ウォータードッグとは

ポーチュギーズウォータードッグ

ウォータードッグってどんな犬?

水鳥猟に連れて行く猟犬や、漁のサポートをする作業犬など、水辺で働く犬を総じて「ウォータードッグ」と呼びます。
ウーリーな毛をまとった、泳ぎが得意な犬種です。水中の動きに適した発達をしている犬種が多いです。

ウォータードッグの仕事

  • 水鳥猟の手伝い
ハンターの合図で、鳥を脅かして飛び立たせる。ハンターが水辺で撃ち落とした獲物を泳いで回収する。
  • 漁業の手伝い
水に入り、魚の群れを網へと追い込む。魚が逃げた場合は自発的に海へ飛び込み、水に潜って取りに行く。

ウォータードッグは仕事が大好きで、人と一緒に作業をすることに喜びを感じます。
理解力が高く、学習能力に長けています。
水鳥猟、漁業、どちらの仕事も、特別で高度な技術が必要ですが、訓練次第でどんな難しい作業も遂行するといわれています。

ウォータードッグの特徴

スパニッシュウォータードッグ

泳ぎが得意って本当?

水辺で作業をする犬として作出されたウォータードッグは、水が大好きで泳ぐのが得意です。
泳ぐだけでなく、潜るのが得意な犬種も多く、パワフルでスタミナを備えています。

被毛は水を弾くコート?

ウォータードッグの全身は耐水性のあるたっぷりの被毛で覆われています。
自然な油の膜に覆われたウーリー(羊のような毛)、または、カーリー(巻き毛)な被毛です。
カーリーコートは、ボリュームありますが下毛のないシングルコートで、ウェーブがかった長い毛と短い巻き毛の2種類が生えています。

指の間が水かきのように発達している

指の間の膜は、指の先端まで達していて、やわらかく、まさに水かきのように発達しています。
また、真ん中の肉球は厚く丈夫にできていて、全体的に長い被毛に覆われています。

レトリバーやプードルのルーツ?

泳ぐゴールデンレトリバー
現在ではそれぞれ違うグループに登録されていますが、レトリバーもプードルも祖先はウォータードッグであったという説があり、その説を裏付けるように、どちらもウォータードッグとよく似た被毛や能力を受け継いでいます。

プードル

浜辺で遊ぶプードル
原産地を特定するのが難しいくらい、古くからヨーロッパ各地にいたようです。
ドイツから移入された水鳥猟が祖先犬といわれていますが、南米のウォータードッグとの混血説もあります。
どちらにしても実際に、水中作業に適した身体と能力を備えているのがプードルといえます。
ウォータードッグと同じ被毛(巻き毛と縄状毛の2種)に覆われていて、古くから被毛の一部を刈り取るという水中作業を行うためのユニークなカットが施されていました。

レトリバー

カーリーコーテッドレトリバー
レトリバーの歴史はほとんどわかっていませんが、レトリバーという名前は、地上または水中の獲物を回収する、という意味を持ちます。
ゴールデンレトリバーは下毛(アンダーコート)と上毛(オーバーコート)を持つダブルコート種なのですが、短く細い下毛は防水性を持っています。

カーリーコーテッドレトリバーという、プードルの血統を入れて、被毛のカール毛の巻き具合を強化した、くるくる巻き毛が特徴のレトリバーもいます。

ウォータードッグに分類される犬種

コーイケルホンディエ
祖先犬がウォータードッグとして活躍していたという犬たちも、世界各地に渡り、それぞれの土地で選択的交配が行われ、多様化してきたこともあり、定義の統一は難しくなっています。
「ウォータードッグ」をどのグループに分類するのかもケネルクラブによって異なるのです。

ここで、ウォータードッグとしての活躍が知られているいくつかの犬種をご紹介します。

バルビー/バーベット(フレンチウォータードッグ)

バルビー フレンチウォータードッグ
AKC(アメリカのケネルクラブ)のスポーツドッグ、FCI(国際畜犬連盟)のグループ8(レトリバー、フラッシングドッグ、ウォータードッグ)のセクション3「ウォータードッグ」に登録されている、正真正銘、元祖ウォータードッグです。

歴史ある古い犬ですが減少傾向にあり、2005年時点で世界中の頭数を合わせても確認できたのは600頭前後だったようです。
AKCではようやく2020年1月にひとつの犬種として登録されました。JKC(日本ケネルクラブ)ではまだ登録されていません。

ポーチュギーズウォータードッグ

ポーチュギーズウォータードッグ
オバマ大統領一家の愛犬としてメディアに登場し、有名になりました。
AKCではワーキンググループに属していて、FCIとJKCではグループ8のセクション3「ウォータードッグ」に登録されています。
並外れて賢く、忠実で、主人の命令に喜んで従う性格です。

アメリカンウォータースパニエル

アメリカンウォータースパニエル
AKCではスポーツグループ、FCIではグループのセクション3「ウォータードッグ」に登録されています。
獲物の水中回収と、地上での鳥猟のサポート、どちらも得意です。
愛好家たちに守られて絶滅せずにきましたが、現在もアメリカ以外の国では見ることのない希少種です。

スパニッシュウォータードッグ

スパニッシュウォータードッグ
FCIとJKCではグループ8のセクション3、AKCではハーディング(牧羊犬)クループに属しています。
アンダルシア地方に古くから多く生息する犬種で、アンダルシアでは牧羊犬として活躍してきたそうです。
あらゆる風土、気候の変化の激しい土地でも、適応することができるとされています。

ロマーニョウォータードッグ

ロマーニョウォータードッグ イタリアンウォータードッグ
AKCではスポーツグループ、FCIではグループ8のセクション3に登録されています。
もともと、ウォータードッグとして作出されてきましたが、次第に活躍の場を失い、絶滅の危機に陥ったことがある犬種です。
その後テリアやプードルなどを交配させて改良を行い、トリュフ狩りにつかわれるようになりました。

コーイケルホンディエ

コーイケルホンディエ
AKCではスポーツグループ、FCIとJKCではグループ8のセクション2「フラッシング(鳥猟犬)」として登録されています。
カモなどの池の水鳥を水路に追い込み、水鳥猟をサポートする犬としてオランダで生まれた犬種です。
祖先犬はウォータードッグだったといわれているプードルは、現在、FCIとJKCではグループ9(愛玩犬)に属し、AKCではノン・スポーツのグループに登録されています。

まとめ

スパニッシュウォータードッグ
歴史は古いけれど職を失い、生き残るのが難しかったウォータードッグたち。
反対に、備えていた能力をさらにのばし、牧羊犬や警察犬などの使役犬として活躍している犬種に、美しい姿からショードッグの道を歩み、愛玩犬として人のそばで生きることになった犬たち。
それぞれが「ウォータードッグ」というカテゴリーを超え、さまざまなかたちで、世界各地で愛されているようです。
 執筆者プロフィール
No dog No life

特に牧羊犬が大好きです。
一番の関心事は「シニアわんことの暮らし」。
「人と動物の共生」「ワンヘルス」にも関心があり勉強中です。

動物愛護フェスティバル実行委員。
某県の災害時動物救護ボランティアチームに所属。
某県の動物愛護センターの登録ボランティア(おうちに帰れなかった犬たちの保護と譲渡のお手伝い)もしています。

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