シャム(サイアミーズ)ってどんな猫?

シャム(サイアミーズ)はタイが原産の猫種です。かつてタイが「サヤーム」と名乗っていたころ、日本では「シャム」、英語圏では「サイアム(Siam)」と呼んでいました。シャムの猫、サイアムの猫ということで、日本では「シャム猫」、英語圏では「サイアミーズ(Siamese)」が通称となっています。
ちなみにタイでは「メーオサヤーム」、もしくは「ウィチアンマート」と呼ばれています。ウィチアンはダイアモンド、マートは月や黄金を意味しているそうです。

体型は「オリエンタル」と呼ばれるタイプで、小さな逆三角形の顔に、胴と手足が細長いのが特徴。体重はオスで3~4kg、メスで2~3kgと、猫全体の平均体重(約4kg)から比べると軽めです。前脚より後ろ脚が長く、動きは優雅なものの運動量はかなり多く、筋肉質な体をしています。
以前はもっと丸い頭とがっしりした体だったそうですが、よりオリエンタルな外見が求められ現在のような外見になりました。これには議論もあり、主流のスレンダータイプを「モダン」、丸顔を「トラッド」、その中間を「クラシック」と分けて考えられることもあります。

シャム(サイアミーズ)のアーモンド型の美しい目は人気の理由のひとつで、サファイヤブルー以外は認められていません。

タイの秘宝・シャム(サイアミーズ)の歴史とは

シャム(サイアミーズ)の歴史は少なくとも1300年代までさかのぼることが可能ですが、どのように発生したかは文書が残っておらず不明です。シャム(サイアミーズ)の存在が確認できるのは、アユタヤ王朝に書かれた本、「Cat book poems(Tamra Maew)」。そのなかでシャムは「"幸運を呼ぶ猫"ウィチアンマート」として紹介されています。

タイに存在していた猫種のなかで、シャム(サイアミーズ)は王族や貴族、僧侶など、高貴な人のステータスとして飼育されてきました。
シャム(サイアミーズ)がタイ国外で知られるのは1884年。タイのイギリス総領事のエドワード・ゴールドが帰国する際、つがいのシャム(サイアミーズ)を購入します。翌年に開催されたキャットショーで、シャム(サイアミーズ)は数々の賞に輝き、一躍人気の猫種となりました。

1878年にはタイのアメリカ総領事がアメリカ大統領のヘイズにプレゼントしたことで、シャム(サイアミーズ)はアメリカにも渡ります。1890年代になると、イギリスからアメリカへ、たくさんのシャム(サイアミーズ)が輸入されるようになりました。

日本には明治時代に紹介され、一時は上野動物園で展示されていたこともあったそうです。

シャム(サイアミーズ)独特の模様は温度が低いせい?

シャム(サイアミーズ)の毛色といえば、基本的にはホワイトで、顔や耳、しっぽや手足の先に色がついている「ポイント」が特徴です。当初はシールと呼ばれる濃い茶色のみでしたが、猫種の改良とともにライラックやチョコレート、ブルー、レッドなど、ポイントのバリエーションが生まれました。
今ではモザイク模様になったトーティポイント、しま模様のタビーポイントなども人気だそうです。

実は、シャム(サイアミーズ)は顔や手足の色がもともとの毛色です。体が白くなるのは、「サイアミーズ遺伝子」という猫の毛色を薄くする遺伝子を持っているため。この遺伝子は温度の低いところでは働かず、そのため体の末端は本来の濃い色のままとなります。
母猫のおなかのなかが温かいので、生まれたばかりのシャム(サイアミーズ)の子猫は全身が真っ白。色が濃くなるのは生後1カ月くらいからです。成猫でも夏場などは色が薄くなることがあり、老猫は色が濃くなる傾向があるようです。

短毛なので手入れは簡単ですが、シャム(サイアミーズ)は寒がりなので、冬はしっかり寒さ対策をしてください。

シャム(サイアミーズ)の性格に合った飼い方が知りたい

クールに見えるシャム(サイアミーズ)は、意外にも社交的で甘えん坊の猫種です。初めは警戒しても、慣れればどんな人にでも甘えるでしょう。抱っこしてなでられるより、おもちゃなどで遊んでもらうことを好むアクティブさがあります。

飼い主はさらに特別で、構ってあげないと拗ねることもあるそう。わがままで自己顕示欲が強い面があり、注目されていないと飼い主を無視したり、いたずらしたりすることもあるとか。そんな困ったところもシャム(サイアミーズ)の魅力ですね。飼うときは毎日しっかり遊んであげてください。

シャム(サイアミーズ)は「よくしゃべる猫」と言われていて、要求や抗議などでもよく鳴きますし、意味なく鳴いて飼い主に話しかけることもあるようです。声も大きいので、近所迷惑にならないよう、環境は整えておきましょう。繊細なところがあるので、叱り過ぎは禁物です。

活動量の多い猫なので、自由に運動できるスペースを広く取りましょう。また、高いところに上るのが好きなので、キャットウォークを用意したり、棚の上にクッションを置いたりすると喜びます。

まとめ

タイではダイヤモンドに例えられるシャム(サイアミーズ)は、美しく優雅な見た目に反してアクティブな猫。飼い主にとって自分が一番でないと、怒ったりいたずらしたりする困ったところもありますが、それがシャム(サイアミーズ)の魅力でもあります。
シャム(サイアミーズ)を迎えた場合は、毎日しっかりコミュニケーションを取りましょう。わがままだったり繊細だったり、さまざまな表情を見せるシャム(サイアミーズ)との暮らしはきっと飽きることがありませんよ。
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『みんなのペットライフ』編集部スタッフが、わんちゃん・ねこちゃんの飼い方、しつけのアドバイスなど、毎日のペットライフに役立つ知識や情報をお届けします。

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