犬に果物は必要?

人間の健康に必要な栄養素がたくさん含まれている果物。ビタミンなどの栄養は必要量の摂取が推奨されていますよね。一方、犬の場合はどうでしょうか?
犬は果物を食べなくても十分生きていける動物です。必要な栄養素は、ドッグフードから十分摂取することができるため、果物はあくまで補助食やおやつとしての役割となります。

犬にとって絶対に必要ではない果物類ですが、食事や間食に上手く取り入れることでさまざまなメリットが得られます。
果物で水分補給ができたり、犬の皮膚や被毛の健康を助けるビタミン群を摂取できたりすることもその一つです。
また、おやつとして果物を与えることは、愛犬とのいいコミュニケーションにもなるでしょう。

一方、大量の果物を食べさせてしまうと、下痢といった体調不良の原因になる恐れがあります。また、果物のなかには、犬の体にとって毒性の強い成分を含むものもあります。
そして、甘くて美味しい果物は犬にとっても嗜好性抜群です。欲しがるままに与えると、ドッグフードを食べなくなる、人間の食べ物を欲しがるようになるといったデメリットもあります。
犬に果物を与えるときは、種類や与える分量、与え方に十分注意してください。

犬に与えてもいい果物

みかん

ビタミンCを多く含むみかんは、犬の体によい果物です。
特にシニア犬や薬を常用する犬はビタミンCが不足しがち。また、若い犬であっても夏場はビタミンが不足しやすいため、みかんで栄養補給するとよいでしょう。

1日に与えてよい量は、約5kg程度の成犬で3房(3粒)が目安です。大量摂取は下痢の原因となりますので、十分注意してください。
また、犬に与える際は丁寧に外皮を剥き、筋や袋を取り除きましょう。
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水分を多く含む梨は、水分補給に最適な果物です。クエン酸やビタミンのほか、疲労回復や被毛・皮膚の健康を保つ効果のあるアスパラギン酸が含まれています。
梨には犬にとって危険な成分が含まれないため、安心して与えることができます。

1日の摂取量は、約20gを上限として考えましょう。梨は水分を多く含み、食べすぎると下痢や消化不良を引き起こしてしまいます。
犬に与える際は、皮を向いて種や芯を取り除きます。犬が食べやすいサイズにカットして、のどに詰まらせないように注意しましょう。

りんご

甘い香りとシャキシャキとした食感が食欲をそそる、りんご。りんごを好物とする犬も多いのではないでしょうか。
りんごはビタミンCやペクチンという水溶性の食物繊維を含んでいます。ペクチンは胃腸を助ける働きがあるため、犬が便秘気味のときに与えるとよいでしょう。

1日の摂取量は、梨と同じく約20gが目安。皮や芯、種はしっかり取り除き、犬が食べやすいサイズにカットして少しずつ与えてください。
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りんごは健康に良い果物として知られていますが、犬に与えた場合にはどのようなメリットがあるでしょうか。 りんごに含まれる成分や効能、与える際の注意点などについてまとめました。

秋になると食べたくなる柿。みかんやリンゴと同じくビタミンCを豊富に含むほか、アルギニンという必須アミノ酸も含まれています。

犬に与える量は1日15gほど。人間の一口サイズ大を目安にしてください。柿は糖分を多く含むため、与えすぎはカロリーオーバーの原因になります。
また柿の栄養成分であるマグネシウム、カリウム、リンのようなミネラル類も、食べすぎると腎臓病などの病気のリスクを高めます。

柿には大きな種がありますので、丸のみしないよう注意してください。犬に与えるときは、葉や皮、種を取り除き、カットするのも忘れずに。

バナナ

バナナはエネルギー補給に使われるほど、栄養満点の果物です。
ビタミンB群や食物繊維なども豊富に含まれるため、犬の被毛や皮膚、胃腸の調子を整える効果をもたらしてくれます。

糖質が豊富なバナナは、ほかの果物と比べてもカロリーが高めです。
ほかのおやつを与えないのであれば、40kg程度の大型犬で約1本分、小型犬で輪切りバナナ1つ分程度が目安です。
皮を剥いて筋を取り、小さくカットして少しずつ与えましょう。
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犬に与えてはいけない果物

ブドウ

犬が食べてはいけない果物の筆頭格とも言われるブドウ。大量摂取による急性腎不全の危険性が指摘されています。
1粒程度では問題ないとされていますが、場合によっては食欲減退、嘔吐といった中毒症状を引き起こすことも。
「ちょっとだけならいいかな?」が、命取りになる可能性もあります。ブドウを食べる場所や保管する場所は、犬の目の届かないところがおすすめです。
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いちじく

いちじくは犬がアレルギーを引き起こす原因になる、フィシンとソラレンを含む果物です。
フィシンは人間にとってはほどよい整腸効果をもたらしてくれる成分ですが、犬にとっては毒になるほど強く作用します。また、ソラレンも、下痢や嘔吐といった体調不良のもとになります。

アボカド

動脈硬化や生活習慣病の予防にも力を発揮してくれるアボカド。アボカドは野菜だと思っている方も多いですが、実は果物に分類されています。
日本で栽培されているアボカドには、ペルシンという殺菌作用のある成分が含まれています。人間には無害ですが、犬が大量摂取すると下痢、嘔吐などの中毒症状を引き起こす危険があります。
また、アボカドには大きな種があり、誤飲による腸閉塞のリスクも指摘されています。

プルーン

鉄分を多く含み、美容目的や整腸によいことで知られるプルーン。
犬が食べると、アレルギーによる呼吸困難の恐れがあります。また、プルーンにはカリウムが含まれるため、高カリウム血症などにも注意が必要です。
万が一犬がプルーンを食べてしまったら、速やかに動物病院を受診しましょう。

犬に果物を与える際の注意点

最後に、犬に果物を食べさせるときに注意したいポイントを解説します。

皮、種、芯、葉っぱや茎などは基本的に取り除く

りんごは皮にも豊富な栄養を含む果物として知られていますが、犬に与える際は皮を剥き、実の部分だけ与えるのが基本です。
種や芯、茎といった部分は消化に悪く、そのまま飲み込んでしまうことで喉やおなかに詰まる危険性があります。

アレルギーに注意

みかんや梨といった健康に問題がないとされる果物でも、まれにアレルギーを発症する犬がいます。
はじめのうちは少しずつ与え、問題がないか注視してください。もしも犬の体調が悪くなるようなことがあれば、病院への受診をおすすめします。

ドライフルーツや缶詰は与えない

いずれも甘くておいしい食べ物ですが、果物を長期保存するためにたくさんの砂糖や添加物が使われています。
カロリーも高く、犬の体にあまりうよくないものも含まれるため、生食以外の果物を与えるのはやめましょう。

まとめ

以上、犬に与えてよい果物と与えてはいけない果物についての解説でした。
かわいい愛犬に果物をせがまれると、ついつい甘くなってしまう飼い主さんも多いもの。果物をおやつにするときは、犬の健康面もしっかり考え、適切な量を与えるようにしましょう。
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 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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