犬にりんごを与えても大丈夫?

りんごに、犬の体に有害な成分は含まれていません。与える際にはいくつか気を付けなければならないことがありますが、犬にりんごを与えても大丈夫です。
ほんのり甘く、おなかにやさしいりんご。すりおろしたものは、人間の赤ちゃんの離乳食としてはもちろん、生後1カ月くらいの子犬の離乳食としても活用できます。

犬にりんごを与えるメリット

犬にりんごを与えるメリットについて、りんごの栄養成分からみていきましょう。

リンゴ酸とクエン酸

りんごの甘酸っぱい味を作り出しているのが、有機酸であるリンゴ酸とクエン酸。これらには、疲労回復をサポートする働きや、炎症を鎮める作用が認められています。
また、犬の尿中のカルシウムにくっつき、外へ排出する働きをすることもわかっており、犬の「シュウ酸カルシウム結石」の予防にも効果的です。

ペクチン

水に溶けるとゼリー状になる、水溶性の食物繊維です。
食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きをします。腸内環境が整うことで、免疫力アップの効果も期待できます。

カリウム

体内の水分調整を行い、ナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがある成分。血圧を下げる効果や、腎臓病の予防効果が期待できます。
ただし、腎臓病や高カリウム血症に罹っているなど、カリウム制限が必要な犬に与える場合には、獣医師への相談をおすすめします。

ポリフェノール

りんごには100種類以上のポリフェノールが含まれており、それらをまとめて「リンゴポリフェノール」と呼びます。
複数のポリフェノールが合わさったリンゴポリフェノールは、優れた抗酸化作用を持ち、血行改善やアレルギー抑制、高血圧の予防や、がん細胞の生成を抑える効果が期待されています。
リンゴポリフェノールは、果実部分より皮に多く含まれています。

犬にりんごを与える際の注意点

犬にもさまざまな効果が期待できるりんごですが、与える際にはいくつか注意点があります。

種や芯、茎、葉は与えない!

りんごは、皮つきのまま、生で与えることができる果物ですが、種や芯は絶対に与えないでください。
種や芯には、青酸を含む天然の有害物質(総称して「シアン化合物」といいます)が含まれています。種や芯、葉や茎は必ず取り除きましょう。
また、愛犬が食べてしまわないよう、届かないところに置くなど誤食対策をとりましょう。
栄養成分を多く含んでいる皮は、与えて問題ありません。ただし、農薬が付着している可能性があるのでよく洗ってください。

バラ科アレルギーに注意

りんごは、アレルギー報告の多いバラ科の果物です。愛犬がりんごアレルギーやバラ科アレルギーを発症する可能性がないとはいえません。
初めて与える際は少量から与えてください。与えたあとに不調が現れる可能性もあるので、なるべく動物病院が開いている時間帯に与えましょう。
嘔吐や下痢、いつもと違う様子がみられた場合には、獣医師に相談することをおすすめします。
バラ科の果物はほかに、いちごや梨、桃、サクランボなどがあります。これらの果物でアレルギーが出たことがある場合は、りんごでも発症する可能性があります。避けたほうがよいでしょう。

食べ過ぎ

どんなに体に良いものでも、過剰摂取は体に毒です。
特にりんごは糖分が多い果物です。食べ過ぎは糖分過多となり、肥満や糖尿病の原因になりかねません。
犬に与えて良い一日の目安量は

体重5kgの犬で30g(中玉サイズのりんご約10分の1)まで
体重10kgの犬で50g(中玉サイズのりんご約6分の1)まで

としていることが多いようです。
目安量を参考に、過剰摂取にならないよう気を付けましょう。

おすすめのりんごの与え方

いつものフードにトッピング

皮も与える場合は、よく洗ってください。与える際には、犬が丸飲みしても喉につまらない大きさにカットしましょう。
人間の赤ちゃんも子犬も食べられる、すりおろしりんごもおすすめです。りんごはすりおろすことで、食べやすくなるだけでなく、体内に摂取できる酵素量が増えるというメリットもあります。

簡単手作りおやつ

りんごを使用したおやつは、ヨーグルトと合わせて作るケーキや、油を使わずレンジで作るりんごチップなど、ヘルシーで手軽に作れるレシピが人気のようです。

まとめ

嗜好性が高く、栄養豊富なりんご。老犬の食事や食欲が落ちたときに与えてみるのも、ひとつの方法です。犬の体調やフードの栄養バランスをみながら、ときどき取り入れてみてはいかがでしょうか。
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 執筆者プロフィール
No dog No life

特に牧羊犬が大好きです。
一番の関心事は「シニアわんことの暮らし」。
「人と動物の共生」「ワンヘルス」にも関心があり勉強中です。

動物愛護フェスティバル実行委員。
某県の災害時動物救護ボランティアチームに所属。
某県の動物愛護センターの登録ボランティア(おうちに帰れなかった犬たちの保護と譲渡のお手伝い)もしています。

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