犬のあご乗せ①構ってほしい

「スマホやテレビを見ているとき、犬が腕にあごを乗せてきた」、「読んでいた新聞を押しのけるように、頭を入れてきた」……そんな仕草が見られたら、構ってほしいサインかもしれません。
「ねえねえ、飼い主さんこっちを見て」、「そんなことより、一緒に遊ぼうよ~」という心理が働いているのですね。もしくは、犬が退屈を感じて、なにかしら飼い主さんのリアクションを求めているということも考えられます。
そのときに犬がどんなことを考えているのかは、シチュエーションや時間帯でわかることもありますので、注意深く観察してみましょう。

強い要求ではなくとも、あご乗せは言葉を持たない犬からのメッセージ。忙しいときでも、しっかり受け止めて応えてあげたいものです。「どうしたの?一緒に遊びたいの?」などと声をかけてあげると、犬も喜びます。
逆に飼い主さんから無視をされるのは、犬にとってストレスを感じる原因になります。すぐに構ってあげられないときでも、「あとで遊ぼうね」「ちょっと待ってね」などと話しかけ、無視はしないようにしましょう。

ただし、犬からの要求に応えるまま、構いすぎてしまうのはNG。お互いに気持ちよく暮らすためにも、節度を持った距離感で愛犬と接するようにしてくださいね。

犬のあご乗せ②甘えたい

あご乗せの行動が愛情表現になっていることもあります。
「飼い主さん、大好きだよ」、「ずっとくっついていたいな」……飼い主がくつろいでいるとき、またはパソコンやテレビなどに注意を向けているときに、愛犬が飼い主の体にちょこんとあごを乗せてくるのは、「甘えたい」サインかもしれません。
そのままちらりと上目遣いをしてくる愛犬の愛くるしい姿に、メロメロになってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

ペロペロと顔や手を舐めたり、甘え鳴きをしたり、鼻や前足でつついたり、おなかを見せたりと、犬が飼い主に甘える仕草はたくさんあります。なかでもあご乗せにはちょっと飼い主さんに遠慮しているような、“控えめ”な甘えの気持ちが現れているようです。なんともいじらしく、かわいらしいですね。
また体の一部を飼い主さんにくっつけている状態は、犬にとって安心できるものです。ここにも、好きな人の体温を身近に感じたいと甘えてくる犬の心理が現れていますね。

犬が甘えたい気持ちであご乗せをしてくるときは、そのまま耳の後ろや頭、背中といった犬が喜ぶ箇所をナデナデしてあげましょう。「自分の気持ちが飼い主さんに伝わった」と、犬も安心してくれますよ。

犬のあご乗せ③リラックスしている

「飼い主さんの近くにいると安心できるなあ」、「極楽♪極楽♪」というリラックスの気持ちで、あご乗せをすることもあります。

本来群れで暮らす動物である犬は、お互いの体をくっつけ合うことで、温め合ったり、安心感を得ようとしたりする習性があります。寝るときに仲間同士寄り添い合おうとするのは、寒さや外敵から身を守ろうとする動物としての本能があるからといわれています。ほかの犬や飼い主との添い寝を好む子が多い理由には、この習性が関係しているのでしょう。

犬が飼い主さんにあごを乗せたり、体の一部をくっつけたりすることも、本能的な行動です。犬にとって信頼できる飼い主さんの近くは、どこよりも安心できる場所なのです。このときの犬はリラックスしきっており、とても穏やかな気持ちになっています。
犬の気持ちを見分けるポイントは目線です。飼い主さんに優しい視線を投げかけているときや、そのままぐっすり眠ったりするときは、安心感や服従心を伝えているものと考えてよいでしょう。まさに、飼い主冥利に尽きますね。

あご乗せ行動は、犬との信頼関係が築けているサインでもあります。
リラックスしている犬をナデナデしたり、ゆっくりできる休日であれば一緒にうたた寝をしてしまったりするのもいいかもしれませんね。

犬のあご乗せ④要求がある

食事や別の作業をしているのに、犬があごを乗せてくる……そんなときは、「構って欲しい」、「甘え」の気持ち以上に、何かしらの要求の気持ちが込められている場合があります。
例えばご飯やおやつが欲しいときや遊んでほしいときなどに、「おねだりの気持ち」であごを乗せてくるのです。
ただ、食事中も飼い主の腕や机にあごを乗せるなどして、人間の食べ物をおねだりする癖がついてしまうと、繰り返し要求するようになるので、節度を持たせることが大切です。飼い主の食事中にあご乗せをしてくるときは、「あとでね」「今はダメだよ」と声をかけて、あご乗せをやめさせましょう。

また、「この人は自分のもの!」という所有欲や優位性を誇示するために、あご乗せをしてくる犬もいます。飼い主が好きだからこその行動ですが、犬のしたいようにさせておくことでわがままをエスカレートさせてしまう危険性も。

犬の要求をすべて無視するのもいけませんが、いちいち答えるのも犬との関係を崩しかねない行為です。犬が単なるわがままであご乗せをしてくるときは、心を鬼にしてそっと離れる、「ダメだよ」と声をかけるなどして、ストップをかけることも大切になるでしょう。

犬のあご乗せ⑤単純に楽な姿勢をとっている

「かわいがってほしいのかな」とナデナデしてみるものの、なんだか違う様子……という経験をしたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか。最後に考えられるのは、ちょっと横着な理由。飼い主さんにあご乗せをしているのは、単純に楽だからということです。
甘えたり、リラックスしたりしているだけではなく、ちゃっかりした理由からあご乗せしてくる子もいるのです。

とても安心して、リラックスしている状態のときは、自分の最も楽な姿勢を取ろうとするもの。犬が机やベッド、椅子やソファのひじ置きに顎を乗せているときは、その体勢が気持ちいいからかもしれません。不安定な場所や危険を伴う場所でなければ、そのままそっとしてあげるのがよさそうです。
また、犬は自分より背の高い人間を見上げようとしているため、頭の重みで首や肩が凝りやすいのです。そんな犬にとってのあご乗せポーズは、とても楽になれる体勢なのです。そのままの状態で、後頭部から耳の後ろ、首周り、肩回りを優しくマッサージしてあげると、犬も気持ちよくなります。

愛犬がリラックスする姿はかわいらしいものですが、自分の体を“まくら代わり”にされていると考えると、ちょっと複雑?いえいえ、それも犬と暮らす醍醐味の一つなのですよ。

まとめ

以上、実はいろいろな意味が込められている「犬のあご乗せ」について説明しました。
犬は言葉を持たないですが、ちょっとした仕草や行動により、飼い主さんに自分の気持ちを伝えようとします。あごを乗せるといったシンプルな仕草ひとつとっても、さまざまな心理が現れているのがわかりますね。
あご乗せして眠っているときは、シャッターチャンスです。寝ている犬を起こしてしまわないように、そっとシャッターを切りましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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