かわいいだけの犬じゃない！ ウェルシュコーギーってどんな性格なの？

胴長短足の愛嬌ある体に、いつも笑ったような表情がかわいいコーギーは、イギリス原産の中型犬です。大きな立ち耳やつぶらな瞳がチャーミングで、ふとしたときに見せる凛々しい表情も人気のポイント。体高が低いので小型と勘違いされがちですが、がっしり筋肉質でアウトドアやドッグスポーツもこなす体力のある犬種です。

コーギーは喜怒哀楽がはっきりした表情豊かな犬種なので、コミュニケーションが取りやすいでしょう。おもちゃやおやつを見せれば目を輝かせ、いたずらを叱ればすねたりしょんぼりしたり。陽気で社交的、物覚えもよく飼い主に従順です。

好奇心旺盛でアクティブな犬種なので、ときに飼い主が予想もしない行動をとって笑わせてくれる「かわいいヤツ」です。

世間では、コーギーは「性格が悪い」「きつい」といわれることがあるようです。コーギーのどんなところが、そう思われてしまうのでしょうか。

コーギーは愛らしい容姿と裏腹に、ただかわいがられることをよしとしない働き者です。牧畜犬として働いていたころは、一日中走りまわって家畜を追い立てていました。
コーギーが自分よりずっと体の大きな牛や羊を移動させるためには、踏まれたり蹴られたりする危険を顧みずに足元を走り抜け、かかとに噛みつき、大きな声で吠えたてます。それゆえ、コーギーは勇敢で警戒心が強く、自己主張も強いのです。また、噛み癖や吠え癖が出るコーギーも多いようです。

こういった性質は現代でも残っていて、コーギーとしては仕事熱心なだけですが、飼い主にとっては困ることもあるでしょう。コーギーが「性格が悪い」「きつい」といわれるのはそういった理由のようです。
しつけである程度は矯正できますが、コーギーはそういう気質の犬だということは知っておいたほうがいいでしょう。

コーギーと暮らすなら、オスとメスどちらがいいかは悩むところではないでしょうか。一般的に犬はメスよりオスの体が大きいことが多いですが、コーギーはオスとメスでほとんど体格差がありません。
性格は育ちや血統などで変化しますが、一般的にオスとメスでは性格に傾向があり、コーギーにも当てはまるでしょう。

犬のオスはメスに比べて甘えん坊で明朗快活、縄張り意識が強く、比較的攻撃性は高いとされています。留守番が苦手だったり、飼い主のあとをいつでもついてまわったり。初対面の人や犬に吠えることが多く、警戒心の強さからか、外の音などにも反応しやすいようです。

メスは落ち着いていて従順な傾向があります。しつけしやすく、ほかの犬ともトラブルになりにくいでしょう。ただし、好き嫌いがはっきりしていて、頑固なところがあるようです。縄張り意識はオスより薄いですが、実は気が強いのはメスだといわれることも。

犬の知能は人間の5歳くらいという説がありますが、犬の飼い主によると犬の性別による性格の違いは、人間の子どもとよく似ているそう。男の子は甘えん坊でかわいい、女の子はおしゃまで楽しいなど、一概にどちらがいいとは言えませんよね。

あくまで傾向ですが、コーギーとどう暮らしたいかによって、オスとメスのどちらがいいか考えてみてはいかがでしょう。

どんな犬でもいえることですが、コーギーを飼うのに向いているのはコーギーのために時間を作れる人です。コーギーは遊び好きで体力があり、たっぷり運動が必要です。飼い主と一緒に何かすることが好きなので、毎日しっかりコミュニケーションをとってください。
利口で活発で、さらに運動神経抜群なコーギーはトレーニングすることでさらに輝くでしょう。

お手入れや室内を整備する時間も確保しなければなりません。コーギーはダブルコートで抜け毛が多く、室内飼いなら毎日ブラッシングと掃除が欠かせないでしょう。厚い毛並みは夏になると、熱や湿気がこもって熱中症や皮膚病を起こすことがあります。温度管理や暑さ対策もしっかりと。
腰に負担のかかりやすい体型なので、飼育環境はなるべく段差をなくし、床は滑りにくくする工夫も必要です。

好奇心旺盛なため、運動不足だったり暇だったりすると、イタズラしてしまうことがあります。必要な運動量の確保とともに、飼育環境の整理整頓と、コーギーが単独でも遊べるおもちゃの用意を忘れずに。

コーギーはかわいがられるために生まれた愛玩犬ではなく、人間のために働く高い能力と責任感を持った犬です。指示なしで動ける判断力を持った賢い犬種なので、密にコミュニケーションをとってしっかり関係を築いてください。
知力・体力に優れながら、陽気で甘えん坊な遊び好きなのがコーギーです。高い能力に驚かされたり、ユーモラスなしぐさに笑わされたり、コーギーとの暮らしはきっと楽しいものになるでしょう。