フレンチブルドッグのおおらかな性格と積極的な一面を生かして、上手な飼い方を

イギリス原産のブルドッグの血を引くフレンチブルドッグ。「フレブル」の愛称でも親しまれ、物怖じしない勇敢で積極的な性格を持っています。溌剌としているイメージは、この積極性からきているのではないでしょうか？

フレンチブルドッグは、強い闘争心と高い防衛心を持っていたブルドッグを祖先に持ちます。当時のブルドッグは、牛を追い回す獰猛さを持っていました。闘犬や番犬として重宝されていたのも、攻撃性の高い性格を生かしてのことから。

やがてブルドッグは、愛玩犬への育成を目的として、攻撃性を弱めるブリーディングを重ねられるようになります。その結果、頑固さはちらほらと見せるものの、元来持っていた獰猛さは影を潜めるようになりました。

現在では、どこかのんびりとした愛情豊かな家庭犬として、ブルドッグは愛されています。

やはり、個体によっては、その影響からか攻撃的な面をのぞかせたり、用心深い面を見せたりもするようです。

しかし、交配を重ねるごとにブルドッグが闘争心を弱められていったのと同じくして、フレンチブルドッグも、ブル系の特徴ともいえる過剰な闘争心や防衛心を弱められ、愛玩動物として多くの方々に親しまれています。

日本国内で純血種の育成・管理などを行う、JKC（ジャパンケネルクラブ）が毎年発表している「犬種別犬籍登録頭数」（※）では、2016年1月～12月のデータにおいて、10位（8,189頭）にランクインするなど、親しまれている犬種のひとつです。

環境に慣れさせるしつけを行いながら、社会性を身に付けることでフレンチブルドッグの積極的で活発な面を引き出し、多くの方々がフレンチブルドッグを飼育しています。

フレンチブルドッグは、少し気まぐれにも思える自由な振る舞いも見せるように、旺盛な好奇心も持ちます。自由で遊び好きな面は、こういった性格からきているのです。

活発で遊び好きなフレンチブルドッグ。鋭敏さも持ち合わせるなど身体能力も高く、散歩や運動を好みますが、長時間動き続ける必要はありません。

フレンチブルドッグは「短頭種」の一種で、鼻が低く気道が短い体の構造をしています。フレブルのほかにも、パグやシーズーなどが短頭種です。短頭種は体内の温度調節に難があり、体温の上昇に弱い面があります。特に、高温多湿な夏場の熱中症に注意が必要です。

とはいえ、運動や散歩は体の成長や社会化に大きな役割を持ち、ストレス発散にも有用です。短時間で区切って、ほどほどに遊ばせるとよいでしょう。

フレンチブルドッグに抱くイメージのひとつとして、「陽気で天真爛漫」な面を想像しませんか？ どこかおどけたような外貌が愛想のよさを感じさせ、好奇心旺盛で積極的な性格を持ち合わせているので、とても「社交的」な犬種です。飼い主はもちろん、ほかの人や犬とも積極的にコミュニケーションを図ろうとします。

コミュニケーションをとる機会が最も多い飼い主さんやご家族と、日々寄り添い愛情深く接することで、フレンチブルドッグは満足感を得られるかもしれませんね。

フレンチブルドッグのおどけたようなユニークな表情は、シワくちゃの顔から。一方では、ピンと皮膚が張っている部分があり、あまり顔の表情が変わりません。

人にとっては、その表情こそがユニークさを感じる部分でも、ほかの犬にとっては、相手の意図が読みづらい一面があります。愛犬のフレンチブルドッグが、ほかの犬に一方的なアプローチをとり続けないよう、適切な距離感を知るためのしつけを行うことが大切です。

ブルドッグの血を引く、フレンチブルドッグ。ブリーディングを重ね、現在では愛玩動物として人気のある犬種の一つです。ほほえましいユニークな表情と積極的な性格から、快活なイメージを持たせてくれます。フレンチブルドッグのコミカルな表情とおおらかな一面は、きっとみなさんの心を元気づけてくれるのではないでしょうか？

【参考資料】
※一般社団法人ジャパンケネルクラブ「犬種別犬籍登録頭数（2016年1～12月）」より
http://www.jkc.or.jp/modules/publicdata/index.php?content_id=19