アイリッシュセッターの歴史

アイリッシュセッターは、獲物を追って長時間走れる運動能力があり、猟師が遠くからでも見つけられる大型犬を目的として誕生しました。
原産はイギリス・アイルランドで、はっきりとわかっていませんが、スパニエルやアイリッシュテリア、イングリッシュセッター、ゴードン・セッター、ポインターなどの猟犬やテリアを交配させたのではないかと言われています。

初期のアイリッシュセッターの毛色はレッドだけでなく、ところどころにホワイトが入っていました。現在、日本やアメリカでは単色のみが認められていて、ホワイトが入ったものは「アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイトセッター」として別犬種とされています。

原産国のイギリスを含めヨーロッパの国では、レッド&ホワイトもアイリッシュセッターとして認められます。

アイリッシュセッターは、獲物を見つけたら動けないように威嚇して怯ませ、その場で「伏せ(セット)」をして主人に教えるタイプの猟犬。
獲物を探している際、主人がアイリッシュセッターを見失ってしまい、数年後にセットの姿勢のまま白骨化した姿が発見されたという逸話があるほど忠実な犬です。
ちなみに、その前方には同じように白骨化した鳥があったとか。

アイリッシュセッターの特徴と性格

アイリッシュセッターの平均的な体高はオスが67cm、メスが62cm程度。走るときに前後の足が交差しないよう体高より体長が長く、スリムな骨格と筋肉質な体の大型犬です。

物腰は優美ですが運動能力に長け、速度はもちろん、1日に100km以上も走ることができると言われるほどの持久力を誇ります。

被毛のカラーは艶やかなチェスナットで、その美しさから高級家具や楽器の材料となる木材に例えて、「マホガニーレッド」と呼ばれることも。
反対に、ブーツメーカー「レッドウィング」には、特徴的な赤茶色から「アイリッシュセッター」と呼ばれるモデルがあります。

シングルコートの長毛で、耳や足の後ろ側、胸、おなか、しっぽの長い飾り毛が特徴。草木やいばらなどから体を守る、実用的な被毛です。

アイリッシュセッターの性格

アイリッシュセッターの性格は、人懐こく陽気。優美な見た目に反し、成犬になっても子犬のような無邪気さが残り、その愛らしさに魅かれる人も多いようです。
猟犬らしく勇敢で飼い主に忠実ですが、基本的にはフレンドリーなので番犬には向かないでしょう。

基本的に飼い主への服従心が高く、しつけなどのトレーニングに対して前向き。しかし、叱られてもあまり落ち込まず、主人の反応を見るためにイタズラすることもあるので、しつけには根気が必要でしょう。
細かいことを気にしない大雑把な面もあるので、復習も必須ですね。

社交的なところと空気を読まないところが災いすることも。警戒心が強く臆病な犬にも「遊ぼう」と寄って行ってしまい、攻撃されることもあるようです。飼い主がしっかり管理しましょう。

アイリッシュセッターの寿命とかかりやすい病気

アイリッシュセッターの平均的寿命は、12歳前後といわれています。
比較的丈夫な犬種ですが、大型犬がかかりやすい胃捻転には注意してください。食事のあとすぐに運動させない、一回の食事量を少なめにするといった対策が必要です。

また、股関節形成不全も気を付けたい病気のひとつ。成長期の過度の運動や肥満が病気の要因になるので、飼い主がしっかり管理しましょう。

アイリッシュセッターの飼い方

①運動量を確保しよう

アイリッシュセッターを飼うときは、運動量を確保できるかと、被毛の手入れができるかということがポイントになります。

運動量が多いアイリッシュセッターは、その欲求を十分に満たしてあげられる環境が必要です。運動不足が続くとストレスがたまり、好奇心旺盛な性格も相まってイタズラしてしまうことも。

毎日少なくとも30分~1時間の散歩が朝夕2回は必要です。歩くだけでは満足できないので、一緒にジョギングをしたり、フリスビーや水泳をさせたり、ときにはドッグランや野山で思い切り走らせてあげることも重要です。

アイリッシュセッターの中には、猟犬の血が騒いで小動物を見つけると全力で追いかけようとする犬もいます。訓練が十分でないうちは、力でコントロールできる人が散歩に行くようにしてください。
小動物と一緒に飼う場合も注意が必要です。

毛並みの手入れは必須

絹のように柔らかい毛はアイリッシュセッターの大きな魅力。基本的にはもつれにくいですが、柔らかい飾り毛は毛玉になりやすく、小枝や葉っぱなども絡まりやすいのでお手入れが必須です。シングルコートですが、抜け毛は少なくないと言われています。

ブラッシングはできれば毎日、少なくとも2日に1回はおこないましょう。ピンブラシなどで全体の毛流れを整え、絡まったゴミなどを取り除きます。忘れやすいしっぽの先も整えてください。

つやのある毛並みを保つためには、毎日のブラッシングとともに食事も重要です。月に一度程度はトリミングし、アイリッシュセッターの美しい毛並みを保ってください。

まとめ

凛とした美しい佇まいのアイリッシュセッターですが、性格は意外にも無邪気でやんちゃ。そのギャップもまた魅力の1つなのですね。あり余るほどの体力の持ち主のため、愛犬と思いっきり遊びたい! という方におすすめの犬種です。