世界一背の高い犬・アイリッシュウルフハウンドの特徴

アイリッシュウルフハウンドはその名の通り、アイルランドが原産の犬種です。オオカミ狩りで優秀な働きをしたため、この犬種名がつきました。

スタンダードによると全犬種で最も体高があり、オスは81~86cm、メスは71~83cmにものぼり、1mを超えることも珍しくありません。体重はオス54kg以上、メス41kg以上が理想とされ、平均的はオスで60kg前後、メスは50kg前後。生後6カ月のころには40kgを超えると言われています。犬種を知らない人が見ると、ロバやポニーと間違うことすらあるようです。

すらりとした体に長い脚や首など、アイリッシュウルフハウンドにはサイトハウンドの特徴がよく表れています。ゆったり歩く姿は優雅で力強く、しかしひとたび走り出せば非常に俊敏。動体視力や耐久力も優れています。ほかにもオオカミ狩りに使われた犬種はいますが、1頭でオオカミに対峙できるのは、速さ・力強さ・勇敢さを兼ねそろえたアイリッシュウルフハウンドただ一犬種だと言われています。

もじゃもじゃの毛並みはごわごわとしていて、目のまわりやあごには針金のように硬い毛が生えています。粗い毛並みは寒さや湿気から体を守るとともに、ケガを負いにくいという利点もありました。毛色はグレーやレッド、フォーン、ブリンドルが多く、ほかにピュアホワイトやブラックなど、広いバリエーションがあります。

JKCが出した犬種別犬籍登録頭数によると、日本国内で2016年の1年間に生まれたアイリッシュウルフハウンドはわずか28頭。かなり希少な犬種です。

紀元前までさかのぼるアイリッシュウルフハウンドの歴史

アイリッシュウルフハウンドは紀元前14~15世紀にギリシャからアイルランドに渡ってきたのではないかと言われていますが、定かではありません。
アイリッシュウルフハウンドの最初の記録は、紀元391年のローマ。当時のローマ執政官であるアウレリウスが7頭のアイリッシュウルフハウンドを手に入れ、それを「すべてのローマ人が驚きを持って見た」という文が残っています。ローマでは闘犬として活躍し、犬と思えないほどの大きさや、ライオンやトラとも互角に戦う勇ましさで人々を魅了しました。

猟犬として名を馳せるも、絶滅の危機

アイルランドでのアイリッシュウルフハウンドはさらに大型化され、現地の言葉で勇敢な猟犬を意味する「ク・フォアイル」と呼ばれていました。獰猛なオオカミや、ときには体重800kgにもなるヘラジカをしとめる猟犬として尊ばれ、民話や伝説にも数多くのアイリッシュウルフハウンドの姿が残されています。
しかし、アイリッシュウルフハウンドはアイルランドのオオカミの数が減るにつれ、活躍の場を失くし、次第に数を減らします。アイリッシュウルフハウンドはヨーロッパ諸国やペルシャ、インドなどの王侯貴族にも好まれていたために流出が進み、1652年にはクロムウェルがウルフハウンドの輸出を禁止するほどでした。さらに1845年にアイルランドを襲った大飢饉が追い打ちをかけ、アイリッシュウルフハウンドは絶滅寸前まで追い詰められてしまいます。

「最も背の高い犬」の原型が完成

1869年、スコットランド出身の陸軍大尉・グラハムら愛好家が、アイリッシュウルフハウンドの復活を目指す活動をスタートしました。数少ない純血種を保護し、性質の似たボルゾイグレートデン、スコティッシュディアハウンドなどを交配し、個体数を増やします。1870年代にドッグショーに出陳された際は、アイリッシュウルフハウンドの風格ある姿が大評判になりました。

このときの犬を基準にスタンダードが設定され、1885年にアイリッシュウルフハウンドクラブが設立。1925年にはイギリスのケネルクラブで犬種として認定されました。

アイリッシュウルフハウンドはまさに「気は優しくて力持ち」

優秀な闘犬や猟犬だったという歴史に似合わず、アイリッシュウルフハウンドはおっとりと穏やかで、愛情深い性格です。巨体の成犬でも子犬のように甘えん坊で、そのギャップがかわいいですね。
むやみに攻撃することなく、あまり吠えることもなく、フレンドリーすぎて番犬には向かないほど。寛容で忍耐強く、子どものいる家庭でも安心して飼うことができ、犬はもちろん、ほかの動物とも仲よくなれます。

単独で狩りをする猟犬は賢く状況判断能力に優れるものの、飼い主に従いづらいことがありますが、アイリッシュウルフハウンドは別。従順で忍耐力があり、しつけもしやすいでしょう。ただし、アイリッシュウルフハウンドには繊細な面があり、叱られると傷ついて場合によっては体調不良を起こすことも。しつけの際は頭ごなしに叱らず、語って聞かせるように訓練しましょう。

アイリッシュウルフハウンドを飼うときのポイント

超大型犬のため、アイリッシュウルフハウンドの運動量は多めです。毎日激しい運動が必要なわけではありませんが、1回1時間くらいの散歩を毎日2回行いましょう。ものを追いかける本能が強いので、ときどきルアーコーシングなどのドッグスポーツをさせるとより満足してくれます。
しっかりしつけできるまでは、車道への飛び出しやほかの犬などと会ったときに興奮して飛びかからないように注意してください。アイリッシュウルフハウンドに悪気はなくとも、体が大きく力が強いので、一歩間違うと大事故につながる可能性があります。

アイリッシュウルフハウンドの成長はゆっくりで、2歳程度まで大きくなり続けます。成長期は関節などに負担をかけないよう、アスファルトなどではなく、できるだけ柔らかい地面で運動させましょう。また、大きな体を支えるために、皮膚にタコなどもできがちです。ひび割れて出血したりすることもあるので、アイリッシュウルフハウンドの居場所には柔らかいクッションなどを用意してください。

アイリッシュウルフハウンドは年中毛が生え変わります。あまり多くはないものの、週1回程度はブラッシングしましょう。ショードッグの場合はストリッピングして毛を抜きますが、家庭犬の場合はたまにシャンプー・ブラッシングしていれば十分に美しい毛が保てますよ。必要に応じて目のまわりや足の裏の毛はカットしますが、基本的にトリミングの必要はありません。

まとめ

かつてはオオカミを狩る猟犬として名を馳せていた、アイリッシュウルフハウンド。最大の特徴は何といっても全犬種中最高の大きな体でしょう。外見に似合わず性格には愛嬌があり、穏やかな甘えん坊というところも外せないですね。
住宅事情などから日本の都市部で飼うのは難しいかもしれませんが、大型犬好きなら一度は暮らしてみたい魅力ある犬種です。

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執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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