間違いパターン①愛犬にとって「うれしいこと」と「嫌なこと」がまぜこぜになってしまう

犬とのコミュニケーションにおいて大切なのは、犬が喜ぶことと嫌がることをごちゃまぜにしないことです。ついついやりがちな5パターンを見てみましょう。

犬が喜ばないことをする際に「おいで」とコマンドする

「おいで」のコマンドを覚えさせておくと、いざというときにも呼び戻しができます。しかし、呼ばれて行った先で苦手なことをされたら……。

おいで=苦手なことをされる」という方程式ができてしまうと、犬はコマンドを聞かなくなってしまうのです。

名前を連呼する

ついつい意味もなく犬の名前を呼んでしまう飼い主さんは多いのではないでしょうか。また、叱るときに「〇〇!!」と犬の名前を呼ぶのも“あるある”ですよね。

しかし、これを度々やっていると、飼い主に名前を呼ばれることに、愛犬が恐怖や不快感を覚えるようになってしまいます。自分の名前が嫌いな言葉になってしまうのは、とても不幸なことですよね。

ハウスやゲージにいれて反省させる

犬がいたずらをしたとき、ハウスやゲージ内に閉じ込めるのは絶対にNGです。

本来、犬にとって、くつろぎの空間であるハウスやゲージをお仕置きの場にしてはいけません。愛犬のリラックススペースで不快な思いをさせてしまうと、その場所を嫌がるようになる恐れがあります。

常にご褒美を見せながらしつけをする

犬が好むフードやおやつを使ってしつけをするのは決して間違った方法ではありません。しかし、それが毎回になると、ご褒美がないと言うことを聞かなくなってしまいます。

吠えているときに叱ったりなだめたりする

無駄吠えは飼い主にとってもストレスが溜まるもの。「やめなさい!」と叱ったり、なだめようと優しく声をかけたりしていませんか。

この対応、実は逆効果なのです。吠えるたび反応を見せると、犬は飼い主の関心を引くために無駄吠えするようになるのです。

間違いパターン⓶主従関係にこだわって、信頼関係を築けなくなってしまう

「犬になめられてはいけない」「上下関係はきっちり」と、厳格なしつけを試みる方もいますよね。しかし、主従関係にこだわりすぎるのは、かえって犬との関係性に支障をきたす場合もあるのです。

叱るときに犬を上から見下ろし、上下関係を示す

愛犬に対して毅然とした態度で接するのは、悪いことではありません。しかし、必要以上に“威圧”するのはNG。そもそも、犬との主従関係は目線の高さだけで決まるものではないのです。

犬は家族を順位付けする

家族では、お母さんが最上位で、お父さんは最下位……なんてのはよく聞く話。

しかし、犬は「ごはんをくれる」「よく遊んでくれる」「甘えさせてくれる」「怖いからちょっぴり苦手」というように、人の様子を伺うことはあっても、家族に優劣をつけることはないと言われています。

人間の物にいたずらしてはいけないと、しっかりと教える

犬はとても賢い動物ですが、自分の物と人間の物とを区別することまではできません。「これはいい、これはダメ」と教えるしつけは無意味なのです。

犬にいたずらされて困るものは、手の届かない所にしまうのがベターです。

散歩では、犬に前を歩かせない

犬が飼い主を引っ張るかのように前を歩くことを、「よくないことだ」と考える人は少なくないようです。確かに、飼い主を無視してグイグイ引っ張って歩くのは問題ですが、決して「人間の前を歩く=自分の方が上だ」と思っているわけではありません。
お散歩のときは、犬と並行に歩くのがベストです。

犬をひっくりかえしておなかが見える姿勢を取らせる

犬がへそを天井に向けて寝るいわゆる“ヘソ天”ポーズは、飼い主に対する信頼や愛情の表れとも言われます。しかし、無理に体をひっくり返して仰向けにさせても、犬に服従心が身につくことはありません。

間違いパターン③罰を与えるしつけで、愛犬にストレスを与えてしまう

犬が言うことを聞いてくれないと、飼い主もついついヒートアップしてしまうもの。やりすぎなしつけは犬にストレスを与え、問題行動を助長してしまいかねません。

マズルを掴んで叱る

犬のマズル(口元)を掴み、雷を落とすのは絶対にNG。やられた犬は、強いショックで飼い主に恐怖心を覚えてしまいます。お手入れの際も、飼い主に口を触られるのを嫌がるようになることも。

また、やり方によっては犬が舌を噛むケガをしてしまうこともあり、とても危険な行為です。

リードを強く引いて制御する

お散歩のとき、必要以上にリードを引くことはやめましょう。また、リードを引くと首が締まるタイプの首輪を使うのもおすすめしません。

犬にとって楽しいものであるお散歩がストレスを感じる時間になってしまうのは、精神的にも肉体的にもよいことではありませんよね。

大声で一喝する

基本的にだらだら叱ることに意味はありませんが、大声で威圧するように叱ることにも意味はありません。大声を出してむやみに犬を怯えさせるのは、信頼関係を崩す要因になってしまうことも。

大きな音や嫌いな臭いで罰する

犬のしつけには、「天罰方式」と呼ばれるものがあります。これは犬がいけないことをしたときに、大きな音や嫌な臭いでショックを与える方法です。

上手く使えば効果があることは否めませんが、神経質な性格や臆病な性格の犬の場合、ショックを与えるしつけは向かないことがあります。

叩く

先ほどの大きな音などもそうですが、犬に恐怖を与えるしつけは、問題行動を悪化させる原因になることがあります。自分の身を守るために、攻撃的になる可能性も。

犬の問題行動には、必ず何かしらの理由があるのです。一番の解決方法は、問題行動の原因を探り、それを取り除いてあげることです。

犬種や愛犬の性格も考慮してしつけをしよう!

犬の性格やしつけのしやすさは千差万別。外見が似ていたり、犬種が同じであったりしても、必ず個体差があるものです。愛犬の個性を見極め、適切なしつけを行いましょう。

叱られるのが苦手な犬種がいるって本当?

人間の子どもと同じように、犬も性格的に叱られても懲りない子と、引きずる子がいます。

一般的にテリア系は楽観的な性格と言われ、叱られてもめげないケースが多いです。逆にチワワプードル系は、強く叱られるとストレスで体調不良を起こすことがあります。

同じ犬種であっても正確には個体差がありますので、自分の愛犬がどんな性格なのか、見極めた上で接する必要があるでしょう。

大型犬ほどしっかりしつけた方がいい?

「噛み癖」や「無駄吠え」といった問題行動は、大型犬の方が深刻になるケースが多いとされています。問題行動が思わぬ事故を引き起こす可能性を考えると、大型犬の場合は小型犬よりもしっかりしつける必要があると言えるでしょう。

また、牧羊犬といった「使役犬」に分類される大型犬は、人間の指示を聞いて行動をすることを好む傾向があります。訓練がストレスにならず、むしろ楽しんで取り組んでくれるので、しつけやすいと言えるでしょう。

愛犬のしつけは飼い主自身で行うのがベストですが、難しい場合はブリーダーやトレーナーからアドバイスを受けたり、訓練所といった専門施設を利用したりする方法もあります。上手くいかないときは一人で悩まず、プロの手を借りることも検討してみてください。

まとめ

ついついやりがちだけれど、実は間違っている15のしつけパターンについて解説しました。いずれにおいても、大声で叱ったり、叩いたりという厳しいしつけは、犬にとっても飼い主にとってもストレスになると言えます。
自分の愛犬の性格に合った方法で、繰り返し、粘り強くトレーニングを続けることで、ゆるぎない信頼関係を築きましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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