犬に伏せを覚えさせる意味・必要性

そもそも、なぜ伏せを覚えさせる必要があるのでしょうか? 重要な理由の一つは、犬の動きを止めてその場にいさせることです。

例えばお座りを使うと、動き回る犬をそのままにせずに、お尻を地面に付けさせることで、その場にいさせられます。お座りではお尻を地面に付けさせますが、伏せではお尻だけでなくお腹も地面につけるので、より落ち着いた姿勢をとらせることができます。
お座りより伏せのほうが、動くまでに動作が必要なため、より突発的な動きを抑制することができるのです。

さらに、「待て」をさせる場合も、お座りよりも伏せのほうがリラックスできるため、犬にとってもメリットが大きい姿勢でもあります。

そもそも、なぜ伏せを覚えさせる必要があるのでしょうか? 重要な理由の一つは、犬の動きを止めてその場にいさせることです。
例えばお座りを使うと、動き回る犬をそのままにせずに、お尻を地面に付けさせることで、その場にいさせられます。お座りではお尻を地面に付けさせますが、伏せではお尻だけでなくお腹も地面につけるので、より落ち着いた姿勢をとらせることができます。お座りより伏せの方が、動くまでに動作が必要なため、より突発的な動きを抑制することができるのです。
さらに、「待て」をさせる場合、お座りよりも伏せのほうがリラックスできるので、犬にとってもメリットが大きい姿勢でもあります。

ちなみに、こんなときは伏せが便利です。

・愛犬とカフェでまったり過ごすとき
・愛犬に飛びつき癖があるとき
・少し長い待てをさせるとき

それでは、伏せを教え始める時期は、いつがいいでしょうか? 答えは「いつからでもOK」。
子犬でも、成犬からでもできるようになります。まだ伏せができない犬は、さっそく今日から練習しましょう。

犬に伏せを覚えさせる方法・手順

まずは室内で事前準備をしましょう。

1.練習場所となる室内を片付ます。学校の教室と同じで、周囲に気になるものがあると練習の邪魔。床に転がっているおもちゃなど、整理しましょう。
2.犬の爪の大きさくらいに小さくちぎったおやつかドッグフード30粒以上。

次に、伏せを2ステップで教えていきましょう。

ステップ1 伏せの「手の合図(右手を地面に向かって真下に下げる指示)」を教えよう。

1.左手の中に10粒のおやつをにぎる。
2.犬の正面に座り、犬にお座りをさせる。
3.左手の中から1粒のおやつを右手にとる。
4.右手を犬の鼻先に近づける。
5.右手のおやつをなめさせながら、犬の鼻先から地面に向かって真下に動かす。犬のお尻が上がらないように、上半身だけが床に近づくように、3秒以上かけてスローモーションのようにゆっくり手を動かすのがポイント。この手を下に下げる動きが、今後の伏せの「手の合図」になります。
6.犬が床にお腹をつけたら、「いいこ」と言って、すばやく右手のおやつをあげる。跳びついたり、前足で右手を引っかいたりしてきても、動かずに待つのがポイント。伏せをしたときだけ、反応してあげることで、伏せをすればいいことがわかります。

7.左手のおやつがなくなるまで、3~6の手順を繰り返す。
※ステップ1を3セット以上練習しましょう。
※ステップ1が10回連続でできるようになったら、次のステップへ。

ステップ2 「伏せ」の声の合図を教えよう。

1.犬の正面に座り、「伏せ」と言ってから0.5秒後に伏せの「手の合図」を出す。
2.犬が伏せたら「いいこ」と言っておやつをあげる。
3.1~2を3回繰り返し、4回目で「伏せ」とだけ言って少し待つ。伏せの「手の合図」を出さない。何度も「伏せ」と言うと犬が混乱します。1回だけはっきりと「伏せ」と言いましょう。
4.犬が伏せたら「いいこ」と言っておやつをあげる。
5.1~4を繰り返す。

犬に伏せを覚えさせるコツ・注意点

よく聞かれるコツと注意点をお伝えします。

Q:指示語は「英語(down)」「日本語(伏せ)」どちらがいいのか?

A:どちらでもOK。犬は何語なのかはわかりません。大切なのは家族で統一した言葉であること。「ふせして」「ふ~~~せっ」など、ばらばらはNG。「ポチちゃん、おりこうだから伏せしてね」などの文章もNG。単語だけで「伏せ」とはっきり言いましょう。

Q:なかなか伏せの姿勢になりません。

A:いきなり伏せにまでならない場合は、上半身が少しかがんだだけでもおやつをあげましょう。だんだん姿勢が低くなります。

Q:それでもやっぱり、低い姿勢になりません。

A:人が体育座りをして、その足の下をくぐらせるようにおやつを持った手で誘導してみましょう。足の高さをだんだん低くして、犬がかがまないと前進できないようにする中で、伏せの姿勢になっていきます。

Q:失敗したときはどうすればいいの?

A:伏せをさせたくても、例えば床がとても冷たかったとしたら、おなかを付けるのをためらうことだってありますよね。周りの環境がしつけの成功を左右する場合もあります。カーペットの上でトレーニングを行うなど、ワンちゃんがやりたくなるようなセッティングをして練習してみましょう。

Q:特定の誰かとはできても、他の人がやるとできません。

A:いつも一緒に練習している人のいう事はわかっても、練習をあまりしていない人とはコミュニケーションが難しいものです。いきなりは無理でも、コツコツ練習すればいろいろな人ともできるようになります。

Q:声の合図をなかなか覚えてくれません。

A:犬は言語コミュニケーションの動物ではないので、言葉の聞き取りはあまり得意ではありません。ステップ1~2でしっかり「伏せの手の合図」ができてから、声の合図の練習をしましょう。気長にコツコツやることがポイントです。

まとめ

日頃からよく使う、伏せのしつけ。お座りよりも少し長い待機には、欠かせないトレーニングです。カフェでリラックスして伏せができる犬の姿はステキですよ。
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 執筆者プロフィール
ドックトレーナー / PERRO株式会社 代表取締役
国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー。
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、犬と人の心をつなぐレッスンを広めている。
しつけ方教室を始め、イベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の生活を楽しいものにする活動を行っている。

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