アビシニアンの長毛種から「ソマリ」へ

ソマリはアビシニアンをルーツに持つとされ、誕生したのは1960年代のアメリカと言われています。

アビシニアンは19世紀後半には純血種として繁殖がスタートしていた短毛種の猫ですが、時折長い毛を持つ個体が誕生していました。しかし、長毛のアビシニアンはスタンダードから外れるため繁殖に使われることはなく、キャットショーへの出陳も避けられていたのです。

しかし、とあるキャットショーにおいて、本来の意図とは違う目的で長毛のアビシニアンが持ち込まれます。
ショーの審査員として会場に訪れていたケン・マギルが、たまたま見かけた長毛アビシニアンの美しい姿に驚いたマギルは繁殖の開始を決心。こうして、長毛のアビシニアンの育種計画がスタートします。

その後、繁殖が進められた長毛アビシニアン。当初は低い評価を受けていましたが、品種改良が重ねながら支持を集め、1979年に「ソマリ」として猫の血統登録団体・CFAに公認されたのです。

ソマリの被毛-バリエーション豊かな毛色

長毛種であるソマリ。上毛と下毛からなるダブルコートで毛は密生しており、非常にやわらかい手ざわりの細い被毛を持ちます。

首まわりに生えている襟巻のような被毛やふさふさの長い尻尾から「フォックスキャット」と呼ばれるなど、ソマリの長い被毛に魅せられる方は多いようです。

ソマリの毛は特徴的な構造をしており、「ティックドタビー」と呼ばれる1本の毛に複数の色が入る構造です。

ソマリの場合は3色のグラデーションです。明るい色と暗い色が縞模様のように帯状に入るため、見る角度によって色が微妙に変わり独特の風合いを見せてくれます。

代表的なソマリの毛色は4つです。

■茶色ベースの「ルディ」
■薄茶色をベースとした「レッド」
■青色がかった灰色がベースの「ブルー」
■肌色や白色など淡い色調の「フォーン」

上記4色以外にもカラーを持ち、バリエーションが豊富です。
ソマリの被毛は、色が完全なものになるまで、18カ月ほどの時間を要すると言われています。

魅力的な長い被毛はしっかりケアを

ソマリの毛の手入れは、週2~3回以上のブラッシングが望ましいと言われています。長毛種ながら、ペルシャより短めのセミロングのため比較的ケアは楽です。ダブルコートのため、換毛期にはごそっと毛が抜けます。

粗いブラシでほこりや抜け毛を取り除いてから、コームを使うときれいに仕上がります。毛玉ができているときはムリに引っ張らず、コームの先などでほぐすか、毛玉を縦に割るようにハサミで切ってください。ブラッシングスプレーを使うと静電気防止になり、毛ヅヤも出ます。

ブラッシングは5分以内など、なるべく手短にすればソマリへの負担も少なくて済みます。一気に終わらせようとせず、何回かに分け部分的に進めていくといいでしょう。

ソマリの最大の魅力である長い毛は、手入れをすればするほど美しく輝きます。

優雅な雰囲気をもつソマリの体の特徴

ソマリの平均体重は3~5kg、平均寿命は12~14年ほどです。

ゆるやかなV字型をしている小さな頭、先の丸い大きな耳、濃いマーキングのある額や頬、くっきりとしたラインに縁どられたアーモンド型の目、そして筋肉質で優雅な体が特徴的です。目の色は緑色・琥珀色・金色の三色で、鈴を転がしたような美しい鳴き声をしています。

ソマリの性格-協調性の高さで「犬のような猫」と呼ばれる

アビシニアンがルーツのソマリは、性格や能力もアビシニアンに似ています。
好奇心旺盛で物怖じせず活発な性格、賢く高い洞察力、協調性豊かで飼い主さんとのコミュニケーションを好む……など、「犬のような猫」と言われる理由もうなずけますね。

運動意欲をみたそう

ソマリは好奇心旺盛で物怖じせず元気いっぱいです。家の中ではとてもエネルギッシュに走り回ります。
運動不足になるとストレスからいたずらを行ってしまうこともあるので、キャットタワーなどで運動できる環境を整えましょう。

愛情深い一方で、優しく繊細な一面も時にのぞかせるので、ストレスや不安を抱えさせないよう一緒に遊ぶ時間を積極的につくりましょう。

【ソマリの子猫を飼う際の注意点】
アビシニアンやソマリは水を怖がらない個体も多く、浴槽など水を溜めておける場にも臆することなく飛び込もうとすることもあります。溺れてしまうのは危険なので、立ち入らせないようにする、水を抜いておくなど管理を行いましょう。お風呂掃除やトイレ掃除の際にも、注意が必要です。

まとめ

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 執筆者プロフィール
ドッグシッター/小動物看護士です。二人の娘に振り回されながら、記事を書いています。ミシンで子供達の服や布雑貨を作るのが趣味。ダルメシアンを多頭飼いするのが夢です。

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