室内犬にも散歩が必要な理由

室内で犬を飼う場合、犬はお散歩以外の時間、つまり人生のほとんどを室内で過ごすことになります。たとえ運動量が少ないとされる犬種であっても、外に出る時間が全く無いのは問題です。

日々のお散歩は、犬にさまざまなメリットをもたらしてくれます。

運動不足を解消し、肥満予防になる

室内犬が陥りがちなのが、運動不足による肥満です。人間の場合「肥満は万病のもと」とも言われますが、これは犬も同様。肥満状態は足腰や心臓などの内臓系に負担をかけ、短命の原因になるとされています。そうならないために、適度に体を動かし、体重をコントロールする必要があります。

広いお庭で飼われている犬と比べて、室内犬の運動量が少なくなってしまうのは仕方ないことですね。だからこそ、毎日適切なお散歩時間をとり、犬の体型維持に努める必要があるのです。

犬の好奇心を満たすことで、ストレス軽減につながる

外に出て、あっちをクンクン、こっちをクンクン。お散歩中に見られるこんな行動は、犬の「データ収集」です。犬はもともと好奇心旺盛な動物であり、新しい環境や周囲の様子に興味津々なのです。

ずっと室内にこもっていては、犬も退屈し、ストレスを抱える原因になります。定期的な外出により、犬の気分をリフレッシュさせる効果が期待できます。

社会性を身に付けることができる

家の外でさまざまなことを経験させ、犬を周囲の環境に慣れさせる「社会化」は、成長過程において非常に大きな意味を持ちます。

お散歩の途中に出会うほかの犬や人との出会いは、犬を精神的に成長させるきっかけになるとされています。また家族以外の人に慣れさせておけば、病院やトリミングサロン、ドッグランといった施設を利用する際も困りません。

室内犬の散歩の目安

室内犬の場合、どのぐらいの頻度や時間でお散歩するのがよいのでしょうか。目安は犬のサイズや犬種によっても変わります。自分の愛犬や飼いたいと考えている犬がどのぐらいの散歩を必要としているのか、必ずチェックしましょう。

犬の大きさ別 散歩量の目安

犬種、年齢によって必要な運動量は異なります。一般的に、体のサイズが大きくなればなるほど、多くの散歩時間が必要です。小型犬、中型犬とサイズ別の散歩量の目安を見てみましょう。

  • 小型犬…1日1回40~60分または1日2回20~30分
    小型犬は大きな犬と比べて散歩時間が短く済みます。朝晩2回のお散歩が難しい場合は、1日1回にまとめてもOKです。

  • 中型犬…1日1回60~100分または1日2回40~50分
    10kgを超える中型犬は、小型犬よりも活発で運動能力の高い場合がほとんどです。体のサイズに見合った散歩の目安は、少なくとも1日に1時間から1時間半程度。中型犬の場合も、朝晩2回でなく1日1回でも問題ないと言えるでしょう。

小型犬でも、犬種によって運動量が変わってくる

愛玩犬として作出された小型犬は、ほかの犬種と比べて運動量が少ないケースが多いです。具体的な犬種は、チワワポメラニアンシーズー、ヨークシャーテリア、マルチーズなど。忙しく長時間のお散歩が難しいという方におすすめです。

一方、小型でありながら猟犬や競技犬をルーツに持つ犬は、運動神経がよく、必要とする散歩量も多い傾向にあります。具体的な犬種は、トイプードルパピヨンミニチュアシュナウザー、ウエストハイランドホワイトテリア、ジャックラッセルテリアなど。
愛犬とのお散歩を楽しみたいという方におすすめです。

室内犬の散歩中の注意点

室内犬の場合、散歩中にどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。以下のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。

小型犬の場合、階段や急な坂道が負担になることがある

人間にとっては小さな段差でも、歩幅が狭い小型犬にとっては大きな“障害”になることも。関節に負担がかかることは好ましくありません。急な段差や坂道を避けるなど、お散歩コースを工夫しましょう。

熱すぎる・冷たすぎる路面で、肉球を傷めてしまうことがある

裸足でむき出しの路面を歩く犬。知らず知らずにうちに肉球を傷めてしまうことがあります。特に真夏の日が高い時期や、真冬で路面が凍結しているときは要注意。

路面のコンディションが悪い場所を避けたり、お散歩時間を工夫したりすることで肉球を守ってあげましょう。

ノミやマダニなどの害虫を室内に持ち込んでしまう恐れがある

草むらに入ったりほかの犬と触れ合ったりすることで、犬に害虫がくっついてしまうことがあります。散歩後は念入りにブラッシングしてください。場合によってはノミとり首輪などのグッズを使うのもよいでしょう。

細菌や病原体を室内に持ち込んでしまう恐れがある

害虫だけでなく、細菌や病原体を運び込んでしまうケースもあります。危険な場所には立ち寄らない、犬を近づけない、といった配慮が必要です。

室内犬の散歩後のケア

散歩から帰ってきたとき、汚れたままの犬を室内に入れてしまうのは問題があります。室内を汚してしまわないよう、適切なケアで犬の清潔を保ちましょう。

濡れタオルで拭く

帰宅後は、濡らしたタオルを絞って、口の周り、足、お尻を拭いてあげましょう。特に雨や雪の日や地面を転がったときなどは犬が汚れている可能性大です。

お散歩後はバスルームに直行し、シャワーで足を洗ってあげる人も多いようですが、さほど汚れが酷くない場合は、タオルでも十分きれいになります。

シャワーを使った後は濡れたまま放置せず、しっかりと拭いてあげることが大事です。特に肉球とその周りの毛は蒸れやすく、濡れたままにしていると「指間炎」になることがあるため、注意してください。
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このようなシャンプータオルを使用するのもおすすめです。

ブラッシングやシャンプーをする

外で付着した汚れや害虫は、丁寧にブラッシングすればきれいに落とすことができます。特に長毛種は毛に泥汚れや雑草が絡まりやすいため、念入りにお手入れしてあげてください。

特に汚れが気になるときはシャンプーでさっぱり洗い流す方法もありますが、頻度は多くても2週間に1度~1ヶ月に1度程度に留めましょう。シャンプーは必ず犬専用のものを使用してください。

シャワーの温度はぬるま湯程度が適温です。シャンプーのぬめりが無くなるまで、しっかり洗い流しましょう。

害虫がいないかどうかチェックする

雑草が生い茂る公園で遊んだあとなどは、犬にノミやマダニが付着していないかチェックする必要があります。特に多頭飼いや、猫との同居の場合、害虫を移してしまうこともありますので、念入りに確認しましょう。

ノミを発見したら、専用の細かいクシで取り除きます。付着が多い場合は、駆除薬を使用し、また室内も念入りに掃除してください。
害虫をつぶしてしまうのは絶対にNGです。人間や他のペットにも感染の恐れがあります。犬が痒がったり、何らかの症状が見られたりするときには、素人判断せずに動物病院を受診してくださいね。

まとめ

室内犬の散歩の必要性や、散歩後のお手入れ方法について説明しました。
肥満防止やストレス解消、社会化など、室内犬にとっても散歩のメリットは少なくありません。犬種や月齢に応じて、適切な運動量を確保しましょう。
 執筆者プロフィール
『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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