疾患、脂漏症などが主な基礎疾患です。
この基礎疾患を見つけて、それを治療することで再発を予防することができるかもしれません。
特に夏にひどくなるという既往歴があるなら、ノミアレルギーやアトピー性皮膚炎について評価しましょう。
また、コラムで"再発する皮膚炎"について記載しています。参考までにこちらも読んでみて下さい。
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