犬のヒゲの基礎知識

犬のヒゲは、「触毛」と呼ばれる感覚器官です。ヒゲというと口周りに生えるイメージですが、犬のヒゲは目の上(眉の部分)や顎の周辺にも生えています。特に上あごの部分に集中して生えている場合が多いようです。
ヒゲは通常全身に生えている被毛よりも太く、固くてハリのある毛質です。

犬のヒゲは野生の時代、周囲の情報収集をしたり、平衡感覚を保ったりするための感覚器官として活躍していましたが、人間のパートナーとしての品種改良が進むにつれ、以前ほどの感覚は失われていきました。

犬のヒゲは猫ほど敏感ではありませんが、毛根には神経が通っています。感覚器官としてはさほど敏感ではありませんが、無理に引っ張ったり抜いたりすると痛みを感じる部分です。

現代の犬にとっては、“無用の長物”とも言われてしまうヒゲですが、犬種によってはヒゲの生え方がユニークな表情を作り出すことで、チャームポイントとなっています。
また、シニア期に入り目や耳の感覚が鈍ってきたときには、ヒゲを使って平衡感覚を保つ働きをするとも言われています。

犬のヒゲはなくても大丈夫?

「トリミングサロンに犬を預けたら、犬のヒゲが短く切られて驚いた」という経験をした飼い主さんもいますよね。犬のヒゲを切ってしまっても、問題はないのでしょうか。

犬のヒゲは、基本的にはなくても問題ないものです。ヒゲが敏感な猫の場合は、ヒゲを切った途端に真っすぐ歩けなくなる例がありますが、犬の場合、ヒゲのある・なしで身体能力に大きな影響が出るわけではありません。
とはいえ、ヒゲにもわずかながら感覚器官としての性質が備わっています。目や耳の機能が弱ったシニア犬や、一度ヒゲ切りをして変わった様子があった犬の場合は、切らない方が無難だと言えるでしょう。

トリミングを必要とする犬種の場合は、ヒゲを切って口元をスッキリさせると、洗練した雰囲気を出すことができます。
先にも説明した通り、ヒゲの毛根には神経が通っているため、抜くのは痛みを伴います。ヒゲをすっきりさせたいときには、抜くのではなく切る方法でやりましょう。
顔回りのカットは、嫌がって暴れた犬にケガをさせてしまう危険性もあります。できるだけカットはプロのトリマーにお任せするのがおすすめです。

犬のヒゲの色が違う?

犬のヒゲの色は、犬種や毛色によって変化します。色は白または黒~茶色で、被毛の色に対応している場合が多いようです。

黒いヒゲの中に1本だけ白いヒゲが混じっていたり、顔の左右でヒゲの色が変わっていたりするケースがありますが、特に問題はありません。被毛がブラウン&ホワイトのバイカラーの犬などは、生えている周辺の被毛の色に合わせてヒゲの色が変わることも珍しくないです。

また、人間が歳を取ると白髪が増えるように、犬も老化により白い毛が混じります。
犬によっては全身真っ白になったり、部分的に白い毛が混じったりとさまざまですが、黒かったヒゲが白くなる(白髪になる)ケースも多いです。これは、犬の老化による白髪が口周りから出やすいことが原因になっています。

一度白いヒゲになっても、生え変わりにより再び黒いヒゲが生えてきた、なんてことも。白いヒゲは老化のサインではありますが、自然現象なのであまり神経質になる必要はありませんよ。

犬のヒゲに関する疑問

人間とも猫とも違う犬のヒゲ。チャーミングだけどとても不思議な存在ですね。最後に、よくある犬のヒゲに関する疑問について説明します。

ヒゲは抜けても大丈夫?

部屋に固くて太いヒゲが落ちていると、びっくりしてしまうことがありますね。
ヒゲもほかの被毛と同様に生え変わり周期があるため、自然に抜け落ちるのはまったく問題ありません。抜けてしまった部分でも、同じ場所からまた生えてきます。犬の顔回りをよく観察してみましょう。

ヒゲに枝毛があったけど大丈夫?

まるで人間の傷んだ毛先のように、犬のヒゲが枝分かれしているのを見つけることがあります。ヒゲが枝毛になるのは、犬が後ろ足で自分の顔回りを掻いたとき、ヒゲが折れたり、ちぎれてしまったりすることが原因です。
ヒゲが枝毛になっても特に問題はありませんが、頻繁に顔をかくような様子が見られるときは、皮膚病や耳の病気が潜んでいることがあります。掻き壊してしまう前に、動物病院を受診しましょう。

まとめ

以上が犬のヒゲの役割や、ヒゲ切りに関する解説でした。
猫にとってのヒゲのように重要な器官ではありませんが、まったくなくなってしまったら、それはそれで困ってしまう(?)犬のヒゲ。
トリミングしてしまうか、本来の姿を残すかどうかは、飼い主さん次第でもあります。
犬の様子に問題がなければ、ぜひヒゲありスタイルとなしスタイル、両方を試してみるのもおもしろいかもしれませんね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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