鼻ぺちゃ犬とは?

犬の頭部の形状は、頭蓋骨とマズルの長さのバランスで3種類に分かれます。頭蓋骨とマズルがほぼ同じの「中頭種(ちゅうとうしゅ)」、マズルの方が長い「長頭種(ちょうとうしゅ)」、そして“鼻ぺちゃ”とも呼ばれる、頭蓋骨よりもマズルが短い「短頭種(たんとうしゅ)」です。

短頭種ならではの身体的特徴によって生み出される、独特の容姿が“ブサカワ”として大人気の鼻ぺちゃ犬。
その特徴とは、まずは先ほども説明したとおり、マズル(鼻)の短さです。そしてクリクリとした大きな目が飛び出しているの大きな特徴です。眼球が突出しているため、目の乾燥やケガには注意しましょう。

また、上下の歯が噛み合わないアンダーショットも短頭種に多い特徴。これは上あごの骨が下あごに対して小さくなることで起こる状態で、いわゆる「しゃくれ」や「受け口」のことです。鼻ぺちゃ犬の個性の一つですが、かみ合わせが悪いために歯周病や虫歯にかかりやすいと心得ておきましょう。

人気の鼻ぺちゃ犬①パグ

鼻ぺちゃ犬のなかでも家庭犬として大人気なのが、小型犬のパグ。真ん丸の顔にくるんと巻いたしっぽ、ボタン耳やローズ耳と呼ばれる垂れ耳がチャームポイントです。

古くはチベットの僧院や中国王室で寵愛されていたとされており、貿易の発達とともにヨーロッパに渡ると、オランダやイギリス、ロシアの皇族たちからも熱い支持を受けるようになりました。

性格は明るく陽気。とても友好的な性格で、警戒心が少なく誰とでもフレンドリーに接します。穏やかで甘えん坊な性格はまさに家族のアイドルとしてうってつけといえますが、ときに頑固な一面が顔をのぞかせることも。

やりたい放題を許すことで、わがままな犬になってしまうケースもあります。パグのマイペースな気質も理解しつつ、接する必要があるでしょう。

人気の鼻ぺちゃ犬②フレンチブルドッグ

大きな頭に羽をひろげたこうもりのような耳。がっしりとした体形にユーモラスな表情が愛らしい中型犬のフレンチブルドッグ。起源には諸説あり、イギリス生まれのイングリッシュブルドッグをフランスで繁殖した犬という説や、フランスやスペインの闘犬をルーツであるという説が有力とされています。

いかつい体型と独特の風貌から「コワモテ」と思われがちなフレンチブルドッグですが、性格はとても穏やか。家族に対しては深い愛情をもって接します。また優しく落ち着いた性格で、子どもとも仲良くできる犬種です。

中型犬の部類に入りますが、運動量もさほど多くなく無駄吠えも少ないため、室内飼いにも適しています。

人気の鼻ぺちゃ犬③ペキニーズ

長毛種の鼻ぺちゃ犬の代表格であるペキニーズ。クリクリとした目とずんぐりむっくりな体型が愛らしい小型犬ですが、立ち姿は小さな獅子のように勇ましいです。ボリュームのある長毛を持ち、毛色のバリエーションも豊富です。
祖先は紀元前にも遡るとされており、古くは中国の皇帝へ献上される高貴な犬として大切にされていた歴史を持ちます。

ぬいぐるみのように愛らしい外見のペキニーズですが、意外にも自立心に富んだ性格をしています。愛玩犬としては珍しく、飼い主さんにべったり甘えるような子は少ない傾向です。また気まぐれな様子は「まるで猫のようだ」と称されることも。

見た目とは裏腹の勝気で勇敢な性格もペキニーズの魅力の一つと言えるでしょう。

人気の鼻ぺちゃ犬④シーズー

日本でも家庭犬としてポピュラーな存在であるシーズー。まるでシルクのように滑らかな美しい長毛が特徴の小型犬です。白い毛色以外にも、さまざまな毛色のバリエーションが認められています。

シーズーは中国原産のペキニーズを交配させることで誕生した犬種です。王族の守り神として、王族や貴族の間で飼われてきました。

この犬種の性格は、元気で活発なところと、大らかで優しいところの二面性があるとされています。基本的には人に対しても犬に対してもフレンドリーな性格で、子どもの遊び相手としてのうってつけです。

その一方、ペキニーズ譲りの性格か、ちょっぴり頑固でプライドが高い一面もあります。わがまま犬にしないためにも、甘やかしすぎには注意しましょう。

人気の鼻ぺちゃ犬⑤ボストンテリア

アメリカ生まれのボストンテリア。タキシードを着ているようなブラック&ホワイトカラーが特徴的です。フレンチブルドッグとよく似ているとされますが、ボストンテリアは頭部が小さくスリムな体格をしています。

ボストンテリアが生まれたのは、1865年ごろ。イングリッシュテリアとブルドッグを掛け合わせて生み出されました。もともとは闘犬用でしたが、アメリカ国内で闘犬が禁止されると、ブリーダーたちの手により愛玩犬としての小型化が進められ、現在の姿となりました。

鼻ぺちゃ犬のなかでも活発な性格で、体を動かすことも大好きです。闘犬をルーツとしていますが飼い主に対する愛情は深く、優しい犬です。その一方で、見知らぬ人や犬にはクールな態度をとることもあります。

鼻ぺちゃ犬を飼うときの注意点

日本でも家庭犬として親しまれている鼻ぺちゃ犬。一緒に暮らす上ではどんなことに注意するとよいのでしょうか。

室内環境に注意

短頭種に分類される鼻ぺちゃ犬は、先天的に呼吸がしにくく、体温調整を苦手としています。よって夏の暑さに弱く、熱中症には十分注意が必要です。

また、鼻ぺちゃ犬は体の構造上、気温や気圧の変化に対応しづらいこともあり、飛行機への搭乗を断られるケースがあります。とくに夏場の短頭種のお預かりは中止としている航空会社が多いため、暑い時期は飛行機を使った遠出の計画は難しいかもしれません。

食事の際、食べこぼしたり、顔周りを汚したりしやすい

マズルが極端に短い鼻ぺちゃ犬。平らな食器でご飯を食べるのは苦手です。
専用のグッズとして、短頭種向けの食器などが販売されているので、食べこぼしや顔周りの汚れが気になるときは一度試してみるのもよいでしょう。
みんなのペット健康専門店 フードボウル(フレンチブルドッグ用)

フレンチブルドッグ用のフードボウル。鼻ぺちゃ犬が食べやすいように角度や深さが工夫されています。フレンチブルドッグ型の滑り止めマットもとってもキュート。

顔のしわに汚れがたまりやすい

鼻ぺちゃ犬は、目や口、鼻の周りがたるみやすく、しわが寄りやすいです。このしわの間には皮脂や食べこぼしの汚れが溜まりやすく、放置するとニオイや皮膚炎の原因になってしまいます。

柔らかい布や専用のクリーナーでのケアを日々のお手入れに取り入れましょう。

短頭種気道症候群などの病気に注意する

マズルが短い犬は、体の構造的に呼吸がしにくくなっています。鼻孔が狭い「外鼻孔狭窄」、口内の天井(軟口蓋)が長いためにおこる「軟口蓋過長」、さらに「気管虚脱」、「気管低形成」といった気管にかかわる先天的な疾患は、「短頭種気道症候群」と総称されています。

夏の暑さや過度の興奮によりハアハアとした呼吸(パンティング)が続くと、呼吸困難や失神状態に陥ってしまうことも。過度に興奮させないように気を付け、室温もしっかりコントロールしましょう。

まとめ

人気の鼻ぺちゃ犬の特徴や犬種についてご紹介しました。一緒に暮らすためには、短頭種ならではのリスクも十分理解しておく必要があるでしょう。
優しく穏やかでユーモラスな鼻ぺちゃ犬との暮らしはとても素晴らしいもの。ぜひ、自分にぴったりの鼻ぺちゃ犬を探してみてくださいね。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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