犬が脱走する理由

まずは犬が脱走をしてしまう理由を詳しく見ていきましょう。

外の世界に興味を示して

自分が知らない外の世界に魅かれ、脱走してしまうパターンです。
家の窓から見える風景や感じる匂い、聞こえてくるさまざまな音。好奇心旺盛な犬にとって、外の世界はとても魅力的に映るのです。

運動不足によるストレスで

一日のほとんどを狭いケージの中で過ごしたり、散歩の量が不十分だったりすることで、運動不足に陥っているケースです。
ストレスを抱えた結果、もっと広い場所で伸び伸びと走り回りたい、運動したいといった衝動に突き動かされ、外へ出ていってしまいます。

遊び感覚で

一人遊びや飼い主と遊ぶ感覚で脱走してしまうケースです。飼い主が慌てて追いかけてくる様子を面白がり、わざと追いかけっこのような形に持っていこうとする犬も。
お散歩のときと違いノーリードで自由に走り回れることも、犬にとっては楽しいようです。
このようなパターンは癖になると、何度も脱走を繰り返すようになってしまいます。

大きな音によるパニックで

雷の音や工事の音、地震による地鳴りなどの大きな物音がしたとき、身の危険を感じた犬が逃げ場を求めて外に飛び出してしまうパターンです。特に臆病な性格の犬に多く見られます。

犬の本能によるもの(発情)

去勢をしていないオス犬が、ヒート中のメス犬のフェロモンにつられて追いかけていってしまうケースです。
未去勢のオス犬にとって、発情期のメス犬が発する匂いは抑え難く、飼い主でもコントロール不能になってしまう場合もあります。

以上が犬の脱走の主な理由でした。「自分の愛犬にも当てはまるかも……」と、心当たりがある飼い主さんもいるかもしれませんね。

犬が脱走したら最初にすべきこと

犬が脱走してしまったことに気付いたら、脱走した方角や、心当たりの場所を探します。いつもの散歩コースや公園、お友達の犬の家など犬が行ったことのある場所を探しましょう。
しかしどこへ脱走したのか分からない場合や犬を見失ってしまった、散歩コースなどにもいなかったというときは、下記のような方法をとりましょう。

市役所や区役所、保健所、動物愛護センターに連絡する

脱走した犬が迷い犬・野良犬として通報されたとき、保健所などの機関に保護されている場合があります。
自分の犬が保護されたときに連絡をもらえるよう、脱走の詳細を伝えておくといいでしょう。探している間は、2~3日おきにこまめに連絡を入れるのが効果的です。
中型犬以上は1日に5km以上移動することもあるため、隣の市町村にも連絡をしておくことをおすすめします。

警察に通報する

保健所や愛護センター同様、警察によって保護される場合があります。
脱走した犬の情報を警察に連絡し、見つかり次第連絡をもらえるように伝えておきます。最寄りや犬が脱走した方面の交番には、迷子犬のチラシを持参しましょう。

動物病院に連絡する

ケガや事故に遭っているところを誰かに保護され、動物病院で診察を受けている可能性もあります。かかりつけ医のほか、近隣各地の病院に連絡を入れましょう。

脱走した犬の探し方・捕まえ方

脱走した犬が見つからないときに有効な探し方、また、犬を見つけたときの捕まえ方も押さえておきましょう。

脱走犬の探し方

「迷い犬」のチラシ作りと近隣への配布
古典的なようで、いまだによく用いられる効果的な方法です。チラシは手書き、PC作成のどちらでも大丈夫ですが、以下のような項目を押さえて簡潔で分かりやすいものを作成しましょう。

・「迷い犬を探しています」、「犬が脱走しました」など、脱走した犬の情報を求めていることが一目で分かるタイトル、見出しを付ける
・脱走当時の様子と似た写真もしくはイラスト
・犬種、性別、年齢、サイズ、毛色、身に付けている首輪や服などの外見的特徴
・名前や普段の呼び名
・脱走した場所
・犬を見つけた際の連絡先…氏名(いたずら防止の意味で偽名も可)電話番号とメールアドレス

チラシを電柱に貼ることはNGですが、スーパーやコンビニ、公園や道端の掲示板など、多くの人が立ち寄る場所にお願いすれば、貼ってもらえる場合があります。
最寄りの動物病院やドッグカフェ、トリミングサロンなど、ドッグオーナーさんが集まる場所にも交渉してみましょう。

ネットで情報収集、発信
Facebookやtwitter、インスタグラムなどのSNSや、個人ブログに犬の情報を掲載し、情報提供を呼びかける方法です。迷子犬を保護している人の投稿がないか、情報収集としても有効です。
情報提供者から、SNSやブログのコメント欄やメッセージボックスに直接連絡をもらえるようにするといいでしょう。
SNSは気軽に拡散してもらいやすいので、積極的に使ってみる価値があります。

脱走犬の捕まえ方

見つけた犬がパニック状態や興奮状態のとき、焦って追いかけたり、大声で叱ったりするのは逆効果です。
「待て」や「お座り」、「伏せ」などのしつけができている犬なら、命令を出すことで落ち着かせることができます。犬が命令を上手く実行できたら、褒めながら誘導しましょう。

名前を呼んだり、ごはんやおやつを見せるのも有効です。また、お気に入りのおもちゃを投げて持ってこさせるのもある程度、効果があるようです。

しかし、パニック状態で飼い主からも逃げてしまう場合は、ほかの犬を使って気をそらす方法もあります。友好的な性格の犬(他の犬を見ても吠えたり、威嚇したりしない)か、脱走犬と顔なじみの犬に協力してもらい、スキを突いて捕まえます。

脱走犬が興奮してどうにも手が付けられないときは、アニマルレスキューや専門の捕獲業者への依頼も視野に入れる必要があるでしょう。

犬の脱走を未然に防ぐ対策

犬の脱走防止のために、飼い主として日頃からやっておくべき対策があります。以下のようなポイントを押さえておくと、いざというときでも安心です。

飼育環境の改善

・脱走経路を塞ぎ、戸締りを徹底する
・庭にフェンスを設置する
・首輪やハーネスのサイズは合っているか、犬がすり抜けてしまわないよう調整する

日常の飼育方法やコミュニケーションの見直し

・運動不足にならないよう、散歩の量を見直す
・ストレスを溜めないよう、留守番の時間を見直す
・おもちゃを使って遊ぶ時間や飼い主とのコミュニケーション、スキンシップの回数を増やす

しつけの見直し

・「待て」や「ストップ」で動きを止めるコマンドや「おいで」、「戻れ」で呼び戻すコマンドを覚えさせる
・ドッグランや囲いのある野外スペースなどを活用し、犬を呼び戻す訓練をしておく

個体識別ができるものを身に付けさせる

・首輪に付ける迷子札、鑑札
・体内に埋め込むマイクロチップ

一番有効な対策は、そもそもはじめから愛犬を脱走させないこと。飼育環境やしつけを見直し、脱走を未然に防ぎましょう。

まとめ

犬が脱走する理由や、脱走したときにすべきことを解説しました。
脱走は飼い主の不注意や、日頃の管理不足によるものも多く、未然に防げるケースがほとんどです。
「脱走して帰ってこなかったらどうしよう?」といった無用な心配をしないためにも、脱走対策は念入りに行いましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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