今すぐできる、猫のかんたん静電気対策

対策のポイントは「保湿」と「放電」。静電気が起きやすい状況をつくらないこと、たまった静電気を逃がすことが大切です。

【部屋】加湿で静電気の発生を抑える

乾燥した空気はタブー!
一般的に、静電気は湿度が35%以下になると発生しやすくなると言われています。加湿器などを利用して部屋の空気の乾燥を防ぎましょう。理想の湿度は50%以上です。
加湿器がなければ、濡れたタオルを部屋に干しておいてもいいですよ。

※加湿器は長時間使用すると高温になることもあるので、猫が触ってやけどしないよう注意してくださいね。

【飼い主】こまめに肌の保湿&手洗いを

乾燥は静電気のもとです。いつ猫に触れてもいいように、飼い主さんのお肌もしっかり保湿しておきましょう。

秋冬の保湿ケアの定番といえばハンドクリームですが、静電気対策にも有効です。特に乾燥肌の方は、こまめに塗って潤いをキープしておきましょう。

また、手洗いも効果的ですよ。水で洗い流すことで帯電していた静電気を放出することができます。

【猫】しっとり保湿! 適度に被毛を湿らそう

静電気が発生しやすい状況のひとつに「摩擦」があります。猫の被毛は摩擦が起きやすいうえ、乾燥しやすく、静電気にとっては宝の山。
また、静電気をためたままにしておくと、ハウスダストなども引き寄せてしまうので不衛生です。猫は「毛づくろい」をしますから、健康面から見てもいいものではありません。意識して保湿してあげてくださいね。

濡れタオルで拭く
一日数回、濡れタオルやペット用ウェットタオルで被毛を拭いてあげましょう。被毛を湿らせることで静電気の発生を抑えることができます。

グルーミングスプレーを使う
特に注意したいお手入れはブラッシング。被毛とブラシが擦れ合うので電気がたまりやすいのです。乾燥しているときは、グルーミングスプレーがあると便利ですよ。長毛種の猫ちゃんならなおさらです。被毛に適度な湿り気を与え、ブラッシング時の静電気を抑えましょう。

【飼い主&猫】静電気除去機能付きグッズを活用しよう

触れることで体にたまった電気を放出してくれる「静電気除去」グッズ。
定番はブレスレットやスプレー、シートですが、除去している間はLEDが光るキーホルダーなどもあり、便利なグッズが年々増えてきています。

猫飼いさんへのおすすめは「静電気除去シート」。さまざまなサイズがあるので利用シーンに合わせやすいのも魅力です。大きめサイズのシートなら、猫が通る廊下に貼ってみてはいかがでしょう。猫がシートの上を通るたびに静電気を除去できます。

静電気防止首輪も便利!
静電気除去機能のついた首輪も便利です。最近はデザイン性の高いおしゃれなタイプも販売されていますよ。

なぜ静電気は起きるの?

昔、プラスチックの下敷きを服などでこすって髪を逆立てて遊んだことはありませんか?
静電気は、モノとモノが触れ合うことによって発生しますが、主な原因は下記の3つに分けられます。

①接触帯電
モノとモノが触れ合うことで発生する
②剥離帯電
くっついていたモノ同士をはがすことによって発生する
③摩擦帯電
モノとモノをこすり合わせることで発生する


わたしたちの体ももちろんのこと、どんな物質でもプラス(+)の電子とマイナス(-)の電子を持っています。
プラスの電子の数とマイナスの電子の数が同じ場合は「中性」で、安定状態が保たれています。このとき、静電気が起きることはありません。

静電気が発生するのは、ふたつの物質が接触することによってプラスもしくはマイナスがどちらかに移動したとき。電子が移動すると、電気を蓄えた状態となりますが、電気を適度に放出していかないとどんどんたまってゆくばかりとなります。

◇静電気のショックはどれくらい?
電気をためればためるほど、電圧は高くなり時に火花が飛ぶこともあります。静電気が起きているときのチクッとするくらいの痛みは、3000ボルトもの電圧がかかっている状態なのだそうです。

乾燥する季節に注意

水が電気を通しやすいことはよく知られていますが、空気中の水蒸気も同様です。湿度が高い状態だと、物質に発生した静電気をすばやく放電するのでたまることはありません。一方、湿度が低い状態だと、電気を放出できず、物質が接触するたびにどんどん帯電していきます。

湿度が高い夏場より、乾燥しやすい冬場に静電気が発生するのはそのためです。

◇「人体」ではなく「衣服」が静電気をためている
よく「人のからだはほとんど水でできている」と言われていますよね。実際、成人男性の場合、体重の60%が水分と言われています。しかし、それほど多く水分を多く含む人体、なぜ帯電してしまうのでしょう。
理由は、着ている衣服がためてしまうから。衣服同士がこすれて静電気がたまり、それが人体へと移動しているのです。人体そのものが静電気をためているわけではないのですね。この現象は静電誘導と呼ばれています。

※電気を通すと言われている水とは、水道水や河川を流れる自然水などを指します。これらの水の中にはイオン(電気を帯びた原子のこと)が溶け込んでおり、このイオンが電気を通しやすくしているのです。不純物を含まない「純水」は電気を通しません。薬局などで販売されている「精製水」は純水にあたります。

心おきなくモフモフするために

冬が近づくと、どんどん空気が乾燥し、静電気が起きやすくなります。電気をためないためには保湿、加湿が大切です。静電気除去グッズを使えばより安心ですね。心おきなく猫とのスキンシップを楽しむためにも、対策は万全にしておきましょう!

参考文献 静電気ドクター https://www.keyence.co.jp/ss/ionizer/doctor/electrostatic/mechanism.jsp

 執筆者プロフィール
2匹の愛猫と暮らす元博物館学芸員です。専門は古生物学。ペットに関する科学的な知識を分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。
保有資格はペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

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