犬の耳は大きく分けたら3種類

犬の耳は大別すると、「立ち耳」「半立ち耳」「垂れ耳」の3つです。そのなかでも大きさや角度などで分類され、耳の形にはそれぞれ名称がついています。

立ち耳(プリックイヤー)

ピンと立ち上がった耳をプリックイヤー(Prick ears)と言い、先が丸いものや尖ったもの、大きさなどでさまざまに分類されます。
オオカミやキツネ、ジャッカルなど、イヌ科の野性動物はすべてが立ち耳。垂れた耳は家畜として人間に改良されたことを表しています。

ジャーマン・シェパード・ドッグや柴犬に代表される日本犬などがプリックイヤーです。

バットイヤー

フレンチブルドッグに代表される耳。付け根が広く先端は丸く、耳と耳の間隔が広いのが特徴です。コウモリの羽の形に似ているため、「バットイヤー(Bat ears)」の名がつけられました。

シェットランドシープドッグ(シェルティ)やコーギーなどでもバットイヤーの犬が生まれることがありますが、犬種としては望ましくないと言われています。

バタフライイヤー

バタフライイヤー(Butterfly ears)は大きな立ち耳に豊富な飾り毛が特徴で、顔全体で蝶が羽を広げたように見える耳の形です。この耳の形の犬種には、パピヨンやロシアントイがいます。

ロシアントイはロシアが原産の愛玩犬で、日本には2009年に初輸入された犬種です。ロングコートとスムースコートがあり、ロングコートのロシアントイがバタフライイヤーです。

キャンドルフレームイヤー

耳の付け根は細く、先に行くに従って広くなり、先端は尖っている耳の形です。ろうそくの炎のような形から「キャンドルフレームイヤー(Candle flame ears)」と名づけられました。

ミニチュアピンシャーやイングリッシュトイテリアなどがキャンドルフレームイヤーに属します。

半立ち耳(コックドイヤー)

立ち耳で先のほうが前方に折れている耳はコックドイヤー(Cocked ears)と呼ばれています。セミプリックイヤー(Semi prick ears)とも呼ばれ、ラフコリーやシェットランドシープドッグ(シェルティ)などが代表的な犬種です。

ただし、コリーもシェルティも放っておくとプリックイヤー(立ち耳)になることが多いです。そのため、子犬のころに折れ癖をつける「耳セット」が行われることがあります。

ボタンイヤー

ボタンイヤー(Button ears)は途中で折れている半立ち耳のなかでも、耳の穴を覆うほど耳が垂れているのが特徴です。

テリア種に多く、ジャックラッセルテリア、ワイヤーフォックステリア、エアデールテリアなどがボタンイヤーの犬種です。

ローズイヤー

途中から折れた耳が後方にねじれ、耳の中が見える形をローズイヤー(Rose ears)と言います。耳たぶの重なった様子がバラの花に似ていることからローズイヤーの名がつきました。

ローズイヤーの犬種はブルドッグイタリアングレーハウンドウィペットなどが挙げられます。

垂れ耳(ドロップイヤー)

垂れ耳はドロップイヤー(Drop ears)と言います。
犬を含め、生まれたばかりのイヌ科の動物はほとんどがドロップイヤーですが、成長に従って本来の耳の形に変わっていきます。垂れ耳の犬のかわいらしさは、いつまでも子犬のときのように幼い印象を受けることに理由のひとつがあるかもしれませんね。

耳の穴がふさがれていますが、プリックイヤーの犬種と聴力の差はないようです。しかし、犬は耳の動きでも感情表現しますが、ドロップイヤーだと読み取りにくい場合があるようです。

トイプードルミニチュアダックスゴールデンレトリバーなどがドロップイヤーの犬種です。

ペンダントイヤー

ドロップイヤーのなかでも、特に耳が大きなタイプをペンダントイヤー(Pendant ears)と言います。
嗅覚で獲物を見つけるセントハウンドに多く、大きな耳で風を起こし、においを鼻に集中させているという説があります。

バセットハウンドビーグル、ミニチュアダックスなどが挙げられます。

フォールドイヤー

耳の付け根が外側に広がっている状態のドロップイヤーをフォールドイヤー(Folded ears)と言います。

スパニエル系の犬に多く、アメリカンコッカースパニエルイングリッシュコッカースパニエルキャバリアなどがフォールドイヤーの犬種です。

番外編

Vシェイプイヤー

Vシェイプイヤーは耳の先が尖り、アルファベットの「V」の形に見える耳です。垂れ耳の犬に多いですが、立ち耳でもVシェイプイヤー(V-shaped ears)と言われる犬もいます。

ブルマスティフなどは垂れ耳タイプのVシェイプイヤー、シベリアンハスキーなどは立ち耳タイプのVシェイプイヤーです。

フィルバートシェイプイヤー

フィルバートシェイプイヤー(Filbert-shaped ears)はベドリントンテリアの耳を指すとき以外、使うことはまずないでしょう。
ベドリントンテリアは独特の外見をしたイギリス原産の犬で、フィルバートはヘーゼルナッツの一種を指します。耳の先にある飾り毛はタッセルと呼ばれます。

犬の耳の形を変えてしまう!?

「断耳」といって犬種標準(スタンダード)に合わせるために、本来垂れている犬の耳を切って立たせる方法があります。もともとは、狩猟犬や牧畜犬、闘犬などとして飼われていた犬が、相手に噛まれにくいようにするという実用的な意味がありました。

動物愛護の観点から諸外国では断耳が禁止されている国が多く、日本でもショードッグ以外では断耳は行われなくなってきています。

ドーベルマンミニチュアシュナウザーグレートデンなどはこれまで断耳されること多かったので、最近になって実は耳が垂れていることを知ったという人もいるそうです。

まとめ

愛犬の耳の形はどれだったでしょうか?
一言で犬の耳と言ってもさまざまなタイプがあり、そのそれぞれに人間との歴史があります。犬の耳のタイプを知ったら、歴史を調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

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