【賢く飼いやすい】ジャーマンピンシャーの特徴と飼い方

体高：45～50cm
体重：14～20kg
サイズ：中型犬
被毛：短毛
カラー：ブラック＆タン、ブラウン（鹿色・赤っぽい茶色・濃い赤色）など
原産国：ドイツ

ジャーマンピンシャーは、筋肉質で引き締まった美しいシルエットの体の持ち主。とても俊敏で、高い運動能力を持ちます。耳は本来垂れてＶ字型になっていますが、断耳されてまっすぐ立っている個体もいます。

ドイツでは1879年という極めて早い時期に犬種として認定されています。ドーベルマンを小型化したと思われがちですが、実は逆。ドーベルマンの基礎になったのがジャーマンピンシャーなんです。

ジャーマンピンシャーの祖先とスタンダードシュナウザーの祖先は、同じ母犬から生まれた兄弟。毛質の違いから別々に育種され、剛毛で中長毛のほうの犬はスタンダートシュナウザー、短毛のほうの犬はジャーマンピンシャーとそれぞれ呼ばれるようになりました。

ジャーマンピンシャーは、第一次・第二次世界大戦時に絶滅の危機に瀕します。そこで愛好家たちは西ドイツのミニチュアピンシャーから大きな個体4頭を探し出し、東ドイツから密輸したジャーマンピンシャー1頭と交配させて繁殖を再開しました。

現存するジャーマンピンシャーの血統をさかのぼると、すべてこの5頭のいずれかにたどりつきます。

ジャーマンピンシャーの性格は陽気で活発です。家族に対して愛情深く、辛抱強さもあるので子供のよき遊び相手にもなってくれるでしょう。

一方では、優秀な番犬としても重宝されたとおり、見知らぬ者には用心深い一面があります。

ジャーマンピンシャーは賢く忠誠心が強いので、しつけや訓練は苦労しないでしょう。子犬のときにしっかり主従関係を教え、できたときはしっかり褒めてあげてくださいね。

「ピンシャー」はドイツ語で“噛みつく”を意味します。その通り、番犬として重宝された歴史もあるジャーマンピンシャー。警戒心が強い部分があり、来客時に吠えがちです。人に対して過剰に警戒心を抱かないように、子犬のときにたくさんの人と交流させると良いですね。

ジャーマンピンシャーは短毛なので被毛の手入れは比較的簡単。週1回程度ブラッシングと、月1回程度のシャンプーで十分です。

また、ジャーマンピンシャーは、とても寒さに弱い犬種です。暖かい室内で飼いましょう。冬に散歩をする際は、服を着せてあげるなど防寒対策をしてあげてください。

ジャーマンピンシャーの美しいシルエットと筋肉を維持するためにも、運動は毎日しっかり行う必要があります。毎日2回、それぞれ1時間以上の散歩を心がけてください。ドッグランなどで思いっきり走らせてあげると喜ぶでしょう。一緒にジョギングをしたり、自転車で散歩をさせたりするのも良いですね。

ジャーマンピンシャーは頭部が狭く、運動の途中で首輪が抜けてしまうこともあります。好奇心旺盛で力も強いので、散歩中は油断せずリードをしっかり持ちましょう。

ジャーマンピンシャーは戦後70年の短い間にわずか５頭の犬から繁殖・育種された経緯から、近親交配による遺伝疾患を念頭に置く必要があります。

比較的起こりやすいとされている疾患は、遺伝性白内障、進行性網膜萎縮、股関節形成不全、血液疾患であるフォン・ヴィレブランド病、拡張型心筋症などの心臓病、免疫不全を原因と推定するアトピー性皮膚炎や発熱、関節炎などがあげられます。

ジャーマンピンシャーは、筋肉質で流線型の美しい体を持った陽気で活発な犬種です。愛情深い性格で賢くしつけやすい、被毛の手入れが楽という飼いやすい犬ですが、必要な運動量は多め。飼う際には、飼い主さんの体力や毎日の運動のために確保できる時間を考慮するようにしましょう。