犬にパイナップルを与えても大丈夫？ パイナップルを食べさせるときの注意点

結論から言うと、犬にパイナップルを食べさせても問題はありません。ビタミン類やクエン酸といった栄養素が豊富に含まれており、健康を維持するうえでいい影響も期待できるでしょう。

ただし、食べさせ方や与える量には注意点もあります。まずはパイナップルに含まれる栄養素について、具体的に見ていきましょう。

パイナップルには食物繊維を始め、ビタミンB1・B2やビタミンCなどのビタミン類、さらにはカロテンやカリウム、ブロメリンやクエン酸など、さまざまな栄養成分が含まれています。

食物繊維には便秘改善の効果があるほか、タンパク質の分解を促進するブロメリンの効果により、消化機能の改善や腸内環境の良化にもつながります。

また、ビタミンCにはコラーゲンを生成する働きがあり、健康維持の味方になります。具体的には、皮膚や関節の強度アップ、さらには傷の治癒といった免疫機能のサポートをしてくれる効果が期待できます。

ほかにも、疲労回復効果を持つクエン酸も含んでいるため、適量であれば犬の元気を支えてくれる食材だといえるでしょう。

一方、パイナップルには注意しなければならない点もあります。

例えば、メリットで挙げた食物繊維は、便秘の改善・予防に期待ができる一方で、摂取し過ぎてしまうと消化不良や下痢の原因になることもあります。
ビタミンCも同様に、過剰摂取すると下痢や軟便の原因になることがあるので、どちらにしても量をたくさん与えることはあまりおすすめできません。

また、糖分もたくさん含まれているため、過剰に摂取すると健康に支障をきたすことがあります。特に缶詰やドライ製品といった加工されたパイナップルにはより多くの糖分が含まれているため、注意が必要です。

さらに、犬のなかにはパイナップルでアレルギー症状を引き起こす子もいます。
下痢や嘔吐といった分かりやすい症状はもちろん、皮膚に発疹が出る、見るからに元気がなくなってぐったりしてしまうなどの症状があらわれる場合があります。

パイナップルに限らずですが、初めてあげる食材は少量にしたうえ、摂取後は注意して様子を見てあげましょう。与えたあと、長時間不在になるようなことはしないでください。

犬に与える場合は、生のパイナップルがいいでしょう。
上でも少し触れていますが、加工されたパイナップルは生のパイナップルよりも糖分が多く含まれるため、犬にとって糖分の過剰摂取になってしまう可能性があります。

また、完全に皮をむいた状態であげることを忘れないでください。パイナップルの皮にはトゲがあるので、口の中や食道を傷つけてしまいかねません。
しっかりと皮を取り除き、食べやすいサイズにカットしてあげるようにしましょう。
加えて、皮だけでなく芯の部分にも注意が必要です。とても固い部分なので、勢いよく噛みついてしまうと、歯を傷めたり、飲み込んだあとに消化ができず下痢や嘔吐を引き起こしたりする可能性があります。最悪の場合は腸閉塞で手術をしなければならないこともあり得るので、気を付けましょう。

食べさせる量の目安としては、15gほどがおすすめです。しっかりと皮と芯を取り除き、実の部分だけを一口サイズにカットして食べさせてあげましょう。

そして、犬が喜ぶ顔を見せたとしても、あくまでも主食はドッグフードであることを忘れないでください。
パイナップルの食べ過ぎでごはんが食べられないとなると、必要な栄養が不足してしまう可能性もあります。パイナップルはあくまでもおやつ程度に捉えるのがいいでしょう。

パイナップルは犬の健康を助ける栄養素が豊富に含まれた食材です。適量を守って与える分には、健康を害する心配はないでしょう。

ただし、食べさせすぎると栄養バランスが崩れたり、糖分の摂りすぎになったりする危険性もあります。特に、缶詰のものやドライパイナップルは糖分の含有量が高いので注意しましょう。
また、皮にはトゲがあり、芯は非常に硬いため、しっかりと実の部分だけをカットして食べさせてあげてください。

基本的には安全な食材ですが、なかにはパイナップルアレルギーを持つ犬もいるため、初めて食べさせる場合には少量を与え、しばらく様子を見守るようにしてくださいね。