犬にトイレのしつけを始める時期

まずトイレのしつけをはじめる時期についてですが、ご家庭に迎えたその日から始めていただいて構いません。
ご家庭に犬を迎えるときは、すでに自分で歩いて、物を見聞きし匂いを嗅ぎまわるくらいに成長していると思います。
自分で排泄ができますから、排泄する場所については早い段階でコントロールしてあげましょう。

保護犬を迎えるなど、成犬である場合にも基本は同じです。何歳になっても、関連付けと学習によってトイレのしつけをすることができます。
トイレの場所が定着するまでの期間は、その子によって差があります。
つまり、明日から自然にできるようになる子もいれば、半年ほどかかる子もいるということです。
トイレのしつけがうまくいくかどうかは、生まれてから育った環境にも左右されるようです。根気強く見守ってあげてください。

犬のトイレのしつけに必要なもの

トイレのしつけに必要なものは、愛情と根気、そして時間の余裕です。これらは、どのようなしつけをするにも必要な心構えです。

また、必要な道具は、トイレシートになります。
新聞紙などでも構いませんが、市販のトイレシートのほうが排泄するためのキッカケになり、成功しやすいようです。
ちなみにタオルはあまりオススメしません。犬にとっての解釈はわかりませんが、トイレ用のタオルとカーペットを同じものだと勘違いさせてしまう可能性があるからです。

必要に応じて、トイレシートを挟むトイレグッズやご褒美のおやつ、広めのサークルを用意してください。
大きさは成犬で5kgほどの小型犬に、一畳分くらいの広さが理想です。
設置する場所は任意の場所で構いません。お部屋の真ん中でも隅でも大丈夫です。

犬のトイレのしつけの方法・手順

毎度のことですが、しつけの基本はお散歩です。
よく室内犬は散歩しなくてよいということを耳にしますが、それは大きな誤りです。
匂いを嗅いで排泄する「匂い付け(マーキング)」の習性はどの犬にも必ず備わっていますから、たくさんお散歩に出かけて匂い付けをしてもらうことが重要になってきます。

可能であれば、そのまま外で排泄することを覚えてもらうことがベストです。
家の中が内で、それ以外が外ということになりますから、よりストレスの少ない犬らしい生活ができることでしょう。
ただし、ワクチン接種が済んでおらずお散歩デビューしていない子に関しては、その限りではありません。
まず、内と外の区別をつけさせてあげましょう。そのためには寝る場所を決めるのがよいです。
日を重ねるごとに「寝る場所」と「寝る以外の場所」を覚えるので、寝る以外の場所に排泄することを習慣づけてあげましょう。

屋内でのトイレのしつけになりますが、飼い主様自身が愛犬の排泄するタイミングを知ること、目的の物の上で排泄してもらうことがポイントになってきます。
一緒に生活していれば、排泄のタイミングがだんだんと掴めてくるかと思います。
例えば、朝起きたあとや、ごはんを食べたあとなどです。そのタイミングで、用意した広めのサークルに移動して、排泄するのを待ちます。
お風呂場で覚えさせたい場合は、そのままお風呂場に連れて行って様子をみていてあげてください。

サークルを使用する場合、最初はサークルの中の全面にトイレシートなどを敷きつめます。
その上でトイレができたら、たくさん褒めてあげてください。おやつをあげても構いません。成功したら徐々にトイレシートの範囲を狭くしていきましょう。

足を上げてオシッコをする男の子の場合、壁にシートを貼り付けたり、円柱状や三角錐状の物にトイレシートを被せたりして設置するとよいです。
ちなみにサークルは一畳ほどの大きさが理想というのは、ある程度の範囲の中でトイレシートと床を区別させるため。そして、狭いサークルで犬にストレスを与えないためです。
ですから、設置する場所があれば一畳とはいわず、もっと広いサークルでも構いません。
やがてサークルに入れてもらわなくても、自分でトイレに駆け込んで用を足すようになります。自分の寝床とトイレの場所も区別できるようになっているはずです。

もしトイレを失敗してしまった場合は、大目に見るか、叱って止めさせます。
叱る場合には、違う場所で排泄している最中、あるいは排泄の直後でなければなりません。そのタイミングを逃して叱っても、犬はなぜ叱られているのかわからないのです。
また、叱るということは、誤った場所で排泄することを止めさせるために必要なことでもあります。
「そこは違うよ」ということを教えてあげるために、すぐに止めさせて、正しい場所に連れて行ってあげてください。

叱るときは、低い声で「ノー」と叱ってください。ただし、これはとても発音しにくく、犬にも伝えにくいかもしれません。
この叱り方が難しければ、丸めた新聞や雑誌などで壁や床を叩いて大きな音を出し止めさせる、あるいはそのまま抱き上げてトイレシートの上に連れて行くなど、とにかくその場は排泄させないことが大切です。
成功するまで、これらの方法を繰り返してみましょう。

犬のトイレのしつけにおける注意点

注意すべきことは、第一に犬らしい生活を心がけることです。
犬にとってのトイレは匂い付けと排泄が目的であり、当たり前の生理現象。犬らしい生活ができていれば、本来トイレのしつけは簡単にコントロールできるものなのです。
こちらからトイレのルールを求めてばかりではなく、愛犬の権利を守ってあげてください。

次に、上手くいかなくても難しく考えたり神経質になったりしてはいけません。
生まれてから家庭に迎えるまでの生活は飼い主様にはわかりません。またその子にはその子の個性があります。
なかなかトイレのしつけがうまくいかなくても、長い目で見てあげることが大切です。

トイレが上手にできたときは、その子に合った褒め方をしてあげてください。
穏やかな子に対して熱烈に褒めちぎってしまうと、かえって逆効果になることがあります。
また、ごほうびのおやつは与えすぎないようにしましょう。
トイレが上手にできたらおいしいものをたくさんあげたいところですが、この場合には関連付けが目的ですので、ごく少量でも構いません。

そして、サークルを使用する場合には、閉じ込めてはいけません。
オシッコを出しそうなタイミングでサークルに入れて、そのときに排泄しなかった場合には、一度出して解放してあげましょう。

「失敗したからハウス」には全く意味がなく、むしろ失敗を見逃した飼い主様の責任です。その場合には大目に見てあげてください。
当然のことですが、叱る場合には絶対に犬を叩いてはいけません。叱るのが苦手な方やメリハリのつけにくい方は、叱らずに抱き上げてトイレまで連れて行くことをオススメします。
声で叱る場合には端的に済ませることが大切です。失敗した場所に連れて行き長々とお説教することは逆効果です。

まとめ

犬のトイレのしつけは、一朝一夕で習得できるものではありません。長い時間をかけて、根気強くトレーニングを行うことが重要なのです。
お互いに快適な暮らしができるよう、今回ご紹介した方法を踏まえて、日々のトイレトレーニングに励んでみてくださいね。
 執筆者プロフィール
トリマー・動物看護師
ドッグトレーナー学校を卒業後、トリマー兼看護師として仕事をしています。
トレーニング、トリミング、動物看護の多方面から犬と家族の日々の暮らしをサポートしています。
行動学に頼らず、犬という動物と真正面から気持ちで接することで、トレーニングを難しく考えず作業としないことをモットーとしています。

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